kintoneとデータ連携を行う4つの方法・おすすめサービス・拡張機能を紹介
kintoneは自社の業務に合わせてアプリを作ることができる業務改善プラットフォームですが、ひとつのアプリでデータを管理するだけではなく、アプリ間やシステム間でデータ連携が可能です。
当記事では、kintoneでデータ連携を行う方法について解説します。
kintoneと他サービスを連携して、業務効率化を図りましょう。
この記事でわかること
- kintone内のアプリ間で、またはkintoneとkintone以外でデータ連携を行う方法
- データ連携を行うメリット
- おすすめの連携サービス・拡張機能
こんな人におすすめの記事です
- kintoneのデータ連携方法を知りたい方
- kintoneを他サービスと連携して業務効率化を図りたい方
目次
kintoneにおけるデータ連携とは?メリットも解説
kintone(キントーン)の魅力は、アプリ作成の容易さとカスタマイズ性の高さです。
標準機能としてアプリを作成したりkintone内でコミュニケーションをとったりできますが、実際に業務を進めるうえでは後もう一歩手の届かない、「〇〇ができる機能があればな…」といったケースもあるでしょう。
そこでおすすめなのが、kintoneのデータ連携です。
標準機能では手の届かないところも、拡張機能や外部連携サービスを利用することで、自社の業務に合わせたカスタマイズが可能となります。
データ連携を行うことで、kintone内のデータを別アプリ・外部ツールと連携することが可能です。
kintoneで用意されている拡張機能は200種類以上。その中でも、kintoneにおける「データ連携」には以下の3種類があります。
- kintone内のアプリ間でデータを連携する
- kintone内のデータを元に外部ツールと連携する
- 外部ツールのデータを元にkintoneへ連携する
データ連携によって、案件情報の二重入力といった無駄な工数を削減できるので、大幅な業務改善が期待できます。
それだけではなく、既存のアプリやサービスをつなぐことになりますので、両方をカバーするシステムをゼロから開発するのに比べ時間やコストを大幅に節約可能です。
それぞれのデータ連携の方法は次のセクションで詳しく解説しますので、自社が行いたいデータ連携がどのデータ連携に該当するのかを確認しましょう。
kintoneのアプリ間でデータ連携を行う方法
まずは、「kintoneの各アプリの間でデータを連携する」方法を解説します。
kintoneでは、以下の機能やツールを使うことでアプリ間のデータ連携が可能です。
- ルックアップ機能:他アプリに登録されている情報を取得できる
- アプリアクション機能:レコードのデータを指定したアプリに転記できる
- 関連レコード一覧:条件に一致したレコード(データ)を一覧表示できる
- プラグイン:別のアプリのデータを登録・集計等できる
各方法について詳しく解説していきます。
ルックアップ機能
ルックアップ機能とは、別のアプリに登録されている情報を呼び出し、「一覧の中から該当する情報を選択する」「そのほかの必要情報を一括でコピーしてくる」ことができる機能です。
エクセルや紙を用いた従来の管理方法では「別のエクセルや紙資料を確認して手入力で転記する…」という処理が必要でした。
しかし、ルックアップ機能を使えばこれらの工数を削減できます。
別アプリのデータを連携してくるため、同じ情報を何度も手入力する手間や、手入力することにより発生する入力ミス、入力漏れを防ぐことができます。
利用例としては、「商品マスタアプリ」に自社の商材を登録しておき、「注文管理アプリ」に商品情報を連携してくる仕組みを挙げることができます。
設定方法はとっても簡単!
ルックアップフィールドを配置して、どのアプリと紐づけをおこない、どの項目をキーとして情報を連携するかを決めるだけです。
ルックアップ機能の設定方法については、こちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneのルックアップ機能設定方法、よくあるご要望を徹底解説!
アプリアクション機能
アプリアクションとは、元のアプリから特定のアプリに「一部のデータを連携した状態で新規レコード作成画面を開く」機能です。
例えば顧客管理の情報を元に案件管理を登録する、案件管理の情報を元にスケジュールや日報を登録する場合などに活用することができます。
コピー先のアプリと、コピーする項目を対応付けするだけで、レコード上部にボタンが表示されます。
必要な情報が入った状態で新規レコード作成画面を開くことができるため、入力の手間やミスを削減することが可能です。
関連レコード一覧機能
関連レコード機能とは、レコード詳細画面に「条件に一致した他アプリ・同アプリのレコード」を一覧表示できる機能です。
「そのレコードと一緒に確認したい情報」を集約してくることができるため、例えば「顧客管理アプリで該当顧客に関連する案件や履歴の一覧を表示する」といったデータ連携が可能となります。
こちらの設定も、「関連レコード」フィールドを配置して条件と表示したい項目を指定するだけなので、簡単にデータを連携できます。
プラグインを利用する
プラグインとは、kintoneの機能を拡張してくれる追加システムのことです。
アプリ間のデータ連携をするものだけではなく、kintoneの入力を補助するものや表示を変えるものなど、プラグインの種類は多岐にわたります。
設定画面用のHTMLやJavaScript、CSSファイルがパッケージ化されているため設定も比較的簡単なものが多く、プログラミング知識がなくてもデータ連携ができるのが特徴です。
今回は、おすすめのデータ連携プラグインをご紹介します。
- アプリ間レコード更新プラグイン
元のアプリで情報を更新したら、別のアプリの関連する項目を自動的に変更してくれるプラグイン。
顧客管理アプリで顧客名を変更したら、関連するその他のアプリも一括で更新することが可能です。
なお、同じ動作は「条件分岐処理プラグイン」でも可能です。 - 一覧レコード集計/コピープラグイン
ひとつひとつのレコードを自動集計して、集計結果を別のアプリに登録してくれるプラグイン。
エクセルに書き出して集計して……という処理を行う必要がなくなります。 - アプリ間レコードコピープラグイン
標準機能のアプリアクション機能では難しい、テーブル形式のデータや添付ファイルもコピーできるプラグイン。 - テーブルデータコピープラグイン
テーブル形式のデータを、一行ずつにばらして別アプリに展開できるプラグイン。 - krewData(クルーデータ)
アプリ間の複雑な集計や、データの自動登録を可能にするプラグイン。
コムデックラボでも多数の事例をご紹介しています!
▼krewDataの事例を見る
kintoneと外部サービスでデータ連携を行う方法
kintone内部のデータ連携の次は、kintoneの外部とデータ連携をする方法をご紹介します。
連携サービスを利用する
kintoneでは、GmailやLINE WORKSなど、サイボウズ以外の会社が提供する連携サービスでもデータ連携が可能です。
ここでは、コムデックがよくご要望をいただくデータ連携をいくつかご紹介します。
- kintoneのデータを使って、フォーマットに合わせて印刷する
kintoneからの印刷については、複数の連携サービスやプラグインがあります。
詳細はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneで帳票を簡単に作成・PDF出力したい!便利なプラグイン5つを徹底比較! - kintoneのデータを外部にも共有する
データ連携によって、kintone内のデータを外部に公開することもできます。
外部共有にはkViewerかじぶんページがおすすめです。各サービスについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
▼ゲストスペース・じぶんページ・kViewerでkintoneのデータを外部公開!各機能の違い・メリット・費用は? - kintoneからメールを一括送信する
kMailerという外部サービスを利用することで、kintone内のデータを活用しつつメールを一括送信することができます。 - gmail連携
kintoneからgmailでメールを送信したり、送信履歴をkintone上で確認できるプラグインです。 - Googleカレンダー連携
Googleカレンダーから予定を取り込んだり、逆にkintone内の予定をGoogleカレンダーに送ったりすることができます。 - Chatwork連携
kintone内の通知をChatworkにも送信することができるプラグインです。 - LINE WORKS連携
kintone内の通知をLINE WORKSにも送信することができるプラグインです。 - マネーフォワード連携
kintone内の請求データをマネーフォワードクラウド請求書に送信し、請求書を発行できるプラグインです。
kintone APIを利用する
既存のデータ連携サービスが無い場合には、自分たちで連携できるシステムを作るという方法もあります。
kintoneでは、データ連携のためのkintone APIが公開されてますので、そちらを利用すれば誰でも連携システムを作ることができます。
ただし、この方法の場合にはプログラミングの知識は必須となります。
API連携についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています!
▼kintoneのAPI連携とは?できることや設定方法・活用事例を徹底解説
kintoneのデータ連携事例
各種データ連携の方法を用いた、kintoneのデータ連携事例を紹介します。自社の業務改善の促進に是非参考にしてみてください!
kintoneからメールを一括送信
▼kintoneからメールを一括送信!kMailerプラグイン活用アプリ開発事例
年末年始やお盆の休業連絡、イベントのお知らせなどの「社外に同じ情報をお知らせしたい」というケースはありませんか?
メールを送る際は、メールアドレスや宛名を確認する必要があり、時間や工数がかかります。
しかし、kintoneの連携サービス「kMailer」を利用すれば3ステップでメールの一括送信が可能です。
案内を送りたいときは、kMailerアプリで案内メールのテンプレートを作成し、顧客管理アプリから案内を送付する対象を抽出するだけ。
一括送信ですが、メールの冒頭にはきちんと送付先の顧客名や担当者の役職・氏名を入れることができます。
kintone内の情報をもとに宛名が自動入力されるため、入力ミスの心配もありません。
LINE WORKSと連携
▼kintoneとLINE WORKSを連携!ほしい通知を逃さずキャッチ|介護業 社会福祉法人ゆめネットさまのアプリ開発事例
社会福祉法人ゆめネットさまでは、kintoneの運用が軌道に乗るにつれ「重要な通知に気付けない」という新たな課題が出てきました。
もちろんkintoneの標準機能である通知は設定していますが、常にブラウザやメールを確認しているわけではないため対応は遅れてしまいがち。
そこで、この二度手間を省くために「kintone for LINE WORKS」というデータ連携ツールを導入。
kintone for LINE WORKSなら、kintoneの更新を自動でLINE WORKSに通知できるうえ、対象者や通知内容も柔軟に設定が可能です。
これにより、重要な通知を見逃すことがなくなり、よりスムーズな情報共有が実現しました。
基幹システムと連携
▼販売管理システムとkintoneを連携させて原価計算を劇的改善|環境・リサイクル関連装置製造販売業 タイチマシナリー株式会社さまのアプリ開発事例
販売管理や案件管理など、既存の基幹システムを使用している企業さまは少なくありません。
しかし、基幹システムでは案件ごとの細かな原価管理は難しいため、原価管理は別途エクセルでおこなっているという企業さまも多いのではないでしょうか?
タイチマシナリー株式会社さまでは、基幹システムとkintoneのデータ連携ができるようにカスタマイズをおこない、基幹システムに登録した売上伝票や仕入伝票のデータはリアルタイムでkintoneに自動登録されるようになりました。
基幹システムのデータ登録の段階でkintone内の案件管理と紐づけができるようなっているため、kintone連携後に自動で案件別の集計も可能です。
請求書発行システムと連携
▼kintoneとマネーフォワードクラウド請求書を連携!請求データを自動作成|社会保険労務士法人とうかいさまのアプリ開発事例
請求書発行システムとkintoneを連携すれば、請求に必要な明細データをkintoneから自動取得できます。
手入力の作業が削減されるため、二重入力やチェックの必要がなく、人為的ミスの防止にもつながります。
マネーフォワードクラウド請求書なら、見積書や領収書などの帳票発行も可能で、印刷やメール送付までワンクリックで行えます。
社会保険労務士法人とうかいさまでは、kintone内で集計した請求データをマネーフォワードクラウド請求書に自動連携するだけで、毎月100件以上の請求書が簡単に作れるようになりました。
顧問先企業から見れば今まで通りの請求書を受け取れるので、混乱を招くこともなくスムーズに連携できています。
kintoneとデータ連携を行う際の注意点
kintoneとデータ連携を行う際は、「ワークフロー」と「コスト」「セキュリティ」の3点に注意する必要があります。
kintoneには数多くの拡張機能・連携サービスが用意されています。そのため、自社のワークフローを把握したうえで「自社の業務改善に役立つデータ連携」を実施することが大切です。
加えて、kintoneで扱うデータは顧客情報や案件情報など機密性の高い情報がほとんどでしょう。セキュリティ面を疎かにしないよう、外部システムとの連携を行う際には十分注意しましょう。
kintoneとデータ連携を行って業務効率化を実現しよう!
kintoneでデータ連携を行えば、業務効率化の実現を目指せます。
これまで手作業で行っていた作業は、kintoneのデータ連携によって大幅に削減できるはずです。
ひとくちにデータ連携と言ってもその種類は多岐にわたりますので、まずはどんなデータ連携ができると自社の業務を効率化できるのか検討してみてください!
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