DXやkintoneの伴走支援について、皆で考える研究所。

kintone × freeeサイン連携で契約業務を効率化!|建設業 株式会社 建.LABOさまのアプリ開発事例

kintone×freee連携で契約書を自動発行

最近は、契約書のやりとりに電子サインを導入する企業が増えています。
デジタル庁が公表した資料によれば、自社主導の契約に電子契約システムを活用している企業は56.3%にものぼりました。
参考:電子契約の普及状況等について

電子サインは相手とのやりとりがスムーズになる反面、営業支援システムと連携できていないと、取引先の情報や契約状況を都度入力しなければなりません。
住所や契約内容の転記は、1件だけならさほど時間はかかりませんが、何件も積み重なると手間がかかる上、入力ミスの恐れもあります。

そこで今回は、kintoneとfreeeサインの連携機能を導入し、案件管理と契約手続きを一元化させた株式会社 建.LABOさまの事例を紹介します。
電子契約システムをワンストップで活用したいとお考えの方は、ぜひご覧ください。

電子サインを導入したけど、運用の手間がかかる…案件管理と契約業務をワンストップで完結させたい!

株式会社 建.LABOさまは、東京都新宿区に本社を構える内装デザイン事務所です。
全国各地の美容室やサロン、クリニックの設計・内装デザイン・施工を手掛けていらっしゃいます。
高いデザイン性と機能性を両立したプランニングが強みで、これまでに600店舗以上の施工に携わって来られました。

そんな株式会社 建.LABOさまはkintone(キントーン)を活用しており、これまでにも請求書の作成やインボイスのチェック業務等を効率化してきました。

過去の導入事例については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

▼kintoneで請求書の作成を自動化!担当者の負担を軽減|建築業 株式会社 建.LABOさまのアプリ開発事例

▼kintoneのAPI連携で適格請求書(インボイス)における登録事業者の確認が容易に|建築業 株式会社 建.LABOさまでのアプリ開発事例

そんな株式会社 建.LABOさまが、さらなる効率化のために注目したのが契約手続きでした。

当時の株式会社 建.LABOさまの契約書発行の流れは以下の通りです。

  1. kintoneで契約書をPDF出力する
  2. 電子契約システムに取り込む
  3. 送付先の情報を入力して送信する

この方法では、契約書を発行するたびにPDFを出力し、電子契約システムに取り込んで送付先情報を入力する必要があります。
さらに、契約書の発行や電子契約システムによる手続きは総務が担当しているため、営業担当者からは手続き状況が分からないのも不便でした。

kintoneの案件情報を連携して手間をかけずに契約書を作成・送付し、営業担当も手続きの状況が把握できるようにしたいと考えた株式会社 建.LABOさま。

今回は、kintoneと連携できる電子契約システム「freeeサイン for kintone」を使って、案件管理と契約管理を一元化できる仕組みを構築することにしました。

freeeサイン for kintoneとは?

freeeサイン for kintoneは、kintoneの情報を電子契約システム「freeeサイン」に自動で連携できるサービスです。
kintone上の簡単な操作で、契約書の作成から送信、管理まで一気通貫で行えるのがメリットです。
手続きが完了した契約書はkintoneレコード上に保管されるため、検索や出力も簡単にできます。

契約書の管理と言うと、セキュリティ面が気になる方も多いかと思いますが、freeeサイン for kintoneは情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際標準規格「ISO 27001(ISMS)」の認証を取得しているため安心して利用できます。

サポート体制が手厚いことも魅力の1つで、専用のサポートセンターに電話やチャットで問い合わせができる他、契約先のサポートまでしてくれるため、システム導入による混乱を最小限に抑えられます。

freeeサイン連携したkintoneの使い方

ここからは、株式会社 建.LABOさまで構築したfreeeサインとkintoneの連携システムについて詳しく紹介します。

株式会社 建.LABOさまでは、kintoneの「案件管理アプリ」に取引先や契約に関する情報を集約しています。
その情報をkintoneに連携するには、発行したい契約書のフォーマットに合わせたアプリに転記する必要があります。
そこで、「案件管理アプリ」に追加でアクションボタンを設置することで、転記したい契約書フォーマットを選べるようにしました。

画像では「工事完了確認書」「納品完了確認書」「作業完了確認書」の3つのボタンがありますが、アクションボタンを追加すれば他のフォーマットにも対応できる仕組みになっています。

kintone freeeサイン連携

アクションボタンをクリックすると、それぞれのフォーマットに合わせたfreeeサイン連携用のアプリに遷移します。
書類に必要な情報は案件管理アプリから自動的に反映されるため、手動で転記する必要はありません。

kintone freeeサイン連携

必要な部分を加筆・修正して「保存」をクリックすると、画面上部に「下書き作成」ボタンが表示されるため、ボタンをクリックすればAPI連携によりkintoneのデータがfreeeサインに反映され、契約書や工事完了報告書を発行できます。

kintone freeeサイン連携

「下書き作成」が成功すると、ボタンの表示が「文章送信」に切り替わり、クリックすると取引先に送信されます。

kintone freeeサイン連携

その後、取引先が承認作業を完了すると「締結を完了する」ボタンが表示されるため、こちらをクリックして手続き完了です。
締結が完了した書類は、kintoneレコードの添付ファイルから確認が可能です。

kintone freeeサイン連携

添付ファイルを開くと、以下のような形で署名された書類のPDFが閲覧できます。

kintone freeeサイン連携

株式会社 建.LABOさまでは、契約手続きの操作権限について「契約実施部署=編集・閲覧」「営業担当=閲覧のみ」と設定しました。
これにより、kintone内の情報を保護しつつ、営業担当も手続きの進捗状況が把握できる環境を実現しました。

kintone freeeサイン連携

今ご紹介したのはkintone上だけで処理を完了させるやり方ですが、下書き作成以降は直接freeeサイン側にログインして操作を行うことも可能です。
もしfreeeサイン側で送付や締結完了の処理を行った場合には、その情報はkintone側にも反映されるようになっています。

特定の条件で発生するエラーは、プラグインを使って解決

今回のアプリ開発の過程で、1つ困ったことが起きました。

freeeサイン for kintoneの仕様上、全角の「&」を含む文字列は契約用フォーマットに利用できないという制約があります。
もし、全角の「&」を使ってAPI連携を実行すると、エラーが発生して契約書を作成することができません。

加えて、エラー発生後は編集の制御がかかって修正できないため、契約用レコードの新規作成が必要になってしまいます。

今回は「全角の&」という特定の一文字だけが問題だったため、TISの「条件分岐処理プラグイン」を活用して下書き保存の際に「&」を自動で全角から半角に置換するよう設定しました。

条件分岐処理プラグインは、無料で使えるkintoneのプラグインで、「〇〇の場合は××する」という簡単な条件設定で、書式設定やエラーチェックなどをサポートしてくれます。

株式会社 建.LABOさまでもこのプラグインを活用することで、「&」の全角・半角という細かいルールを気にすることなく、契約書を作成できるようになりました。

freeeサイン for kintoneを導入するメリット

株式会社 建.LABOさまでは、freeeサイン for kintoneを導入したことで、kintone内で契約内容の管理から契約書の作成、送付、締結、保管までを一気通貫でできるようになりました。
顧客マスタアプリにメールアドレスを事前登録しておけば、CC含めて電子契約送付時に送付先を入力しなくてもよいため、手間を省きながら送付ミスも未然に防ぐことができています。

わざわざ電子契約システムを立ち上げて操作する必要もなく、手動での転記も不要です。
また、kintoneの案件管理アプリに契約管理アプリの情報を関連レコードで表示することで、契約手続きを直接行わない営業担当者もリアルタイムで複数契約・書類の手続き状況を確認できるようになりました。

ただ、freeeサインとkintoneを連携させるためには、帳票ごとにkintoneアプリが必要になります。
契約書のフォーマットが多ければその分時間もかかりますが、導入後の日々の効率アップを考えれば、手間をかける価値はあると言えます。

kintoneなら電子サインとの連携もおまかせ!

株式会社 建.LABOさまは、kintoneとfreeeサインを連携したことで、入力の二度手間を減らし、進捗状況の共有もできる環境を実現されました。
これまでのアプリ開発とあわせて、かなりkintoneの活用が進んできています。
今後も、必要に応じて外部サービスと連携させながら、業務効率化を図っていきたいとのことでした。

株式会社コムデックでは、お客さまの課題をお聞きして、目の前でアプリを構築する「kintone対面開発」を行っています。
対面で開発することで、必要な項目や使いやすいレイアウトなどをオーダーメイドできるのがメリットです。
電子サインをもっとスマートに使いたい!とお考えの企業さまは、ぜひご相談ください。

「kintone対面開発」サービスページはこちら

この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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