総務でkintone活用!「送付履歴」の見える化でお歳暮や年賀状管理をスムーズに|総合建設業 井藤工業さまのアプリ開発事例
年末が近づくと総務はにわかに慌ただしくなります。年末年始の休みで請求の締めが早くなったり、年末調整があったりという事情に加え、協力業者やお客様に送るお歳暮・年賀状の手配という「1年に1度しかないけれど意外と手間のかかる業務」があるからです。
今回は、そんなお歳暮や年賀状、暑中見舞いといった「会社として贈ったもの」の記録をkintone化し、翌年のリスト作成業務をぐっと楽にしたアプリ開発事例をご紹介します!
目次
「去年はどこに贈ったっけ……」記憶やエクセルでの管理は大きな負担に
愛知県名古屋市で総合建設業を営む株式会社井藤工業さまは、道路や堤防、橋梁など数多くの公共工事や工場建設工事を手がけるほか、一般住宅工事にも携わり、住みよい街づくりに貢献してこられました。
土木や建築、住宅など幅広く事業をおこなう株式会社井藤工業さまには、たくさんのお客様や協力業者があり、それぞれにお歳暮や年賀状、来年のカレンダーなどを送付されています。
お歳暮や年賀状を送付する業務は、電子的なやり取りが主になりつつあるこの時代でも多くの企業でおこなわれています。
そして、送付に関する判断基準のひとつとなるのは「取引内容」と「前年の送付記録」です。
株式会社井藤工業さまでは、「年賀状は全てのお客様と昨年送付した協力業者へ、カレンダーは主にお客様へ」というように、送付には社内である程度の条件を設定し、その条件に合致する方をエクセルのリストにして管理していらっしゃいました。
とは言え、年に一度の業務のためリストを更新するのも時間と手間がかかります。
1年の間に協力業者の移転や担当者の交替などが起こることも少なくなく、総務ではまず、1年ぶりに送付記録のエクセルデータを探して開き、内容を更新するところからスタート。
そして、社内で設定されている送付条件に沿って「送付する/しない」を、1件ずつ判断していきます。
株式会社井藤工業さまでは協力業者の数が多いことに加え、個人のお客様も年々増加していくため、この年に1回の業務の負担が増していました。
年末、総務は請求の締め日が前倒しになったり、年末調整の業務があったりとただでさえ忙しくなりがちです。
そのため、この業務をもっと簡素化、効率化できないか?ということで、kintone(キントーン)での管理を検討し始めました。
kintone顧客管理で送付履歴も併せて管理?簡単だけど……
毎年年末に総務でおこなっている、お歳暮や年賀状送付業務の簡素化と効率化を目指すことになった株式会社井藤工業さま。
株式会社井藤工業さまでは、既にkintoneを活用しており、顧客管理や協力業者一覧など、業務の基本となるアプリの運用が始まっていました。
そこで、すでに存在しているkintoneの「顧客管理アプリ」を使って「お歳暮や年賀状を送付したか」を管理してはどうか、という検討からスタート。
この方法ならお歳暮や年賀状を送付したらチェックを入れるだけなので、作業をとにかく簡単にでき、なおかつ「昨年送付した先」も簡単に抽出できるからです。
しかし、この方法で送付履歴も追おうとすると、毎年「2023年、2024年……」と項目を増やすためのアプリ修正が必要となることに加えて、「その会社の誰宛に送ったのか」「何を贈ったのか」という情報までは管理できないというデメリットがあります。
また、この方法の場合顧客管理アプリや協力業者アプリに登録がある先の送付情報しか管理できず、「顧客一覧や協力業者一覧に登録が無いけれどお付き合いがあるから年賀状は贈りたい先」などが管理できないという問題もありました。
コムデックでは、以前お歳暮送付対象先の管理を目的としてお歳暮アプリを作成したことがあります。
その事例も参考にしつつ、前述の課題や実際の業務フロー、管理したい情報をヒアリングした結果、「顧客管理アプリ」内で送付履歴を管理する方法ではなく、「送付履歴アプリ」を別で作成する方法をとることにしました。
激務の総務を救う!「お歳暮アプリ」で脱・エクセルし、業務効率アップを実現した事例はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
▼総務だってkintoneアプリ作れます!年末に大活躍、お歳暮アプリ
「送付履歴アプリ」で一元化&関連レコードでアプリを紐づけ
こうして、総務におけるお歳暮や年賀状送付業務の効率化にむけ、kintoneで専用の「送付履歴アプリ」作成がスタート。
まずは、これまでエクセルで管理していた情報をもとに、「送付管理アプリ」に必要な項目を設定しました。
アプリ自体は、「年賀状」や「お歳暮」に限定したつくりではなく、株式会社井藤工業さまからお客様に送付した全てを管理できるような汎用タイプになっています。
その分、送付区分で何を送付した履歴なのかが一目でわかるようにしました。
この送付履歴アプリに対して、これまで使用していたエクセルから昨年までの送付記録をkintoneへインポート。
これにより、お歳暮や年賀状送付に必要なお客様に関する情報がすべて「送付履歴アプリ」に一元化される状態となりました。
エクセルをkintoneに取り込むときの注意点はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼【脱エクセル】kintoneへ移行するメリットやおすすめの連携サービスについて解説!
ここで株式会社井藤工業さまでは、「前年贈っているかどうか」をより分かりやすくするため、顧客管理アプリに一工夫。
kintoneには「関連レコード」という「レコードの中に別のアプリの関連情報を一覧で表示できる」機能があります。
この関連レコード機能を活かし、顧客管理アプリ内に「同じ顧客番号の送付履歴アプリレコード」を表示するように設定しました。
関連レコードの表示内容もデータ抽出の条件に指定できるため、顧客管理アプリ側から「関連レコードの送付履歴一覧に、昨年の日付でお歳暮を贈っている先」を絞り込むことができるのです。
他にも、社内で決めているお歳暮や年賀状の送付条件をもとに、今年の送付対象を新規顧客も含めて抽出できるように設定することで、1件1件条件を満たすかどうかを人の手で確認せずとも自動でリスト化できるようになりました。
担当者による判断や記憶に頼る部分が多かった協力業者への送付については、kintoneで管理していた「協力業者一覧」にも年賀状送付区分を追加し、各部署の担当者が直接「送付する・しない」を登録できるようにしました。
これで、総務から毎年各担当者に都度確認せずとも送付対象が把握でき、リスト化できる状態になったのです。
「送付履歴アプリ」を導入したメリットとは?
kintoneでお歳暮や年賀状送付業務に関する「送付履歴アプリ」を作成し、「顧客管理アプリ」や「協力業者一覧」を紐づけるなどして、運用をスタートした株式会社井藤工業さま。
これまでエクセルで管理していた送付リストのkintone化により、以下のようなメリットがありました。
- 年1回のエクセルの情報更新作業がゼロに!
- リスト作成業務が大きく効率アップ!
→「去年送付した」「引渡日から5年以内」「担当者が送付ありに設定」など条件に合わせて自動でリスト化が可能になるなど作業が簡素化した
「送付履歴アプリ」と「顧客管理アプリ」の紐づけにより「去年送付した一覧」が簡単に出力可能 - 総務から各担当者への確認業務がほぼゼロに!
総務の現場でもkintoneをもっと活用していきたい
総務で毎年大きな負担となっていたお歳暮や年賀状送付に関する業務を、kintoneで大きく簡素化、効率化できた株式会社井藤工業さま。
2022年から運用を開始したため、2022年末のお歳暮や年賀状の手配は今までより格段にスムーズに済むでしょう。
送付対象や履歴の一元化により、送付漏れや送付ミスも防ぐことができそうです。
今後は、総務部門での活用をさらに進めていく予定で、取引先などからいただいた品物の管理もkintoneで実施していくとのことです。
「1年に一度だから……」と昔からの運用のままになっていることが多いであろうお歳暮や年賀状の送付先管理。
年末の慌ただしさに公開する前に、kintoneで効率化してみてはいかがでしょうか?
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