kintoneで帳票を簡単に作成・PDF出力したい!便利なプラグイン6つを徹底比較!
kintoneの標準機能では、レコード詳細画面そのままの印刷しかできないため、帳票の作成や出力の際に不便を感じることが多いですよね。
そこで今回は、簡単に帳票印刷ができる無料プラグインを2つと、自社の帳票レイアウトに合わせ自由に帳票が作れるプラグインを4つ紹介します。
プラグインごとの違いについてもわかりやすく解説するので、きっと自社にあったものが見つかるはずです!
この記事でわかること
- kintoneから自由なレイアウトで帳票出力をする方法
- プリントクリエイター・k-Report・RepotoneU・ドキュトーンの違い
- 無料プラグインでkintoneから帳票印刷する方法
こんな人に向いている記事です
- kintoneから印刷できる無料のプラグインを知りたい
- kintoneから自社のフォーマットに合わせた帳票を簡単に作成したい
▼この記事の参考動画はこちら!
目次
帳票作成・印刷を便利に!無料で使えるプラグイン2選
WEBシステム開発を行っているTIS社が、帳票印刷のためのプラグインを無料で提供しています。
自由度はあまり高くないため、「自社のこのフォーマットに合わせて印刷がしたい……!」という場合には不向きですが、レコード画面をそのまま印刷するよりは帳票らしく整えることができます。
一覧画面印刷プラグイン
kintone(キントーン)の標準機能では、一覧画面を印刷する際にヘッダーやメニューボタンまで印刷されてしまい邪魔になりがちです。
この一覧画面印刷プラグインを利用すれば、一覧画面のヘッダーやメニューを非表示にできるため、テーブルやグラフだけを印刷したいときに役立ちます。
帳票の印刷時にヘッダーやメニューボタンが表示されて悩んでいる方は、ぜひ導入しましょう。
プラグインを使わず一覧画面を印刷しようとすると、この通り印刷時には不要なヘッダー部分も含まれてしまいます。
こちらのプラグインはインストールするだけ!
必要に応じて「印刷範囲にレコード一覧のメニュー下側の空白部分も含める」にチェックを入れて下さい。
プラグインを設定すると、以下のように一覧画面に印刷マークが表示されます。
↓
印刷設定プラグイン
印刷設定プラグインは「kintoneのレコード画面印刷のレイアウトを手軽に整えたい!」という会社さまにぴったりのプラグインです。
実はkintoneには、標準でレコード詳細画面の印刷機能はついています。
レコード詳細画面の 「…」をクリックすると、「レコードを印刷」のメニューが表示されます。
ただし、ここで印刷しても本当にレコード詳細画面の見た目がそのまま印刷されるだけ。
印刷設定プラグインでは、kintoneのレコード印刷画面上で改ページ・罫線・段組等の指定を簡単に行うことができます。
自由なレイアウトを組むことはできないため、すでに自社で使っている帳票のレイアウトがある会社さまには向きませんが、簡単でいいから帳票の体裁を整えたいという会社さまにはおすすめです。
こちらのプラグインも、ほとんどインストールするだけで利用可能です。
プラグインをアプリにいれたら、先ほどと同じようにレコード詳細画面右上から「レコードを印刷」を選択します。
表示される画面は先ほどと同じかと思いきや、各項目にマウスカーソルを合わせると何やらマークが表示されました。
右側の歯車のマークを押すと、項目を囲っていた枠線やフォント、文字色の設定が可能です。
まだアプリ名やURL等が表示されていて、帳票っぽくはないですね。
印刷画面の詳細設定で「ヘッダーとフッター」「背景のグラフィック」の印刷チェックを外すと、もう少し帳票らしくなります。
項目名を横に並べたり、改ページ指定をすることもできます。
例えば印刷に必要な部分以降は2ページ目に指定して、印刷は1ページだけ行う、といったことが可能です。
↓
一度設定しておけばその設定を次印刷する時も記憶してくれているので、「kintoneのレコード詳細画面ももうちょっと帳票らしく印刷したい」場合にはおすすめです。
有料プラグインの導入でさらに思い通りの帳票が作成できる!
ここまで紹介したプラグインは、どちらも無料で利用できる反面、自由度は低く希望通りのフォーマットでの作成は行えません。
先ほども説明したように、kintoneの標準機能では、見たままの画面がそのままのレイアウトで出力されてしまいます。
そのため、kintoneで作成した売上管理用のアプリのレコードをわざわざエクセルなどに手入力して帳票を作成している方もいるのではないでしょうか。
これから紹介する有料のプラグインを導入することで、自社の帳票のフォーマットに合わせたレイアウトを自由に組むことができます。
kintone内で帳票の作成から印刷までを行いたいという会社さまは是非導入を検討してください。
プリントクリエイター
プリントクリエイターはkintoneの連携サービスを提供している会社「トヨクモ社」の外部連携サービスです。
レイアウトを自由に組めるため、希望のフォーマットで帳票を作成できます。
設定方法は、自社で利用している請求書や見積書と言った帳票のPDFファイルをアップロードし、どの箇所にどの項目を表示するかを設定していくだけ。
あとは、kintoneアプリ内に表示されている「出力ボタン」を押すだけで、kintone内のデータが反映された帳票のPDFファイルが出力可能です。
プリントクリエイターはPDF出力に特化
プリントクリエイターは、出力する際にPDFのサイズを自由に変更することができます。
そのため、帳票だけでなく、宛名ラベルや年賀状といった幅広い用途に使うことができるのです。
また、個別出力に関しては無制限でできるところも良いポイントです。
プリントクリエイターのデメリット
プリントクリエイターのデメリットとして、下記の3つが挙げられます。
各項目について詳しく見ていきましょう。
1.エクセルやワードへの出力ができない
PDFへの出力のみに対応しているため、エクセルやワードのように帳票の出力後に手軽に修正できません。
修正が必要な場合には、kintoneのレコードを修正し、再度出力する必要があります。
2.複数枚の帳票を一括出力するためには、プレミアムコースへの加入が必要
個別出力は全コースで無制限ですが、複数枚の帳票を一括出力できるのはプレミアムコースのみとなっています。
また一括出力できる上限枚数が10,000枚/月であり、上限を超える場合は10,000枚ごとに12,000円を追加料金が必要です。
3.kintone上でプリントクリエイターの設定ができない
プリントクリエイターはプラグインではないため、別途プリントクリエイターの環境にログインをして設定する必要があります。
プリントクリエイターの利用料金
料金
|
ライト
|
スタンダード
|
プレミアム
|
月額 6,000円
年額 68,400円
|
月額 9,000円
年額 102,600円
|
月額 14,000円
年額 159,600円
|
|
PDFでの個別出力
|
無制限
|
無制限
|
無制限
|
複数レイアウト
|
○
|
○
|
○
|
用紙サイズの変更
|
○
|
○
|
○
|
出力ログ管理機能
|
○
|
○
|
○
|
テーブル取り込み機能
|
×
|
○
|
○
|
画像取り込み機能
|
×
|
○
|
○
|
QRコード自動生成
|
×
|
○
|
○
|
バーコード自動生成
|
×
|
○
|
○
|
PDFでの一括出力
|
×
|
×
|
月10,000枚
|
複数枚出力
|
×
|
×
|
○
|
テーブル行数条件分岐
|
×
|
×
|
○
|
レコードへの自動保存
|
×
|
×
|
○
|
kintone一覧出力
|
×
|
×
|
○
|
宛名ラベル印刷
|
×
|
×
|
○
|
アプリ連携機能
|
×
|
×
|
○
|
安心運用サポート
|
×
|
○
|
○
|
いちばん価格の安いライトコースでも個別出力は無制限のため、簡単な帳票の出力であれば、ライトコースで十分でしょう。
ただし、ライトコースやスタンダードコースでは一括の出力に対応していないため、帳票の出力が頻繁に行われる場合にはプレミアムプランをおすすめします。
プリントクリエイターでは30日間の無料お試しを受けることができ、期間内はプレミアムコースの全ての機能が利用可能です。
そのため、無料期間中にさまざまな機能を試してみて、自社にあったプランを契約すると良いでしょう。
プリントクリエイターはこんな方におすすめ
プリントクリエイターは、PDFの出力のみでも十分で、帳票以外の用途でも出力をしたい企業さまにおすすめです。
また、スタンダードプラン以上であれば様々な機能を利用できるため、より柔軟に帳票の設定を行いたい企業さまに適していると言えます。
k-Report
k-Report(ケーレポート)はオーサムジョブ合同会社の帳票出力ツールです。
プリントクリエイターと同様に、自社で利用している見積書などの帳票のPDFファイルをアップロードし、kintoneのどのフィールドがどこにくるかを配置することでPDFを出力できます。
それだけではなく、k-Reportは背景のPDFがなくても、枠や表を自由にレイアウトを作成できるのが特徴です。
k-Reportについてはこちらの動画でも詳しくご紹介しています!
k-Reportは背景PDFがなくてもいい
自社が使っているエクセルやワードをPDF化して、それを取り込んでkintone内の項目を配置していくというスタンダードな使い方はもちろん、k-Reportの中で帳票のレイアウトそのものを作ることができます。
表や枠組み、罫線等もk-Reportの中で作ることができるため、項目自体を増やしたい時などにいちいちPDFの元となるエクセルファイルを修正して、PDFに書き出して、取り込んで……という一連の処理が不要になります。
k-Reportのデメリット
k-Reportのデメリットは、エクセルやワードへの出力ができないことと、kintone上では帳票の設定を行うことができないことの2点です。
とは言え、機能としては他のサービスの上位プランに相当するものが備わっているため、PDF出力だけで問題ない場合にはk-Reportで十分でしょう。
k-Reportの利用料金
料金 | 月額 10,000円 年額 100,000円 |
PDFでの個別出力 | ○ |
PDFでの一括出力 | ○ |
エクセルでの出力 | × |
複数枚出力 | ○ |
一覧出力 | ○ |
テーブル取り込み機能 | ○ |
QRコード自動生成 | ○ |
バーコード自動生成 | ○ |
条件分岐による表示わけ | ○ |
用紙サイズの変更 | ○ |
画像取り込み機能 | ○ ※kintone外からも取り込み可能 |
レコードへの自動保存 | ○ |
出力ボタンの制限 | ○ |
APIによる外部システムとの連携 | ○ |
数値の0埋め | ○ ※高度な計算ロジックを利用 |
k-Reportは1プランのみとなっており、わかりやすい料金設定の中で様々な機能が利用できることが魅力です。
30日間の無料お試し期間もありますので、まずはそこから使ってみることをおすすめします。
k-Reportはこんな方におすすめ
k-Reportは、他のサービスの上位プランに相当する機能がワンプライスの中に備わっているため、PDF以外での出力が必要ない場合には是非おすすめしたいツールとなります。
なるべく費用を抑えたい方、どれを使ったらいいのかわからないという方は、ひとまずk-Reportを使ってみるといいでしょう。
設定も簡単なので、他の帳票印刷系ツールからk-Reportに乗り換えるケースもあるようです。
RepotoneU (レポトンユー)
RepotoneU(レポトンユー)は、システム開発を行っている「ソウルウェア社」が提供するプラグインです。
PDFやエクセルを取り込んでテンプレートを登録でき、マウスのドラッグ操作で簡単かつ自由にレイアウトを決めることができます。
外部連携サービスではなくプラグインのため、kintoneアプリ内で設定を行うことができるのが大きな特徴となっています。
RepotoneUはエクセル出力にも対応
RepotoneUでは、プリントクリエイターとは異なり、エクセルでの出力も可能です。
そのため、帳票の出力後に項目を修正することができます。
その他の設定方法等はプリントクリエイターと似ており、わかりやすいUIで感覚的に出力する項目を設定可能です。
RepotoneUのデメリット
RepotoneUのデメリットとして、限られたサイズでしか印刷をすることができない点と多機能な「Pro」プランは月額制のみという点を挙げることができます。
RepotoneUでは一般的な帳票のA4・A3用紙やラベル印刷などのサイズしか印刷することができないため、年賀状などの幅広い用途に流用する事ができません。
また、PDF出力、エクセル出力のみであれば月額のランニングコストがかからない「買い切り方」が用意されていますが、一括出力などの機能が利用できる「Pro」プランは月額制の契約のみとなっています。
RepotoneUの利用料金
種類
|
Pro
(月額・年額型) |
PDF
(買い切り型) |
Excel
(買い切り型) |
料金
|
月額 16,500円
年額 188,100円
|
107,800円
Excel購入済みの方
63,800円
|
220,000円
PDF購入済みの方
176,000円
|
個別出力
|
○
|
○
|
○
|
一括出力
|
○
|
×
|
×
|
一覧出力
|
○
|
×
|
×
|
複数ページ帳票出力機能
(自動改ページなし) |
○
|
×
|
×
|
複数ページ帳票出力機能
(自動改ページあり) |
○
|
×
|
×
|
複数シートへの出力機能
|
○
|
×
|
×
|
ラベル出力機能
|
○
|
×
|
×
|
帳票デザイン
|
○
|
○
|
○
|
帳票設定数
|
30
|
10
|
10
|
出力枚数
|
10,000枚
|
上限なし
|
上限なし
|
※Pro版で10,000枚出力したい場合には別途追加料金がかかります
買い切り型の「PDF」「Excel」出力プランは個別出力のみの対応となっております。
そのため、多くの見積書や請求書を印刷する必要がある方は、一括出力機能を持っている「Pro」プランを利用することをおすすめします。
RepotoneUはこんな方におすすめ
RepotoneUはエクセルでの出力が可能であり、なおかつプラグインのため、kintone内で全ての設定を行うことができます。
より手軽に、自社のフォーマットで印刷を行いたい企業さまにおすすめです。
また、買い切り型でランニングコストを抑えたい企業さまにもおすすめできます。
ドキュトーン
ドキュトーンはオプロ社が提供している連携サービスです。
kintoneで唯一、ワード・エクセル・パワーポイントのすべての出力に対応しています
自社で利用している帳票のワード・エクセル・パワーポイントファイルを用意し、kinotoneにインポートすることもできますし、新規でレイアウトしたテンプレートを作成することも可能です。
配布されているドキュトーン用のアプリテンプレートからドキュトーンアプリを作成し、ライセンスとユーザー情報を紐づけます。
ワードやエクセルにアドインをインストールし、テンプレートのどの箇所にkintoneアプリ内のどの項目を表示するかをフィールドコードを打ち込んで、タグを設定していきます。
続いてkintoneのドキュトーンアプリ側でアドイン設定の終わったワードファイル等をアップロードし、帳票のテンプレートを作成します。
最後に、出力を行いたいアプリと紐づけを行った上で出力アプリ側でプラグインの設定を行えば、出力ボタンを押すだけで、ワード・エクセル・パワーポイントの形式で帳票のダウンロードをすることができます。
ドキュトーンはエクセルに加え、ワードやパワーポイントでの出力に対応
ドキュトーンはエクセルでの出力だけでなく、kintoneの帳票出力系連携サービス・プラグインの中で唯一、ワード・パワーポイントでの出力をすることができます。
ワードやエクセル、パワーポイントを使用することが多い方にもってこいのサービスですね。
また、出力枚数は無制限となっており、kintone上でワンクリックでの出力が可能です。
ドキュトーンのデメリット
ドキュトーンのデメリットとして、設定が少しややこしいという点と、PDFへの直接出力は対応していないという点、一括出力に対応していないという点を挙げることができます。
kintoneのドキュトーンアプリと、出力ファイルのアドイン、さらに出力側のkintoneアプリの3つで設定を行う必要があり、また設定時にはフィールドコードを手入力する必要があるのも少々手間と言えるでしょう。
PDFでの出力をしたい場合はワード/エクセル/パワーポイントを経由しての変換になり、また帳票の一括出力に対応していないため、多くの見積書や請求書を印刷したい場合には少々不便になります。
ドキュトーンの利用料金
ドキュトーンは1ユーザー/月額980円で、最低5ユーザー(4,900円〜)から利用が可能です。
他2つのサービス・プラグインが「kintone1環境」に対しての価格設定なのに対し、ユーザー単位で柔軟に課金可能な点が最大の特徴です。
また、30日の無料トライアルがあり、期間中は帳票テンプレートの設計・管理や帳票出力の機能が利用可能です。
トライアル環境で設定した内容は契約後も利用できるので、トライアルから有料プランへの移行もスムーズに行えます。
ドキュトーンはこんな方におすすめ
ドキュトーンはエクセルやワード、パワーポイント等他2つのサービス、プラグインに比べて様々な形式での出力が行えることに加え、1ユーザー/月額980円とリーズナブルに利用できます。
一方で、一括出力には対応していないため、帳票の出力頻度が少なく、PDFでの出力は必要ない企業さまにおすすめです。
有料プラグイン4サービスの比較表 帳票出力でkintoneをもっと便利に
プリントクリエイター
|
k-Report |
RepotoneU
|
ドキュトーン
|
|
出力形式
|
PDF
|
PDF
|
PDF/エクセル
|
エクセル/ワード
パワーポイント |
個別出力
|
○
|
○
|
○
|
○
|
一括出力
|
○
(プレミアムのみ) |
○ |
○
(Proのみ) |
x
|
出力上限
|
個別:無制限
一括:10000枚/月
|
個別・一括合わせて 20000枚/月 |
個別・一括合わせて
10000枚/月 |
無制限
(個別のみ) |
無料トライアル
|
30日
|
30日
|
30日
|
30日
|
月額料金
(最上位プラン) |
14000円~
|
10,000円 |
15000円~
|
4900円~
|
これまで紹介したプラグインを比較すると、出力形式や一括出力の有無に機能差があります。
WordやPowerPointで出力したい場合にはドキュトーン、PDF出力をしたい場合にはプリントクリエイターかRepotoneUになります。
kintoneの標準機能でCSV出力は可能なため、PDF出力がメインであれば設定方法が柔軟で、個別出力が無制限なプリントクリエイターがおすすめです。
すべてのサービスで無料トライアルが用意されているため、迷う場合には一通り利用してみてから導入してみると良いでしょう。
kintoneの標準機能では印刷レイアウトを自由に変更することはできませんが、今回ご紹介したプラグインや外部サービスを利用することで自社のフォーマットに合わせた帳票をワンクリックで作成できます。
どのサービスを利用するかは、自社がどのファイル形式で帳票を出力したいのか、一括出力が必要か、など状況に合わせて選びましょう。
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