kintoneとRFIDの活用でバーコード読み取りよりも簡単に在庫管理が可能に!棚卸業務を効率化するアプリ開発事例

kintoneを導入している企業さまは増えていますが、在庫管理や棚卸はkintoneを使わずに手作業や別のシステムで行っているというケースも少なくありません。
在庫管理もkintoneに一元化すれば在庫情報をいつでもどこでもリアルタイムで確認できる他、集計も自動化できます。
しかし、kintoneを使った在庫管理だとしても、入庫データの入力は手作業になってしまいます。
バーコードやQRコードから読み取った商品情報が自動でkintoneに登録される仕組みがあれば、手入力が削減されることでヒューマンエラーが起こりにくくなり、棚卸や在庫管理の大幅な効率化が可能です。
今回、コムデックでは、バーコードやQRコードのさらに一歩先をいき、RFIDとkintoneを使って読み込んだ商品情報をkintoneに自動登録するシステムを構築しました。
「棚卸や在庫管理もkintoneに一元化したい」「棚卸や在庫管理の手入力を削減したい」という企業さまは、是非ご覧ください。
目次
kintoneに在庫情報を自動登録して在庫管理・棚卸を効率化したい!
kintone(キントーン)を導入していても、在庫管理・棚卸の業務にはさまざまな課題がつきまといます。
まずは、在庫管理でありがちな課題を「kintoneを使っている場合」と「使っていない場合」それぞれで解説します。
kintoneとは別の方法で棚卸・在庫管理を行っている場合の課題
kintoneとは別の方法で棚卸・在庫管理を行っている場合、大きく2つの課題が生じます。
1つ目の課題は、kintone上でリアルタイムに在庫データを把握できないことです。
各種データをkintoneに一元化しているにもかかわらず、在庫データのみ別システムで確認が必要、となると業務効率が低下します。
2つ目の課題は、kintone上で在庫を把握しようとすると在庫データをkintoneに手入力しなければならず、転記作業中にヒューマンエラーの発生リスクが高まることです。
正確性を保つために確認作業に時間をとられ、業務が非効率的になります。
kintoneに在庫データを転記しても、最新情報をリアルタイムに同期できないため、データのズレを起因とする過剰在庫や欠品などが発生しやすくなります。
kintoneで在庫管理・棚卸を行う場合の課題
kintoneでアプリやプラグインを使って在庫管理・棚卸を行う場合、業務の効率化は図れるものの、新たな課題が発生します。
たとえば、備品在庫管理アプリを使えば、入出庫数を入力することで自動的に在庫数を計算することが可能です。
ただし、入出庫数は手入力する必要があるため、入力ミスや漏れといったヒューマンエラーが発生する可能性はゼロではありません。
kintoneで在庫管理を行っている方の中には、「いちいちkintoneを開いて、日付と対象の商品を選択して、入出庫数を入力するのが手間」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
コムデックでも、これまでkrewData(クルーデータ)やTISの在庫管理プラグインを活用した在庫管理方法をはじめ、さまざまな方法を紹介してきました。
▼【動画あり】kintoneで製造業の在庫管理を実現する方法をケース別に5つ紹介
しかし、これらの方法はkintoneに在庫を入力する前提があるため、業務の完全自動化やヒューマンエラーの排除が難しいのが現状です。
これらの課題を解決するためには、「バーコードやQRコードから在庫情報を読み取り、kintoneに自動登録する」仕組みが必要になりますが、それでもやはり「バーコードを1商品ずつ読み取る」必要は出てきます。
そこで今回コムデックでは、バーコードやQRコードのさらに一歩先をいくRFIDとkintoneを活用した在庫管理方法を構築しました!
次のセクションでその仕組みを詳しくご紹介していきます。
kintoneにRFIDの情報を自動登録する在庫管理システムを構築!
ここでは、RFIDの概要とkintoneでRFIDの情報を自動登録する在庫管理システムの仕組みを解説します。
RFIDとは?アパレル業界でも使われている在庫情報を読み取れる技術
RFIDとは、Radio Frequency Identificationの略で、電磁波や電波を使ってICタグに登録されたデータをRFIDリーダーに送受信する技術を指します。
RFIDを使えば、非接触で大量のICタグの情報を読み込むことが可能です。
たとえば、アパレル業界では商品にICタグを取り付けておき、レジに商品が入ったカゴを置くと一括で商品情報を読み込めるようにして、会計を効率化しています。
このように、商品にICタグを取り付けておけば、買い物カゴに商品を複数入れた状態でも、商品が段ボールに入った状態で倉庫に積み上げられていても、RFIDリーダーで商品情報を読み込むことが可能です。
そのため、バーコードを1枚ずつバーコードリーダーで読み込むよりも、圧倒的に短時間で在庫管理や棚卸ができます。
kintoneでRFIDのデータを管理するためのアプリを構築
kintoneとRFIDを使った在庫管理は、タグを印刷して在庫にセットし、RFIDリーダーで在庫を読み取るという流れで行います。
コムデックでは、これを行うため2つのkintoneアプリと読み取りシステムを構築しました。
1つ目のアプリは、商品のタグマスタです。
このアプリでは、RFIDを読み取るとどの商品なのかがわかるように、RFIDと商品を紐付けしています。
2つ目のアプリは、棚卸アプリです。
このアプリは、RFIDから読み取った商品数と日時が自動的に登録されるようになっています。
今回は、スイッチングハブを商品として、RFIDを使った棚卸を実験してみました。
棚卸のやり方はシンプルで、3ステップで簡単に進められます。
1.棚卸のスタートボタンを押す
まずは、kintoneで棚卸のスタートボタンを押し、RFIDの読み取りをスタートさせます。
2.RFIDを読み取る
続いて、RFIDリーダーを使ってタグを読み取ります。
今回は、合計7つある2種類の在庫を棚卸ししました。
ハブの箱が積み重なっていてもRFIDリーダーなら在庫を動かさずにスキャンできるため、スピーディーに在庫確認ができます。
バーコードリーダーよりも読み取り範囲が広く、一括スキャンも可能です。
3.棚卸アプリを確認する
棚卸アプリの「【RFID読込】入庫画面」を見ると、先ほど読み取ったタグのIDと読み込み日時が反映されています。
読み取り枚数が「7」になっているため、すべての在庫を問題なく読み取ることができています。
この状態でストップすると「kintoneへの登録が成功しました」というメッセージが表示されます。
以上で、kintoneとRFIDを使った棚卸は完了です。
kintoneにRFIDの情報を自動登録する在庫管理システムのメリット
kintoneとRFIDを活用することで、在庫データの手入力がなくなるため棚卸にかかる時間が短縮され、作業効率が向上します。
ただし、RFIDはタグとリーダーなどの機材が高額なため初期投資の負担が大きく、費用対効果が見合うかどうかは検討が必要です。
在庫数が多いほどタグが増え、単純に管理しなければならない機材が増えるという負担もあります。
また、自動登録といっても、RFIDリーダーは万能ではないため、タグの向きや干渉によっては読み取りミスが発生するおそれがある点も考慮が必要です。
留意点はありますが、「在庫数が多い」「棚卸に丸1日かかっている」あるいは「複数名で棚卸を行うためほかの業務が止まる」といった課題を抱えている企業さまにとっては、課題解決の手段になり得るでしょう。
kintone×RFIDで入出庫データ登録の自動化を目指す!
kintoneとRFIDを活用することで、棚卸の在庫データ入力を自動化できるようになりました。
手入力の削減によってヒューマンエラーの発生リスクの低減とともに、棚卸にかかる時間の短縮も実現可能です。
今後は、より棚卸の精度を高めるためにも、RFIDを使った入出庫管理の実現を目指します。
実現できれば、日々の在庫管理の正確性が高まるうえ、さらなる業務の効率化につながるはずです。
これにより、生産性や費用対効果の向上も目指せます。
コムデックでは、お客さまのニーズに合わせてその場でアプリを構築する「kintone対面開発」を提供しています。
「kintoneを使って棚卸を効率化したい」「在庫管理におけるヒューマンエラーの発生を抑制するために手入力を削減したい」という企業さまは、お気軽にお問い合わせください。
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