kintoneのAPI連携で適格請求書(インボイス)における登録事業者の確認が容易に|建築業 株式会社 建.LABOさまでのアプリ開発事例
2023年10月1日より、インボイス制度が開始されました。
インボイス制度では、発行する側が番号や必要事項を請求書に記載するのはもちろんのこと、受領側である企業も適格請求書の要件を満たしているかどうかを確認しなければなりません。
適格請求書にはいくつかの要件がありますが、大前提として「登録番号が正しいかどうか」が重要です。
適格請求書に該当しなければ仕入税額控除が適用されないため、発行元がインボイスの発行事業者として登録されているかを確認する必要があります。
適格請求書発行事業者として登録されているか否かは国税庁のWEBページから確認できますが、都度確認するとなると手間や時間がかかります。
そんな時、kintoneと国税庁の適格請求書発行事業者公表システムをAPIで連携すれば、kintone上から適格請求書発行事業者として登録があるかどうかの確認が可能です。
今回の記事では、kintoneのAPI連携で適格請求書発行事業者の確認を効率化した建築業 株式会社 建.LABOさまのアプリ開発事例を紹介します。
「インボイス開始によって担当者の業務負担が大きくなってしまった」「確認作業を簡略化して業務を効率化したい」企業さまは、ぜひ最後までご覧ください!
目次
適格請求書(インボイス)における登録事業者の確認に時間や手間がかかる…
株式会社 建.LABOさまは、東京都新宿区に本社を構える建築業の企業さまです。
美容室・フィットネスジム・クリニックなどを中心に、店舗空間のデザインや設計、施工はもちろんのこと、不動産仲介やプロダクトデザインまでトータルでプロデュースされています。
物件1つひとつに対して1人のデザイナーがプランニングから竣工までを担当されており、事前のご提案で完成イメージを共有することでデザインの差異を無くし、納得できる仕上がりの建物・内装を提供しておられるのが特徴です。
株式会社 建.LABOさまでは以前より「kintone(キントーン)」を導入されており、仕入先管理をおこなっていました。
そんな中インボイス制度が開始となったことで、仕入れ先が適格請求書発行事業者として登録されているのか、受け取った請求書に記載されている情報が登録情報と合致しているのかなどを確認する必要が出てきました。
適格請求書発行事業者の情報は、国税庁のWEBページから確認できます。
しかし、都度アクセスして検索、目視で確認する必要があり、業務に負担がかかるだけでなくヒューマンエラーの危険性もあります。
また、一度登録を確認した後、たとえ登録番号が変わっていなくても取消や失効になっていないか、自社の仕入先管理に登録されている情報(住所や名称)が適格請求書発行事業者として登録されている情報と一致しているかも確認する必要があるため「最初に確認すれば、あとはチェックなしでOK」というわけでもありません。
インボイス制度では、適格請求書の不備があった際に受領者側による追記や修正が認められていません。
そのため、適格請求書の要件を満たさない場合は都度再発行の依頼をする必要があり、このような作業も受領側の手間となります。
「kintone内で番号や登録内容のチェックができれば楽なのに……」と考えた株式会社 建.LABOさま。
国税庁のWEBページでは適格請求書発行事業者に加えて、APIも公開されています。
API連携機能を開発することでkintone上のデータとの照合が可能になるため、今回はこの方法でkintone上で簡単に適格請求書発行事業者の登録番号をチェックできる仕組みを構築することにしました。
kintoneと国税庁のWEBページをAPI連携!登録事業者の確認が容易に
kintoneと国税庁のシステムは、APIを用いて連携します。
株式会社 建.LABOさまでは、以前から利用していた仕入先管理に適格請求書発行事業者の登録番号チェック機能をつけることにしました。
国税庁のWEBページからアプリケーションIDを発行し、「Web-APIの利用規約」に同意すると利用できるようになります。
Web-APIを活用するためには事前申請(アプリケーションIDの発行)が必要となります。
アプリケーションIDの発行自体に費用は掛かりませんが、発行されるまでに1ヶ月〜1ヶ月半程度の期間が必要となるため、すぐには利用できない点に注意が必要です。
アプリケーションIDの発行ができたら、JavaScriptへ読み込むことでkintoneアプリへの機能追加が可能となります。
kintoneの仕入先管理アプリにて登録番号を入力し、登録番号チェックに「✓」を実施することで、国税庁のシステムから登録番号を元に情報が取得されます。
kintoneのレコードに登録されている情報と、国税庁のシステムから取得した情報が合致する場合には、以下のように「登録済みデータとの照合結果」が○になり、照合できない場合には×になります。
今ご紹介したのは一件ずつ照合する方法ですが、一覧上から一括で照合チェックを行うことも可能です。
仕入管理アプリの一覧にある「インボイス番号一括確認」のボタンを押すことで、全レコードに対しての照合結果を確認できます。
これにより、目視によるチェックは必要なくなり、kintoneの画面上で「登録されているかどうか」「登録データがkintone内の情報と合致しているかどうか」をひと目で確認できるようになりました。
インボイスのチェックにkintoneのAPI連携を活用するメリット
インボイスのチェックにkintoneのAPI連携を活用するメリットは、kintone上で適格請求書発行事業者の登録情報を容易に確認できることです。
「国税庁のWEBページにアクセスして、1つずつ検索して目視で確認して…」といった作業の必要がなくなるため、業務効率化を実現しながらヒューマンエラーも防ぐことができます。
さらに、いつでも全仕入先の登録状況を一括でチェックできるため、予期しない仕入業者の登録情報変更にも対応できるようになりました。
自動照合で「×」になっている場合は「合致していない=自社に知らされていない変更がある」ということであり、登録番号が失効・取り消しになっていないか、登録情報が自社が知っている仕入先情報が変更になっていないかを容易に把握できます。
kintoneのAPI連携でインボイス制度における業務効率化を実現しよう
適格請求書(インボイス)で仕入税額控除の適用を受けるためには、受領側も要件を満たしているかをチェックする必要があります。
国税庁WEBページで登録番号が正しいか、登録されている事業者情報と合っているかなどの確認はできますが、都度チェックするのは手間がかかるでしょう。
kintoneと国税庁のシステムをAPIで連携すれば、kintone上で簡単に正しい情報かどうかを確認できます。
手作業や目視による確認を削減できるため、ヒューマンエラーのリスクも大幅に軽減できます。
今回、株式会社建.LABOさまでは、API連携を用いることで、kintoneをさらに便利に活用できることが分かったため、今後も必要に応じて外部サービスとの連携を実施し、業務効率化を図っていく予定です。
「インボイス制度の開始で確認作業の手間が増えた」「適格請求書発行事業者の確認作業を簡略化して、業務を効率化したい」とお考えの企業さまは、ぜひkintoneのAPI連携をご検討ください。
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