Unifinityとkintoneの連携で、モバイルアプリを劇的に改善!|資源ごみ回収事業 一般社団法人伊勢資源回収事業協同組合さまのアプリ開発事例
みなさんの中には「デジタル化の波に乗って新しいツールを導入したものの、かえって業務の工数が増えてしまった」という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に、パソコンでは使いやすいツールでも、スマホやタブレットでは見にくい・操作しにくいという問題は起きがちです。
現場で働くスタッフにとって、スマホやタブレットの小さな画面と向き合いながら、何度も見直したり操作をやり直したりすることはストレスになります。
そこで今回は、Unifinityを使って専用のモバイルアプリを作成し、kintoneとの連携に成功した一般社団法人伊勢資源回収事業協同組合さまの事例を紹介します。
「kintoneのモバイルアプリは使いにくい」とお悩みの方は、ぜひご覧ください!
目次
kintoneの導入で情報管理は効率化できたけど、現場の手間が増加?
一般社団法人伊勢資源回収事業協同組合さまは、伊勢市の資源ごみ回収事業を請け負う協同組合です。
6つの清掃業者で成り立っており、伊勢市内をごみ収集車で回って資源ごみを回収し、清掃工場へ運んでいます。
以前は作業記録や報告書などを紙の書類で管理されていた一般社団法人伊勢資源回収事業協同組合さま。
情報管理にkintone(キントーン)を導入したことで、集計作業が自動化でき、市の担当者との連携もスムーズになりました。
kintoneを導入した際、資源ごみの回収実績はタブレットのカメラ機能を使って写真で管理するという仕組みを構築しました。
具体的な手順としては以下の4ステップです。
1.ごみ収集車が回収場所に到着したら、タブレットで回収場所のQRコードを読み込むか、kintoneのトップからアイコンをクリックして「回収実績登録アプリ」を開く
2.リストから自分の回収ルートを選択する
3.ルートを選択すると当日登録された回収履歴が表示されるため、編集ボタンを押す
4.写真登録部分までスクロールし、カメラボタンを押して、回収前・回収後の写真を撮影する
kintoneで回収状況を管理することで、市民や役所から問い合わせが来たときに、ドライバー本人に確認しなくても対応できるようになりました。
しかし、管理面では非常に便利になった一方で、実際に運用してみた結果モバイル版のkintoneアプリでは不便なこともいくつかでてきました。
一つ目の不便な点は、写真を保存するまでの手順が多いという問題です。
それに加えて、回収ルートの明細を一覧表示すると縦長になり、数十件以上のデータから目視で確認する必要があるため、誤選択が発生し手間取ってしまうという問題もありました。
表示が見づらいために、誤って「削除ボタン」を押してしまうこともあり、情報の整理や集計では力を発揮したkintoneですが、回収実績の登録に限って言えば、導入前よりも工数が増えてしまったのです。
また、そもそもkintoneはオンラインでないと利用ができないため、電波が悪い山中の回収場所等ではそもそもkintoneを開くことができないため、回収履歴を登録できないという大きな課題がありました。
そこで一般社団法人伊勢資源回収事業協同組合さまは、現場の人が簡単に操作でき、すばやく写真を登録できるモバイル用のアプリを作成したいと考えられました。
今回は、kintoneとの連携性が高く、簡単にモバイルアプリを作れるUnifinity(ユニフィニティー)を導入することにしました。
Unifinityならノーコードでモバイルアプリが作成できる
Unifinityは、ノーコードでモバイルアプリが作成できるツールです。
本来、アプリを開発しようとすると、プログラミングに関する高度な専門知識やスキルが必要になります。
しかしUnifinityを使えば、汎用的な画面パターンの組み合わせを設定するだけで、初心者でもアプリを作成できるのが特徴です。
また、ノーコード開発に比べて若干知識は必要になりますが、ローコード開発を行えば、画面コントロールや処理コンポーネント(ボタンやテキストボックス)など300以上の豊富な機能を使って、より本格的な開発もできます。
カメラやGPSなどデバイス機能にも対応しているので、今回のように写真を活用するアプリの開発にもぴったりです。
さらに、Unifinityで開発したアプリはオフラインでも利用できるため、電波が通じない場所や、通信機器の使用が制限される環境でも使えます。
kintoneをはじめとする外部システムとの連携にも対応しているため、製造業の日報アプリ、建設業の点検記録アプリなどにもおすすめです。
タブレットのモバイルアプリで写真撮影するだけで、kintoneも同時に更新!
一般社団法人伊勢資源回収事業協同組合さまのアプリ開発では、タブレット画面の情報量をできるだけ少なくして、何をやれば良いのかがひと目で分かるように工夫しました。
ここからは実際の画面を引用しながら、作成したモバイルアプリをご紹介します。
①ログイン画面
この画面で、kintoneのIDとパスワードを入力してログインすることができます。
②登録準備画面
はじめに、回収するルートと車両を選択します。
回収ルートも車両も数が多いため、一旦「区分」で絞り込んで「マスタ更新」を押すことで、kintoneから該当する選択肢だけを取得できるようにしました。
ルートと車両を選択して「作業開始」を押すと、次の画面に遷移します。
③一覧画面
指定した回収ルートにある回収場所の一覧が表示されます。
回収場所を1つタップすると、次の画面に遷移します。
④登録画面
写真は回収前・回収後・回収不能の3種類から選んで撮影します。
撮影時には、それぞれの枠内をタップすると自動的にカメラが立ち上がる仕組みです。
任意のコメントも入力できます。
※保存後は③の一覧画面の状態に戻る
⑤kintoneに連携
「登録」を押すと、リアルタイムでkintoneも更新されます。
これで、kintone標準アプリよりも使いやすいオリジナルのモバイルアプリが完成しました!
Unifinityとkintoneを連携するメリットとは
今回、一般社団法人伊勢資源回収事業協同組合さまでは、Unifinityでオリジナルのモバイルアプリを開発することで、kintoneのモバイルアプリの使いにくい部分を解消できました。
1枚の写真を登録するのに何度もタップする手間がなくなり、画面が見やすくなったことで操作を誤る心配もなくなったことがメリットです。
ただ、Unifinityの利用には費用がかかります。
プランにもよりますが月額20,000円〜となっているため、予算との相談が必要です。
また、実際にUnifinityを使用してみて、ローコード開発には一定の経験が必要だということも分かりました。
kintoneのように「ドラッグ&ドロップだけでアプリを作れる!」というわけではないため、全くの初心者の方には開発が難しいと思われます。
社内にIT人材がいらっしゃらない企業さまの場合は、専門業者に頼むのがおすすめです。
kintoneを外部サービスと連携してますます便利に!
一般社団法人伊勢資源回収事業協同組合さまでは、kintoneと外部サービスのUnifinityを連携することで、現場スタッフが使いやすいモバイルアプリの開発を実現されました。
いま運用している自治体との連携がうまくいけば、今回の事例をモデルとして他の自治体での業務にも展開していきたいと考えているそうです。
kintoneはあらゆる業務に対応できる便利なアプリですが、一部では「モバイル版は使えない」という声も聞かれます。
操作性が悪いまま我慢して使い続けたり、またアナログ管理に戻ってしまったりすると、業務効率化においては逆効果になってしまうかもしれません。
kintoneを導入して感じる不具合は、カスタマイズや外部サービスとの連携で解決できる場合も多いので、ぜひ専門業者に相談してみてください。
株式会社コムデックでは、お客様のお悩みをお聞きして、その場でkintoneアプリを構築する「対面開発」を行っております。
サービス一覧に掲載されていないツールでも、お客さまが実現したいことに合わせて柔軟に対応させて頂きますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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