kintoneで購買データ分析!営業力アップに繋げた顧客管理アプリ|卸売業のアプリ開発事例
卸売業では仕入の担当者と営業・販売の担当者が分かれていることが少なくありません。
双方の間で顧客の嗜好やこれまでの売れ筋といった情報が共有されていなかったり、感覚に頼っていたりすると、業務効率が低下し、在庫を予想外に抱えることも。
今回は販売データとkintoneの顧客管理アプリを活用し、担当者間のギャップを埋めて業務効率アップ&顧客満足度アップを実現した事例をご紹介します。
営業力を強化したい、顧客満足度向上に取り組みたい企業さまは必見です!
目次
お客様に合った商品をお届けしたい…営業と仕⼊の間にあるギャップ
今回kintone(キントーン)のアプリ開発事例をご紹介する企業さまは、世界中から商品を仕入れ、販売している卸売業の企業さまです。
扱い量の豊富さと高品質な商品を適正価格で提供できることが強みで、国内外の展示会に出展していらっしゃいます。
多くの卸売業の企業さまに共通することですが、商品の仕入れを行う仕入担当と、実際にその商品をお客様にご提案する営業担当は分かれています。
仕入担当者は経験や記憶をもとに「仕入目線で売れ筋のもの、良いもの、買い手がつきそうな商品」を仕入れ、営業担当は「仕入れられた商品を確認し、さまざまな顧客にアプローチして販売」してきました。
もちろん営業担当者もこれまでの経験や手元の記録、感覚などを頼りに「この商品はこのお客様がお好きなのでは」と考えてのアプローチはおこないますが、どのような商品が仕入れられてくるかは実際に見るまでわかりません。
スムーズに商品とお客様が結び付かないと、仕入れた商品が予想外の在庫となってしまうこともあります。
管理にはこだわっているものの、経年劣化してしまう商品もあるため、お客様になるべくよい状態でお渡しするためにも予定以上に在庫を抱えることはしたくありません。
この仕入担当者と営業担当者の間にあるギャップを埋めるために、ITを活用できないかと考えたのです。
仕⼊で重要なのは「⼀⼈ひとりの顔が思い浮かぶこと」
長年にわたり仕入担当者と営業(販売)担当者の間にギャップが発生していた卸売業の企業さま。
想定外の在庫となってしまうのは、「その商品にマッチするお客様が居なかった」ことが大きな理由です。
では、そんなミスマッチを無くすためにはどうすればいいのでしょうか?
仕入担当者は「よりお客様に買いたいと思っていただける商品を自信をもって仕入れること」、営業担当者は「満足度を高めるためにも、よりそれぞれのお客様のニーズに沿う商品を紹介すること」が目的です。
互いの目的を達成するためには、営業担当者の頭の中にある「このお客様はどんな商品が好きか」という情報、つまり趣味趣向を仕入担当者に伝えることができれば、仕入がニーズとマッチしやすくなります。
もちろん市場全体の流行などもありますが、この企業様では流行も押さえつつ、どちらかと言うと個々のお客様の好みにフォーカスすることにこだわりたい、との思いをお伺いしました。
何故なら、その時々のトレンドは既に仕入担当者も営業担当者も把握できているので、今回必要なのはそのさらに一歩先を行く「お客様の個別の好みの把握」であると考えたためです。
そのために必要になってくるのは、まずお客様それぞれの嗜好を見える化して傾向を分析し、分析結果を仕入担当者が把握することで、仕入れ時にその商品を届けたいお客様の顔が思い浮かぶような状態にすることでした。
この状態をゴールと定め、そこまでの道のりを支援するツールをkintoneを使って仕組み化していくことになったのです。
販売データを元にお客様の嗜好をkintoneでデータベース化!
顧客の嗜好を見える化し、分析すること、そしてその情報を仕入担当者と営業担当者で共有できる状態を目指しはじめたこちらの企業さま。
嗜好を分析というとビックデータ等が思い浮かぶかもしれませんが、前述の通り目指す所は 「仕入れるときにその商品を届けたいお客様の顔が思い浮かぶこと」。
そのために必要なのは大勢の人の意見や好みではなく、個別のお客様が「これまでどんな商品を好んでお求めになっていたか」という情報です。
この企業さまではすでにkintoneを導入しており、kintone上に販売データが蓄積され、顧客管理アプリにはお客様の基本情報が登録されていました。
kintoneには、「条件に一致したレコード」を同アプリ内はもちろん、ほかのアプリからもピックアップして一覧表示できる関連レコード一覧機能があります。
この機能を使い、kintoneにあるこれまでの販売データを、以前から使っていた顧客管理アプリに関連レコードとして表示できるようにしました。
これにより、チェックしたいお客様の情報を顧客管理アプリで開くと、そのお客様への販売履歴もすべて確認できるようになったのです。
この販売データを見れば、そのお客様がどんな商品を好んでいるのかの傾向を分析することが可能です。
例えば「このお客様は過去この商品を3回購入しているから、今回も同様の商品を仕入れればお気に召すのではないか」といったように、商品を仕入れる際にどの顧客が購入してくれるかを予め予測して仕入を行うことができるのです。
kintoneのグラフ機能を活⽤!⼀⽬で購買傾向が分かるように
kintoneにあるこれまでの販売データと顧客管理アプリを紐づけて、一人ひとりのお客様の好みの傾向分析ができるようになりました。
kintoneでは、一人ひとりの傾向を見ることはもちろん、全体の傾向を分析することも簡単にできるようになります。
kintoneは蓄積したデータの集計やグラフ化が得意です。
グラフ作成は数クリックで設定でき、さまざまなグラフの表示が可能。元データの更新に合わせて、リアルタイムで更新されることも嬉しい点です。
詳細なグラフの作り方はこちらの記事でご紹介しています!
▼kintoneで売上管理を実現!アプリの作り方やグラフ設定方法を解説
kintoneでは抽出する項目はもちろん、期間なども簡単に設定できるため、チェックしたい内容・期間のグラフがすぐに作成できます。
これをチェックすれば、全体の売れ筋やトレンドがわかって仕入れに活かしたり、今回仕入れた商品を過去にどの顧客が購入してくれたかをチェックして営業に活かしたりできるわけです。
販売データや顧客管理アプリとkintoneの得意をうまくかけ合わせることで、データが業務にうまく活かされるようになりました。
顧客分析で営業⼒アップ&顧客満⾜度向上
kintoneで管理していた販売データと顧客管理アプリの情報を紐づけることで、顧客の購入傾向の分析や商品ごとにどの顧客が好んでいるかを一目で見られる状態を実現した卸売業の企業さま。
これまで営業担当者の記憶に頼っていた部分がデータによって明確になり、仕入担当者がお客様の顔をイメージしながらそれぞれのお客様の好みに沿う商品を狙って仕入れることができるようになりました。
結果として、よりお客様の好みに合致した商品を仕入れることができるようになり顧客満足度が向上。さらに、「仕入れたはいいけれどその商品を好むお客様が居なかった」といったことも少なくなり、業務効率も高くなったのです。
これらがプラスに働いて、この企業さまではコロナ禍でも売上を伸ばされています!
kintoneで実現した担当間のギャップ解消!別の業務にも展開していきたい
kintoneのデータと特性を活かし、顧客満足度と社内業務の効率のWアップを実現した卸売業の企業さま。
顧客管理アプリをはじめとしたkintoneのデータは現在、仕入担当者と営業担当者が使っていますが、今後は他の業務担当者にも広げていきたいのだとか。
例えば、社内で商品の加工をおこなう製造担当者にとっても、お客様の顔が見える、どんな人の手に渡っていくかをイメージできると業務への取り組み方も変わっていく、といった作用が期待できます。
kintoneの活用と言うと業務効率化の中でも特に「管理」の側面に偏りがちですが、今回ご紹介した企業さまのように営業や顧客満足といった面でも活用できるのがkintoneの強みです。
是非御社でも営業力の強化にkintoneを活用されてはいかがでしょうか?
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