kintoneの導入に失敗する原因は?導入成功事例から失敗しないポイントを解説
頭に残りやすいCMの効果もあり、業務効率化を図るためkintoneの導入を検討している企業様も多くいらっしゃるかと思います。
しかし、導入には費用的なコストはもちろん時間的・人的コストもかかるため、本当に自社に合っているのか、うまく運用できるのか不安に思う担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
業種や規模を問わず様々な業務を効率化できるkintoneですが、実際のところ導入に失敗してしまうケースも少なからず存在します。
そこで本記事では、100社近くのお客様にkintoneを導入してきたコムデックが考える、「kintone導入に失敗する原因」をまとめました。
成功事例から学ぶ「失敗しないためのポイント」もご紹介していますので、導入前や導入初期にぜひご覧ください。
この記事でわかること
- kintone導入に失敗する原因
- kintone導入に失敗しないためのポイント
- kinone導入の成功事例
こんな人におすすめの記事です
- kintoneの導入を検討している方
- kintoneの導入事例を知りたい方
- kintoneの導入に失敗する原因を知りたい方
目次
kintoneの導入に失敗する原因
kintone(キントーン)の導入に失敗する原因として、企業側に問題があるパターンと、kintoneのシステムそのものに問題があるパターンの2種類があります。
それぞれの原因の内訳を詳しく解説しますので、自社が当てはまっていないかチェックしておきましょう。
導入する企業側の原因
企業側の要因は本当に各社様々ですが、大きく分類すると以下の5つになります。
どれも「kintone失敗あるある」になっていますので、一つでも思い当たった方はすぐに軌道修正を!
- 実際に利用する現場の声を聞かずに導入(機能が満載過ぎて使いにくい)
- トップがある程度の強制力を持って導入できなかった(ダブルスタンダードを許してしまった)
- アプリが完全に出来上がってから使おうとした
- 既存の仕組みを再現することに注力してしまった
- 導入の目的や効果が伝わっていない
経営陣・管理者の意見のみでkintoneアプリを構築していくと、現場の声が反映されていないアプリになってしまい失敗する可能性が高いです。
経営陣が良いと思っても、実際にアプリを使用する現場の従業員が「使いにくい」と感じれば、活用されることはないでしょう。
しかしその一方で、ある程度はトップからkintoneを使って業務をやってもらえるように指示を出してもらい、利用を徹底する必要があります。
kintoneもあるけれど、一部の人はエクセルで……というダブルスタンダードを認めてしまうと、一向に業務改善は進みません。
もちろん現場が自発的にkintoneを使ってくれることが一番ですが、それを待っていたら業務改善が進まないのが現実。
「ツールを使いやすくする」点においては現場の声を大いに取り入れていただきたいですが、「使ってもらう」という点ではトップダウンも必要です。
また、「まずは担当者間でアプリを構築していき、あらゆるケースに対応したシステムが完成するまで他の従業員にはkintoneを使ってもらわない」という体制にしたことで失敗するケースも多くなっています。
kintoneは「作って、試して、直す」を高速に行うことができるのがメリット。
要件を決めて、「こんなケースの時には?」「あんなケースの時には?」と発生頻度の低い事象を一つ一つつぶしていくのでは、いつまで経っても使ってもらうことができません。
まずは「よくあるケース」に対応できるアプリを構築し、イレギュラーなケースは発生したタイミングで対応していくのがおすすめです。
kintoneになる前は紙やエクセルで管理をしているケースがほとんどかと思いますが、「既存の書式を再現する・変わらない使い勝手にする」ことに注力しすぎるのも失敗の原因です。
せっかくのkintoneが「ちょっと入力が便利になっただけ」のアプリになってしまい、「これだったらエクセルの方が良い」と元の管理方法に戻ってしまう企業が後をたちません。
そして最後に、「kintoneを使う目的や、その効果が伝わらないままにとにかく使って!と押し付けてしまっている」ことが最も重要な失敗の原因です。
何故kintoneを使ってほしいのか、そこが伝わらなければ人によっては「kintoneだと自分のやり方を変えなくてならず逆に効率が悪い」とkintoneに悪印象を抱いてしまいます。
そんな時、「会社として業務量を見える化していきたい」「きちんと作業量を把握して、平準化したい」といった目的から伝えておくことで、現場の反発を抑えることができます。
この時、合わせてkintoneを使った場合の効果も伝えられると、より協力を得やすいでしょう。
kintoneのシステム面での原因
kintoneはカスタマイズ性が高いものの、「販売管理システム」や「会計システム」などの基幹システム、勤怠管理といった専用システムを置き換えるのは難しいのが現状です。
このようなシステムをkintoneで再現しようとすると複雑になるうえ、多くのプラグインが必要になるためかえって割高になってしまいます。
電子帳簿保存法や働き方改革法などの法律への対応も、専用ソフト(マネーフォワードクラウド会計、KING OF TIMEなど)なら自動的に対応してくれますが、kintoneは汎用システムなので自分たちで対応しなくてはなりません。
これらを自社で行うのは大変ですし、何より「きちんと適合できている状態かどうか」は誰もわかりません。
そのため、kintoneよりも専用のシステムやソフトを利用したほうが効率が良いでしょう。
kintoneの向き不向きを踏まえたうえで、導入するか検討することが重要です。
kintone導入に失敗しないための5つのポイント
kintoneの導入に失敗しないためには、以下の5つのポイントを意識しましょう。
- 現場と管理者双方の意見を取り入れる
- 導入の目的を明確にする
- はじめから完璧を求めない
- kintoneでやること/やらないことを決める
- 導入支援・開発支援を利用する
特に、自社での対応が難しい場合は、導入支援を利用するのがおすすめです。
現場と管理者双方の意見を取り入れる
kintoneを導入する際は、実際に使用する現場の従業員の意見を取り入れましょう。
管理者側の都合だけであれもこれも導入しようとすると、現場がついていけなくなり、結局活用されなくなってしまいます。
特に今までアナログな方法で業務を行っていた企業では、従業員がkintoneの操作に慣れるまでに時間がかかるでしょう。
その場合は、最初は最小限の入力項目から始め、徐々に増やしていくというやり方でも問題ありません。
操作方法が難しいという理由で使われなくなってしまっては本末転倒なので、時間をかけて自社に合った形を作っていくことが重要です。
導入の目的を明確にする
kintoneを導入しただけで業務が改善されるわけではありません。
まずは業務の課題を明確にし、その解決のためにkintoneを導入するというのが正しい順序になります。
さらに業務フローを整理することで、どこの業務でkintoneが活用できそうか、より具体的に考えることができます。
導入前に「どの業務のどういった部分を改善するためにkintoneを利用するのか」「kintoneを導入することで自社がどんなふうになっていきたいのか」を明確にし、それを従業員にも共有しておきましょう。
はじめから完璧を求めない
いくら完璧に設定したと思っても、実際に運用を開始すると、想定外の問題が発生するものです。
いきなり全てのケースに対応できる完璧なアプリを目指すのではなく、使いながら現場の声を汲み取り、軌道修正をすることで自社に適したアプリを作ることができます。
kintoneでやること・やらないことを決める
先ほどお伝えした通り、kintoneはなんでもできるわけではありません。
プラグインで機能を拡張することはできますが、やはり得手不得手は存在します。
苦手なことを無理にkintoneで実装しようとすると、かえって使いにくいアプリが出来上がってしまうケースが少なくありません。
そんな時は、「kintoneでやらないこと」を決めて、その上で「kintoneで実装はしなけれど、データは連携させる」等の役割分担を検討しましょう。
kintoneは外部ともデータ連携できる仕組みを持っているので、無理にkintoneで実装するよりも効率が良いケースがあります。
kintoneでできるデータ連携については、こちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneとデータ連携を行う4つの方法・おすすめサービス・拡張機能を紹介
導入支援・開発支援を利用する
kintoneの用途は多岐に渡るため、自社に合った方法を自分たちで見つけていくのは大変です。
慣れない作業は担当者の負担になり、かえって業務効率が落ちてしまう可能性もあるでしょう。
自社での構築・運用が難しい場合は、導入支援を活用するのがおすすめです。
専門家からフィードバックを受けることで、無理なく自社で運用できるようになります。
また、開発支援を受けることで、アプリを自社に合った形にカスタマイズすることも可能です。
アプリの開発は専門的な知識を要するため、プロに任せるのが良いでしょう。
kintone導入の成功事例
実際にkintoneの導入に成功した企業の事例をご紹介します。
ここで紹介する企業さまも、最初から全てうまくいったわけではありません。
kintoneを活用するためには、課題を克服する過程を知り、自社にどう取り入れるかを考えることが重要です。
kintoneで工事の工程管理に成功した事例
▼工程進捗管理をkintone化!自動で進捗管理データを作成|建築業 株式会社中美建設さまのアプリ開発事例
株式会社中美建設さまは、新築の注文住宅を中心に手がける建築業の企業さまです。
元々はエクセルで工程管理を行っていましたが、手動での案件登録作業に手間がかかり、抜け漏れが起こりやすいという問題を抱えていました。
1度kintoneでガントチャート形式の工程管理アプリ作成を試したものの、これまで使ってきたエクセルと見た目が大きく変わるうえ、管理したい項目を集計できないことから、利用を見送ったという経緯があります。
そこで、kintoneのプラグインを活用し、従来のエクセルに見た目を近づけながらも、案件登録を自動で行えるようなアプリを開発しました。
その結果、工程管理が自動共有されるようになり、二重入力の手間もなくなりました。
kintone化によって効率が上がっただけでなく、抜け漏れといったミスの削減にもつながったのです。
kintoneで案件管理の脱エクセルに成功した事例
▼不動産業でkintone活用!案件管理の脱エクセルを成功に導く手順とは?|株式会社レアルジャパンさまのアプリ開発事例
株式会社レアルジャパンさまは、宅地開発や分譲、仲介、管理コンサルタントなどの不動産事業を展開されている企業さまです。
元々案件(買い付けする土地)をエクセルで管理していましたが、社内で共有されておらず、案件情報を確認するためには担当者に確認する必要がありました。
さらに、エクセル上ではいつどこを更新したのかがわからないため、進捗状況を正しく把握できていないことも課題でした。
そこで、案件管理をkintone化することで脱エクセルを図ろうと考えたのです。
しかし、ただkintone化しただけでは大きく便利にはならないと考え、置き換えるアプリはできるだけ手入力が必要な項目を減らし、よく見る一覧はすぐにアクセスできるよう工夫を加えました。
その結果、今までブラックボックス化していた案件情報が社内に共有され、ひと目で状況を把握できるようになったのです。
さらに、スマホやタブレットから場所や時間にとらわれずに確認・編集ができるようになり、大幅な業務改善に成功しました。
kintoneの導入に失敗しないためには導入支援を活用しよう
kintoneの導入に失敗しないためには、導入の目的を明確にし、現場の意見を取り入れて改善を行っていくことが重要です。
はじめから完璧なものを求めるのではなく、運用しながら徐々に最適な形を目指していきましょう。
アプリの構築や運用に不安がある場合は、kintone導入支援を活用することをおすすめします。
コムデックでは、kintoneの導入・運用サポートを行っていますので、kintoneを活用して業務効率化を図りたい企業さまは、お気軽にお問い合わせください。
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