kintoneでの販売管理はシステムとの連携がおすすめ!理由と事例を紹介
kintoneで販売管理や売上管理を実現したいとお考えの企業様、ちょっと待ってください!
kintoneは「集計・分析・データ管理」は得意ですが、「ルックアップ以外のアプリをまたいだデータ活用・印刷」等はあまり得意ではありません。
今回は、kintoneで販売管理はできるのか?という点から、おすすめの販売管理方法まで、詳しく解説します!
- kintoneで販売管理はできるのか
- kintoneと販売管理システムを連携させるメリット
- kintoneで販売管理はできるのか知りたい
- 見積~入金の消込までやりたい
- kintoneで売り上げを管理したい
- 販売管理システムとkintoneを連携させたい
目次
kintoneで販売管理は実現できるのか?
まず結論から申し上げますと、kintone(キントーン)で販売管理を行うことは「標準機能では不可能」だとコムデックは考えています。
先ほどお伝えした通り、kintoneは「ルックアップ以外のアプリをまたいだデータ活用・印刷」はあまり得意ではありません。
集計が簡単にできるから、販売管理も簡単にできるだろう……とお考えかもしれませんが、実は「販売管理」と一口に言ってもその機能は多岐にわたります。
一般的な販売管理に備わっている機能のうち、kintoneの標準機能で実現できる部分・難しい部分をまとめました!
標準機能でできる部分 | 標準機能では難しい部分 |
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kintoneが業務の主軸になってくると、「販売管理や請求業務もkintoneに集約したい……!」と思われるかもしれませんが、実は販売管理の要とも言える締め処理(合計請求書の作成)や未入金分を繰り越して翌月の請求書に反映すること、そして所定のフォーマットでの印刷がkitnoneの標準機能では難しいのです。
標準機能をひとつひとつ解決してくれるプラグインを組み合わせたり、販売管理専用のプラグインを使うことで締め処理や請求書作成もできるようになりますが、項目数が多く複雑な見積書、請求書等、kintoneでの作成に向かないケースもあります。
加えて、入力はkintoneの機能に依存するため、「かゆいところに手が届かない」そんな状態に陥ってしまうことも珍しくありません。
プラグインを使って実現する方法はこちらの動画で紹介しています。
kintoneで難しいなら…販売管理システム連携で売上管理を実現
標準機能では販売管理の実現は難しく、またkintoneで実装しても使い勝手が悪い、簡単なものにしか対応ができなければ意味がない……
そこで、コムデックがお勧めしているのは「販売管理専門のシステムとkintoneを連携させること」です。
販売管理システムであれば、仕入や在庫管理にはじまり、見積作成や承認、売上伝票の作成はもちろん、kintoneの標準機能では難しかった請求書の作成・印刷・締め処理による「合計請求書」の発行から入金の消込、未入金の繰り越しまで、一貫して行うことができます。
ただ機能としてできるだけではなく、「販売管理を行うのに最適な形での作成・入力」ができるため、kintoneの仕様に沿った入力が面倒くさい……ということもありません。
しかし、その一方で、販売管理システム内で売上データ分析を行ったり、柔軟に分析項目を変更したりすることは困難です。
分析を行いたければ、集計されたデータをCSVで取り出して、都度グラフ化する等の手間が必要になります。
そんな時には、販売管理に特化した販売管理システムと、「集計・分析・データ管理」が得意なkintoneを連携させることで、販売管理システムに蓄積したデータを活用することができます!
kintoneと販売管理システムを連携させるメリットとは?
販売管理システムの情報をリアルタイムでkintoneに連携させ、kintone上で集計や分析を行える販売生産管理 × kintone連携システムを導入することで、販売管理システムの使いやすさはそのままに、販売に関するデータがkintoneに一元化されます。
自動で連携されるため、分析のために情報を取り出したり、手動で転記をする必要はありません。
- グラフで可視化
- 変化の見える化
- 様々な視点(部門、商品、特定顧客の)での分析、集計がパッとできるようになった
- 販売管理に登録されている情報をkintoneに自動で転記するため、漏れがない
- 基幹システムに通知機能を持たせるのは大変だが、kintoneにアラート通知をしてもらえるように(契約の更新時期や入金期日)
- システム操作ログの取得
- 販売管理システムを開かなくても売上管理ができる
- kintoneのトップページなどで日常的に目にすることで意識が上がる
kintoneと販売管理を連携させている事例をご紹介
では、実際に販売管理システムとkintoneを連携させている会社さまがどのように活用していらっしゃるかを見ていきましょう!
販売生産管理 × kintone連携システムで書類作成と予実管理を効率化!株式会社アイフク・テックさまの事例
三重県伊勢市で電気工事業を営む株式会社アイフク・テックさまでは、もともとエクセルで各自が見積書を作成しており、フォーマットもバラバラで「誰がいつどんな見積書を作成したのか」が取りまとめられない状況でした。
元々kintoneを活用して業務改善を進めておられた株式会社アイフク・テックさまですが、kintoneの入力方法や見え方等から、工事に関わる細かい見積書をkintone上で作成することは難しいと判断し、販売管理システムを導入することで会社として見積の情報を集約。
決まった形で出力されるだけでなく、過去の似た見積を参照して効率的に見積書を作れるようになりました。
さらにその情報を販売生産管理 × kintone連携システムでkintoneに自動連係し、kintone内の日報から工数を参照する等複数のアプリを組み合わせ、案件ごとの予算と実績の比較に活用されています。
▼【kintone活用事例】予実管理もスムーズに!|電気工事業株式会社アイフク・テックさまの事例-後編
また、見積の情報がkintoneに自動連係されることで、これまでは社内にいないと承認できなかった見積を社外からもすぐに確認できるようになりました。
それまでのエクセルの見積書では、「プリントアウトした見積書を上長に見てもらう」「印鑑で承認を貰う」という流れが基本になり、上長が社外にいるときには「エクセルをメールで添付して上長に見てもらう」「電話で修正点を指摘してもらい、また直して送る」と、さらに手間がかかっている状態でした。
販売管理システムそのものでも見積の承認依頼は可能ですが、販売管理システムはあくまでパソコンで使うことを想定しています。
kintoneであれば、標準機能のプロセス管理機能(ワークフロー)を使って、スマホからでも内容を確認・承認可能となります。
連携にも一工夫し、販売管理システムで見積を作った際、わざわざkintoneを開かなくても、販売管理システム側からkintone上の承認依頼ができるように設定。
手間を無くすことで、より便利に使えるようになりました!
▼kintoneでいつでもどこでもスムーズに見積承認|電気工事業株式会社アイフク・テックさまの導入事例
販売情報をkintoneでリアルタイム管理し経営判断のスピードアップ!株式会社浅野製版所さまの事例
東京都中央区で広告製版業を営む株式会社浅野製版所さまは、売上管理とデータ分析をkintoneで行っています。
株式会社浅野製版所さまはもともと、業務工程の管理でkintoneを活用していました。
しかしkintone以外にも案件管理システムと売上管理システムが別々に存在しており、データの連携がうまくできていませんでした。
案件管理システムでは粗利が把握できず、逆に売上管理システムでは案件の詳細が把握できないという状況で、情報の確認や正しい意思決定が困難です。
そこでkintoneを用いた販売管理へ移行し、売上や粗利をダッシュボードでリアルタイム管理できる仕組みを導入。
複数アプリをまたいだ情報確認の手間削減と、経営判断のスピードアップを実現しました。
従来の売上管理にあたる業務には、コムデックの「販売管理システム」を導入しています。
販売管理システムを利用することで、見積もりや売上といった入力情報を自動でkintoneに連携することが可能です。
その後「krewDashboard(クルーダッシュボード)」というプラグインを利用し、kintoneに集約された情報を可視化しやすい状態に加工します。
krewDashboardは、kintoneアプリのデータを、10種類以上あるグラフを用いて見やすく表示できるプラグインです。
今回は、kintoneアプリから「案件管理」「活動管理表」、販売管理システムから「売上」「仕入」といった情報を抽出しました。
案件や売上などの必要情報をリアルタイムで可視化でき、従来のようにアプリ間を行き来する必要がなくなりました。
一目で情報を把握できるため、スピード感のある経営判断を実現しています。
▼kintone×販売管理システムの連携で売上管理を効率化|広告製版業 株式会社浅野製版所さまのアプリ開発事例
販売管理のポイントは、「kintoneだけ」にこだわらない
今回は、kintoneで販売管理を行おうとしたときにできること・できないことをメインに、販売管理システムの使いやすさを維持しながらkintoneに情報を一元化できる販売生産管理×kintone連携システムをご紹介しました!
kintoneは様々な業務に適応できる業務改善プラットフォームですが、特定の業務に特化したサービスではない分、何でもできるけれど全て100点満点というわけではありません。
もちろん、100点に足りない部分を補ってくれるプラグインはたくさんありますが、専門性が高く、高額なプラグインが必要な部分は全てkintoneでやるのではなく、専門ソフトに頼るのも一つの方法と言えます。
その他無料プラグインについて紹介している記事はこちら!
▼無料で使えるkintoneプラグイン!効率化を実現するおすすめ10選
その上で、最終的なデータはkintoneに連携してデータベース化し、分析や集計といったkintoneが得意な部分で活用する……そんな、「役割分担」も時には必要ではないでしょうか?
全てを一つで賄うのではなく、「自社の業務効率を高めるためには何が最適なのか」を念頭に、是非「販売生産管理×kintone連携システム」もご検討ください!
kintoneで販売管理を行う場合は専用のシステムとの連携がおすすめですが、kintoneのみで販売管理を行う方法についてもYouTubeで解説していますので、販売管理システムを導入されていない企業さまは参考にしていただけますと幸いです。