元船井総研コンサルタントが考える、混迷の時代を切り拓くリーダーの生き方・考え方|IT活用戦略セミナー2024 眼から鱗合同会社 長島代表
今年は6月21日に開催された、コムデックが毎年開催しているIT活用戦略セミナー。
今年は、照明や音響にもこだわり、参加いただいた皆様にワクワクしていただけるようなセミナーとなりました。
IT活用戦略セミナー全体については、こちらの記事でご紹介しています!
この記事でご紹介するのは、コロナ前からご登壇いただき、IT活用戦略セミナーのレギュラーともいえる長島コンサルタントの第一講座の内容です。
前職は株式会社船井総合研究所のコンサルタントであり、現在は”経営者”コンサルティングを展開されています。
経営ではなく、経営者さんたちの生き方や人生に関するメンタリングサービスを提供。
家庭や健康の問題なども聞きながら、経営者さんたちがどうやったら幸せに元気で、自分らしい経営ができるかについてサポートしておられます。
そんな長島コンサルタントが2024年のIT活用戦略セミナーでお伝えした、「今の時代をリーダーとして生き抜くために知っておくべきこと、してほしいこと」についてご紹介します。
目次
この1年間の時流変化とこれから
3~5年、10年とある一定期間続く流れを指す「時流」。
この時流は、人々の行動に影響を与えます。
コムデックの生田社長は、「長島コンサルタントは『時流適応の達人』だ」と表現します。
長島コンサルタントは毎日メディアをチェックし、時流に影響を及ぼしそうだと感じるものはすべて記録しているそうです。
そんな時流適応のプロである長島コンサルタントが、この1年で大きく「時流が変化した」と感じたことは以下の2つだそうです。
- 少子化超高齢化と人口減少がリアルになった
- インフレで生活への影響がリアルになった
この2つの変化が及ぼす影響を、詳しく見ていきましょう。
人材確保の動きとその反動
人口減少に伴い、働き手不足が深刻化。
各社が人材確保に奮闘しています。
一方で、企業側の期待と社員の意識や動きにはギャップが生まれています。
維持できないサービス、変わるサービス
人口減少と高齢化によって、単身世帯の増加と平均世帯人数の減少が止まりません。
これらに対し、企業側は店舗や商品の構成を変えることが求められていきます。
年齢分布も変化し、消滅可能性自治体も増加するなど、これまでとは常識が大きく変わってきており、ニーズの変化のみならず、公的なサービスやインフラへの影響も出始めています。
サービス提供スピードの低下や値上げは免れません。
経営者は働く人を確保できる業態を展開しなければ立ちいかず、さらに働く人を守るためにお客様を選ぶ必要も出てきています。
デジタル化の浸透と変化
ChatGPTのバージョンアップなどAI活用の拡大が進むほか、AIのみのCM作成なども進んでいます。
その一方で、デジタル化によって顧客の離脱がはじまっている企業もあるのです。
さまざまな活用を経て「AIやデジタルに業務を全振りするだけではダメだ」ということが見えてきました。
人と人との関係性があったうえで、AIやデジタル技術を「どの業務をどう効率化するか」「どう使っていくか」を考えることが重要になりそうです。
時流の変化から変わる顧客の意識
時流の変化によって顧客の意識は変わります。
例えば現在のような時流の場合、顧客の消費行動は以下の画像のような傾向を示すと言います。
消費者の傾向がこうなっている中、今企業がすべきことは次のような対策であると長島コンサルタントは述べています。
- 効果が明確な必需品カテゴリーを狙う
- 自社の提供価値を明確に決め磨きこむ
- 言い訳に配慮したマーケティング
- 修理・修繕サービスに力を入れる(人間的密着商法を徹底)
これらを意識することで差がついていくという話は、昨年の長島代表のお話の中で詳しく解説されています!
これからの時代に経営者が知っておくべき「経営の原理原則」とは?|IT活用戦略セミナー2023 眼から鱗合同会社 長島代表
大きく急激な変化が起こり、人々がそれを実感できる時代になりました。
先が読めず、混乱や不安が膨らんでいます。
こういう時にこそ経営者の方に取り組んでいただきたいことが、「ワクワク伸展法」だと言います。
不安の多い時代だからこそ心からのワクワクを
今年、とある大企業は「数字を細かに追い、積み上げていくことに現場が疲れている」という理由で中期経営計画の廃止を発表しました。
これは、ワクワクしないこと(計画の達成)には社員の幸せがない、疲弊するのみだ、という考えからと思われます。
変化が大きく不安の多い時代に必要なこと、それは「心底からのワクワク」です。
こんな時代にこそ、経営者(社長)がすべきことは、心底ワクワクできるビジョン(方向性)を掲げること。
そして、その方向に導き、社員やお客様と同じ目線で進んでいくのがリーダーです。
以前とは異なり、社員とお客様を区別するのではなく、共有し、一緒にワクワクしていけることが今の時代には求められているのです。
変わることにはリスクがあり、変わろうとすることは人にストレスを与えます。
誰しも本能的に現状維持を選びがちです。
それらを超えて変わるためには「ワクワクの発見」が必須になります。
ここからは、どうやってワクワクを発見していくのか、おすすめのステップをご紹介します!
ワクワクを発見するためのステップ
経営者の皆さんにぜひ取り組んでもらいたい、ワクワクを発見するための5ステップはこちら!
- STEP1:未知の体験/非常識(自分の常識とは違う)との出会い
- ・セミナー参加など新しいことをすると脳が好奇心を刺激!ドーパミンが出る
・自分の常識とは違う成功体験を持つ人に会いに行くとギャップに気づき埋めたくなる
- STEP2:自分ならできるかもしれない領域との出会い
- ・未知のものや非常識に出会い続けると「自分ならこれができるかも」という出会い・発見が生まれる
・さらにドーパミンが出て、「これは良いことだ」と脳が学習
・出会えるまで外へ出て行動し続けることが大切
- STEP3:行動し期待した成果が上がる
- ・興味を持った領域について行動し、成果が出ると成功体験になる(ドーパミンが出る)
- STEP4:興味が湧き、その領域を深く学ぶ
- ・成功体験から更に興味が湧き、学習を深めることができる
・学習を繰り返すことで脳の神経回路が発達、「学び→興味刺激」が習慣化する
- STEP5:心底のワクワク=ビジョンを描く
- ・いろいろな学び、興味の中からワクワクできる実現したい未来を考えられる=自己効力感につながる
活動量が少ない方や今新たな出会いが少ない方は、まずどんどん外に出てみましょう。
また、STEP1,2だけで止まってしまっては、ワクワクは生まれません。
ぜひSTEP3「行動」を起こしてください。
ワクワクを発見するためのポイント
ワクワクを見つけていく中で、抑えたいポイントが2つあります。
1つめは「個性と長所を活かすこと」。
個性とは本来持っている特性、長所は自分ではあまり苦労なくできるけれど周りから褒められる、得意なところです。
仕事を通して個性と長所を見つけ、それらを活かせる領域で小さなチャレンジをしましょう。
成果とともに、個性と長所の活かし方が理解できたら、少しずつ仕事の範囲を広げていきます。
自分に備わる個性と長所を活かすことで、ツキを味方にすることができます。
そして2つめのポイントは「師と友づくり」です。
自分が良いと思うものを見つけて学ぶ→真似する→やって褒められる→よしもっとやってみよう…という学びのポジティブなループを作っていくことが重要です。
これに欠かせないのが、ロールモデル(師匠)、そしてその活動を叱咤激励したり共に学んだりしてくれる仲間(友)です。
一人でも学ぶことはできますが、仲間と一緒に取り組むことで人は中長期的な幸せホルモンが出て、その取り組みを「楽しい体験」として学習します。
それはワクワクに出会える行動を習慣にし、ワクワクに出会えるスピードを加速させるのです。
ワクワクするビジョンを描くことができたら、ぜひそれを軸に、社内外に仲間を増やしていきましょう。
心底からのワクワクは人が共感しやすく、仲間が増え、ビジョンの達成へより近づくことができます。
ネガティブ思考から脱却せよ!
ここまで経営者(社長)がワクワクを見つけるためのステップをご紹介してきました。
とはいえ、不安や混乱の時代に変化を求められても、なかなか簡単には変われなかったり、ネガティブ思考になったりすることもあるでしょう。
ここからは、そんなネガティブ思考から脱するための考え方や習慣をご紹介します。
なぜネガティブ思考に陥るのか
ネガティブ思考に陥る要因は大きく分けて2つあります。
- 思考習慣が悪い
完璧主義であったり、思考習慣が誤っていたりしておこる「認知の歪み」が人をネガティブにさせます。 - 孤立している
相談できる相手がいないことで、ネガティブ思考に陥ったときに抜け出せなくなります。
思考習慣については、ここまでその考え方で生きてきて、積み上げてきたものによって今があるので、これを否定する必要はありません。
ただ、思考パターンをアップデートすれば、ネガティブになりにくく変わっていくことができます。
リーダーがネガティブになり不安に支配されてしまうと、ミスやイライラが増加するだけでなく、決めるべきことについて考えたり、決定したりできなくなります。
リスク回避傾向が強くなり、ワクワクとは真逆の方向へ進んでしまうのです。
リーダーに必要な思考習慣
では、経営者(社長)はどのような思考習慣へアップデートできるとよいのか。
それは、起こるできごとに一喜一憂しない「常にフラットな状態でいる思考習慣」です。
一喜一憂せず…は簡単ではありませんが、以下のような考え方をすることによって、思考はポジティブになっていきます。
- 過去に起きたことは今の自分・状況のために必要なものだった、全て善だと考えて過去に囚われない
- すべてのことは必要・必然でありベストなタイミングで起きている、乗り越えられる
- 人智を超えた理というものがあるので逆らわないでいたほうがツキが上がる
- ありのままを素直に受け取り、プラス思考で学び、行動する
あるがままを受け止め、過去よりも今と未来に集中することで、ネガティブ思考から解放され、ストレスが減り、経営者自身が前向きに進んでいくことができる、と長島コンサルタントは締めくくりました。
心底からのワクワクを見つけ、成長し続けましょう
不安と混乱の時代に、経営者は、心底からのワクワクをビジョンとして描いて仲間を包み込んで進むことが重要である。
そしてそのために最も大切なポイントは「心底からのワクワク」だ、と長島コンサルタントは言います。
先行きが不透明で答えのない時代、すなわち、答えを作っていく時代に入っています。
経営者の皆さん、ぜひ行動を起こし、心底からワクワクできるビジョンを描きましょう。
発見した心底からのワクワクで共感を生み、仲間と共に進み、成長し続けていきましょう。