ITサポート部から付箋が消えた!kintoneで案件管理を改善
一見すると一目で状況が分かる、優れた管理方法に見えます。
今回は、この状態からkintoneを導入し、コムデックがどのように案件管理をデジタル化したかの導入事例をご紹介します!
目次
「アナログ管理の頂点」?付箋による案件管理
今でこそ会社全体の業務の基幹がkintone(キントーン)化しているコムデックですが、最初からそうだったわけではありません。
お客様にクラウドサービスを導入するクラウド事業部やシステム開発を担うシステム開発部はどんどんkintoneを業務に取り入れていましたが、直接お客様のところにお伺いし、パソコンやサーバー等のネットワーク周辺機器を納品させていただく「ITサポート部」はkintone化が遅れてる部署でした。
実際に納品すべき物が目の前にあるITサポート部では、その管理も「常に誰もが見られて、すぐ内容を変更できるほうが良い」という考えから、ホワイトボードを利用していたのです。
2018年当時のITサポート部の案件管理方法は以下のような形でした。
- 付箋に「顧客名」「案件名」「受注日」を記載
- 納品日は付箋の下に記載
- ホワイトボードに「見積未提出」「見積提出済み」「受注」「進行中(納品作業中)」「残作業(納品後に行うべき作業中)」というステータスごとの欄を設け、案件を書いた付箋をステータスに合わせて移動
- 各ステータスの欄内に担当者別の貼り付け欄を設け、誰が担当かわかるようにする
- 納品する商品の種類によって付箋を色分け
- 案件の重要度はマグネットを貼り付けて表現
「使っているときはこの管理方法が最高だと思っているので、困っているとも感じていない。だから付箋の色変えやマグネットによる重要度の表現といった工夫も、あくまでこの付箋での管理を出ない範囲でしか出てこない。管理を根本から、アナログからデジタルにしよう!というような発想がそもそも出てこない状態だった」と言います。
それでもやっぱり「金額が知りたい」「いつ内容が変わったか知りたい」
この方法こそ最高だと信じ長らく付箋で案件を管理していたITサポート部ですが、使っているうちに「案件の金額が知りたい」「いつ受注から進行中に変わったのか知りたい」といった要望が出てきていました。
いったいいつから「見積提出済」から動いていないのか?また、あったはずの案件が上長の知らない間に失注している…付箋での管理では、これらの情報を得ることはできません。
しかし、付箋に書き込める情報には限度がありますし、記入すべき情報を増やすほど、今度は記入漏れのリスクが発生します。
加えて、先ほど述べたように「この付箋による管理の範囲内」でできることだけを考えてしまうため、「付箋とホワイトボードでできないなら、仕方がない」と諦めていました。
kintoneで解決!ホワイトボードを丸ごとデジタル化
そんなITサポート部の転機となったのは、KANBANというkintoneプラグインとの出会いでした。
KANBANはその名の通り、kintoneに登録されている情報をステータスごとに画面上に表示することができるタスク管理プラグインです。
ひとつひとつの案件が付箋のように独立しているので、ただ案件が見えるだけではなくまるで付箋をはがして隣のステータスに移動させるように、ドラッグ&ドロップで案件を移動させることができます。
「これなら今までの付箋+ホワイトボードと変わらない運用ができる!」ということで、さっそく案件管理をkintone化したITサポート部。
ホワイトボードの「常に誰もが見られて、すぐ内容を変更できる」という利点をそのまま活かすため、以下の写真のように常に電源をつけたままのタッチパネル式大型モニターにKANBANで案件を表示しました。
これまでなら、付箋に書ききれないからあきらめていた情報も、全てkintoneに集約することができるのです。
案件管理をkintone化するメリット
- 金額が見える
- 内容変更のタイミング(更新日)がわかる
- 内容変更の履歴がわかる
- 金額の自動集計ができる
- 納品に必要な他のものの手配状況も一画面で確認できる
- 失注(ペンディング含む)した案件の記録が残る
この中でも、特に効果が大きかったのは「失注(ペンディング)した案件の記録が残る」ことだとコムデック社長は言います。
付箋の場合には、案件が完了したり失注したら剥がして捨てるだけ。
それらの記録は残りませんし、もし誤って剥がしてしまったら記憶に頼るしかありません。
しかし、kintoneであれば過去の記録もすべて残ります。
それらの記録を見て、「今回は失注になったが、また数か月後に連絡してみよう」といった次のアクションへとつなげることができるのです。
また、過去の案件の記録を見て、「過去このタイミングで納品しているから、今年が更新のタイミングだな」と判断する等、新しい案件の獲得にもつながります。
「今その時」のデータしか持たない付箋では難しかった「過去の振り返り」が、kintoneであれば簡単に実現できるのです。
KANBANプラグイン案件管理のメリット・デメリット
案件管理デジタル化の契機となった、KANBANプラグインのメリットとデメリットをまとめました。
KANBANプラグインのメリット
|
KANBANプラグインのデメリット
|
・ホワイトボード時の管理方法と変わらない形で運用できる(付箋を剥がす、貼るのと同じ動きができる)
・各ステータスの案件の合計金額をKANBAN画面で見ることができる
|
・モニターの大きさに見やすさが左右される
・情報量が多い分、ステータスによっては案件が一画面で収まりきらないためスクロールが必要
|
現在も、KANBANプラグインを使った案件管理はITサポート部の大型モニターで常に表示しています。
しかし、実際に案件を確認するときにはKANBANプラグインの画面ではなく、案件の一覧画面で確認しているのだそうです。
何故なら、案件管理の一覧画面は「更新日順」で並ぶように設定しているため、上長がチェックする際には「前回自分が確認した日以降に変更・新規登録された案件だけ」を見る方が効率が良いからです。
案件管理がkintone化された結果、案件に関するすべての情報がkintoneに集約され、もはやホワイトボードと同じように表示して運用することが必須ではなくなりました。
御社がもし今ホワイトボードやExcelで案件を管理しているのであれば、kintoneを活用して改善してみませんか?