kintoneで脱エクセル勤怠管理を実現!給与計算のための集計を自動化|総合建設業 株式会社井藤工業さまのアプリ開発事例
紙やエクセルで勤怠管理をおこなっていると、その後の給与計算を実施するための集計などに手間がかかります。
しかし、「確かに勤怠管理に手間はかかっているけれど、専門のソフトを入れるほど複雑ではないし…」と勤怠管理ソフトの導入をためらわれている企業さまも多いのではないでしょうか?
今回は、そんな「専門ソフトを使うほどではないけれど手集計は手間がかかる」勤怠管理をkintone化し、脱紙・脱エクセルを実現した事例をご紹介します!
目次
各自が紙やエクセルで出勤簿を提出…フォーマットを統一したい
株式会社井藤工業さまは、確かな技術力と丁寧な施工を強みとして、一般住宅工事から道路・堤防橋梁といった公共工事、工場建設工事まで幅広く対応している総合建設業の企業さまです。
総務を中心にkintone(キントーン)を導入し始め、以前コムデックラボでご紹介した事例では年末のお歳暮管理をkintone化していました。
毎年起きる年末のお歳暮問題をkintoneで解決した事例はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼総務でkintone活用!「送付履歴」の見える化でお歳暮や年賀状管理をスムーズに
そんな株式会社井藤工業さまが次にkintone化したいと考えたのは、勤怠管理の分野でした。
元々、株式会社井藤工業さまの勤怠管理は特に決まったフォーマットが無く、各従業員から提出される出勤簿や残業申請は手書きの紙やエクセルなど形式がバラバラの状態。
別々のフォーマットで提出された勤怠の記録を、給与計算のために手作業で集計しなくてはなりません。
毎月勤怠の締め日の後には総務が各出勤簿の内容をまとめる作業が必要となるだけではなく、深夜残業や休日出勤の割増賃金といった給与に直結する部分の集計が合っているのか不安なため何度も確認しなくてはならないなど、担当者にかなりの負担がかかっていました。
手作業による集計を無くして業務効率をあげることと、ヒューマンエラーが起きる可能性を排除して集計確認のコストを下げること。
この二つの課題を解決するためには「出勤簿のフォーマット統一」と「給与計算のための時間集計の自動化」が不可欠です。
もちろん、エクセルで統一のフォーマットを作成して、そこに入力してもらう……という方法もありますが、それでは結局各従業員のエクセルのとりまとめは必要になります。
そこで今回は、フォーマットを統一しつつ集計を自動化し、さらに全従業員の勤怠状況が一目でわかる状態を実現できるよう、kintoneを活用して勤怠管理アプリを作ることにしたのです。
kintoneで勤怠管理アプリを作る方法をまとめた資料はこちら!
自社の業務に合わせたオーダーメイド感覚の「出勤簿アプリ」で勤務状況を分かりやすく
出勤簿が統一されておらず、手作業による集計が必要になっていたという課題を解決するため、すでに導入済みだったkintoneを活用できないか、と考えた株式会社井藤工業さま。
kintoneで勤怠管理をしたい!という声はコムデックが支援をする中でもよくお伺いするご要望のひとつです。
しかし、kintoneでの勤怠管理は、その企業の勤務形態などによってはおすすめできない場合があります。
kintoneでの管理に向いているのは、とにかくシンプルで、出退勤の記録から自動的に勤務時間を算出するような勤怠であるとコムデックは考えています。
もちろん、計算式やプラグインを多用することで複雑な勤怠管理に対応することもできなくはありませんが、勤怠管理は法改正も多い分野となるため、kintoneでそれをキャッチアップし続けるのは難しいのが実情です。
kintone化に向いている勤怠と向いていない勤怠、kintoneで実現する場合のアプリなどはこちらの記事で詳しく解説しています!
▼kintoneで勤怠管理はできるのか?メリット・デメリットを徹底調査
株式会社井藤工業さまの場合には、勤怠そのものや管理したい項目が複雑ではなく、kintoneでの勤怠管理が可能と判断しました。
まずは各自が利用していた紙の出勤簿やエクセルを参考にしながら、株式会社井藤工業さまとして必要な項目を確認し、株式会社井藤工業さまだけの「出勤簿アプリ」を作成していきました。
出来上がったアプリはこちら!
項目としては非常にシンプルですが、随所に入力を補助する仕組みや勤怠管理を実施しやすくする工夫が施されています。
ここからは、開発した「出勤簿アプリ」の仕様や工夫を一挙ご紹介します。
カレンダーPlusで色分け、全社員の勤務状況を分かりやすく
まず、全体の勤怠状況を俯瞰できるよう、カレンダー形式での表示を採用しました。
ここではkintoneの無料プラグインである「カレンダーPlus」を使用。
kintoneの標準機能でもカレンダー表示はできるものの、色分けなどが難しく一目で全員の状況を判断することはできません。
パッと見てわかりやすいものにするためには色分けしたり、週や日ごとでも表示したりしたいわけですが、これを実現できるのがプラグイン「カレンダーPlus」です。
株式会社井藤工業さまの「出勤簿アプリ」では、その日に誰が通常勤務で誰が有休なのかといった勤務状況が一目でわかるよう色分け表示される設定にしました。
残業時間も自動計算でエラー防止!
これまで固定フォーマットが無く、従業員が各々で提出していた残業申請なども、勤怠管理の「出勤簿アプリ」内で日別の残業時間が自動計算されるように設定。
従業員がその日の勤務時間を入力すると、残業時間や深夜残業時間が自動で計算される仕組みです。
kintoneの時間項目の入力仕様上、深夜24時を過ぎる場合とそうでない場合で入力わけが必要になっていますが、入力ルールをアプリ内に表示することでミスが起こらないようにしています。
これにより、給与計算の際に割増すべき通常の残業がどれくらいあるのか、深夜残業がどれくらいあるのかは自動で算出されるため、計算間違いの心配はありません。
会社の休日予定は別アプリから連携
株式会社井藤工業さまでは、会社で定めた年間休日などがあります。
そのため、「年間休日カレンダーアプリ」を作成して会社としてのお休みを登録し、年間休日の情報を「出勤簿アプリ」に紐づけて関連レコードとして表示するように設定しています。
こうすることで、会社の年間休日の日付を選択して勤怠の登録をしようとするとそこに「年間休日」と表示されるため、割増運賃計算の漏れなどを防止できる仕組みとなっています。
アプリ内で申請承認、編集権限も可能に!
勤怠管理をエクセルや紙などでおこなっている企業さまの中には、上長が確認したことを証明するために申請書や出勤簿にハンコを押しているというところもあるでしょう。
そのハンコに代わる申請・承認の機能がkintone標準機能であるプロセス管理機能……ですが、株式会社井藤工業さまの場合にはこのプロセス管理機能は利用していません。
kintoneのプロセス管理機能は、複数のアカウント(ユーザー)がレコードの編集や確認をするワークフローを設定できるもの。
業務の流れに沿って「状態(ステータス)」「誰が(ユーザー)」「何をする(アクション)」を設定でき、自分が対応すべきレコードについてはポータルにその件数が表示されるため、作業を漏らさずに進めていくことが可能です。
物品購入などの上長承認が必要な業務、工程管理のようにポイントごとに内容の確認が必要な業務などにおすすめの機能となっています。
kintoneプロセス管理機能の詳しい使い方はこちらの記事をチェックしてください!
▼ワークフローをkintone化!プロセス管理・申請承認業務をペーパーレス化した事例を紹介
ワークフローを組むことで申請承認の仕組みを整えることはできますが、裏を返すと「承認されていなければ次に進めない」のがプロセス管理機能です。
株式会社井藤工業さまの場合には、ワークフローを組んで承認を行うというカッチリした仕組みではなく、「確認すべき担当者が見ていれば良い」という比較的簡単な仕組みをご希望でした。
そこで今回は、プロセス管理機能を使うのではなく、出勤簿アプリに「入力確認」「上長確認」「経理確認」の項目を設け、それぞれ担当者がチェックしていく仕組みとしました。
「経理確認」のステータスが「確認済み」になると、自動でそのレコードの編集権限が変わり、修正することができなくなります。
また、承認作業をおこなう上長が効率よく確認を進められるように「上長確認一覧」を作成しました。
背景色を区分ごとに変えたり、残業がある日は文字色が赤くなったり、特に注意して確認すべきポイントが分かりやすくなっています。
さらに、従業員側で入力漏れがある場合の背景色も設定し、空欄のままにならないような工夫も施しました。
kintoneで勤怠管理アプリを作る方法をまとめた資料はこちら!
給与計算のための時間集計も自動化
こうして、勤怠管理のための「出勤簿アプリ」が完成し、勤怠入力からその確認までをkintone化された株式会社井藤工業さま。
これまで手作業でおこなっていた給与計算のための勤怠集計作業がkintoneで自動化されました。
トータルの出勤日数は登録された出退勤のレコード数から、有休の日数はチェックのついた日数から……といったように、日々登録された情報から給与計算に必要なデータが自動的に集計されるようになっています。
日数だけではなく、残業時間や休日出勤時間など、月の労働時間の合計も自動算出してくれます。
登録したらすぐに集計に反映されるため、月の残業が多くなりすぎないかをリアルタイムでチェックすることが可能です。
勤怠管理と給与計算をkintone化するメリットとは?
株式会社井藤工業さまでは、エクセルや紙で各従業員から提出されていた出勤簿をkintone化することで以下のようなメリットがありました。
- 入力ミスや漏れといったヒューマンエラーの防止
- 総務における集計・確認作業時間の短縮
- 出勤簿のフォーマット統一
勤怠管理や給与計算は専門ソフトなども多くリリースされていますが、kintone化がうまくいけば専門ソフトを導入する必要がないため、コスト面のメリットもあります。
現場の方に利用いただくためにはマニュアル作成やレクチャーなどの時間が掛かる場合もありますが、使っていただければ自動的に集計されていくため、フォーマットを統一してkintone化するメリットは大きいと言えるでしょう。
勤怠管理をkintone化してバックオフィス業務を効率化しよう!
勤怠管理をkintone化することで、様々なメリットがあった株式会社井藤工業さま。
現状はまだ建築部門の従業員のみkintoneで勤怠管理をおこなっていますが、ゆくゆくは会社全体で活用して手書きやエクセルの出勤簿は廃止していく方針です。
勤怠の仕組みによっては、株式会社井藤工業さまのようにkintoneで勤怠管理アプリを構築できる可能性があります。
すでにkintoneを導入済みで勤怠の管理にもkintoneを活用したい企業さま、手書きやエクセルの出勤簿から卒業したい企業さまは是非ご検討ください!
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