台帳をkintoneに集約して、Slack連携で期日のリマインドも実現!|環境機器関連事業 株式会社ダイキアクシスさまのアプリ開発事例
社内のデジタル化が思うように進められず、まだ手書きの書類で管理しているという企業さまはたくさんいらっしゃいます。
手書き書類の場合、後から見返すときには膨大な資料を1枚ずつめくって探さなければなりません。
それだけではなく、集計や報告には1件ずつ記入作業が必要になり、手間と時間がかかってしまいます。
さらに、納期や契約期間のように期日管理が必要な場合にも、紙の管理ではリマインドができないため、「うっかり期日を過ぎてしまった」という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、情報管理をkintone化して、Slackへの自動リマインドも可能にした株式会社ダイキアクシスさまの事例を紹介します。
現場の状況に合わせてスムーズに導入するコツが分かる記事となっておりますので、kintoneからSlackに通知を送りたい方はもちろん、「自社のスタッフはデジタル化についていけるだろうか…」と不安に思われている方も、ぜひご覧ください。
目次
紙の台帳管理や複写の依頼書……アナログなデータ管理を変えたい!
株式会社ダイキアクシスさまは、愛媛県松山市と東京都中央区に本社を構え、排水処理事業や地下水飲料化事業といった「水」を軸にした事業や、住宅機器関連事業、再生可能エネルギー事業などを展開されている企業さまです。
株式会社ダイキアクシスさまではすでにkintone(キントーン)を導入されており、見積書の作成をはじめとする業務効率化に取り組まれてきました。
過去のkinton活用事例については、こちらの記事で詳しく解説しています!
▼kintoneで見積書を作成!プラグイン活用で印刷も実現
そんな株式会社ダイキアクシスさまが、さらなる効率化を実現するために着手されたのが手書き書類のデジタル化です。
株式会社ダイキアクシスさまの関連会社である株式会社環境分析センターでは、大気・水質・作業環境などの測定と分析を行っています。
環境計量証明事業所として、水質、大気、土壌、騒音、振動などの分析、厚生労働大臣登録水質検査機関としての水道水質検査、作業環境測定、大規模小売店舗立地法に基づく申請業務など、幅広い分析、測定、調査業務に携わっておられるのが特徴です。
環境分析センターにおける当時の業務の流れは以下の通り。
受付から分析結果の提出まで、情報は全て手書き書類で管理されており、一度もパソコンが登場していないことが分かります。
① お客さまが「分析依頼書」を手書きで記入する
② 「分析依頼書」と、水や大気などのサンプルが入った瓶を預かる
③ 「分析依頼書」のうち、必要な項目を「受付台帳」とサンプル瓶に転記する
④ 分析担当者は「受付台帳」を見て、個人の「分析台帳」に情報を転記する
⑤ 分析を行い、結果を「提出用データシート」に手書きで記入して提出する
提出場所には受付番号と日付別のインデックスファイルが複数置かれているので、該当するインデックスファイルに挟む。
このとき、提出されたことがよく分かるように、わざと紙がはみ出す形で挟んでおく。
⑥ 「受付台帳」は1日単位で締める
手書き書類による情報管理は、手軽で誰でも扱える反面、デメリットもたくさんあります。
例えば、手書き書類は読み取りにくく、都度手で記入する手間があります。
また、必要な書類を探すのに時間がかかることもデメリットです。
過去の分析依頼書や分析結果が必要になったときは、紙の台帳を1枚ずつめくって書類を探す必要があります。
同じお客さまから依頼があった場合も記憶を頼りに前回の書類を探さなければならず、過去の分析結果をデータベースとして二次利用できないこともマイナスポイントと言えます。
この他にも、紙の書類では期限のリマインダー通知ができないことも悩みの1つでした。
分析台帳をkintone化して、期限も通知できるようにしよう!
様々なデメリットがある紙での情報管理を脱却し、「分析依頼書」や「受付台帳」をデジタル化したいと考えた株式会社ダイキアクシスさま。
紙管理の課題をもとに株式会社ダイキアクシスさまが実現したいことをまとめると、次の5つになります。
- 「分析依頼書」や「受付台帳」の内容をkintoneで一元管理したい
- 同じ項目を二重・三重に転記する手間をなくした
- 記録をデータベースとして活用したい
- 普段から使っているSlackでリマインダー通知をして、期日管理をしたい
- ITリテラシーが高くない現場の人でも使いやすい形にしたい
これらの理想の状態を実現するため、もともと活用されていたkintoneやSlackを連携して環境を構築していくプロジェクトがスタートしました。
情報をkintoneに集約して、Slack連携でリマインダー通知をする方法
株式会社ダイキアクシスさまでは、以下の3ステップでkintoneに情報を集約し、Slackへの通知を実装していきました。
- kintoneで受付台帳アプリを作成
- krewSheetを使って検索しやすい一覧画面を作成
- Zapierを使ってSlack通知を設定
それぞれのステップで実施したことと、Slackでリマインダー通知を設定したりする具体的な方法について解説していきます。
kintoneで受付台帳アプリを作成
はじめに、分析依頼書と受付台帳の項目を融合したkintoneアプリを作成しました。
項目数が多くなるため、タブ表示プラグインを使って、画面が見やすくなるよう工夫しています。
タブ表示プラグインについてはこちらの記事でご紹介しています!
▼kintoneを便利にするプラグイン&kintoneで管理する人事評価を大公開!
krewSheetを使って検索しやすい一覧画面を作成
次に「krewSheet(クルーシート)」を使って、もともと使っていた紙の受付台帳に近い見た目の一覧表を作成します。
krewSheetとは、kintoneのデータをエクセル感覚で編集したり、一覧表示したりできるようにするプラグインのことです。
これで、過去の情報をフィルター機能で簡単に検索できる環境が整いました。
項目のレイアウトはなるべく紙の台帳に合わせているので、kintoneを初めて使う人にも分かりやすくなっています。
Zapierを使ってSlack通知を設定
最後に、期日のリマインダーを設定していきます。
kintoneにもリマインダー通知機能はあるのですが、株式会社ダイキアクシスさまのkintoneでは期日以外の通知もたくさん設定しているため、埋もれて見逃す可能性がありました。
そこでSlackに通知を飛ばすことで対応漏れを無くしたいと考えたのです。
kintoneには標準機能でもSlack連携の機能が実装されていますが、リマインド通知には対応していなかったため、今回はZapier(ザピアー)という連携ツールを使って、kintoneからGmailに通知メールを送り、それを元にZapierでSlackへと通知を飛ばすように設定しています。
Zapierとは、ノーコードで単純作業を自動化できるWEBアプリケーションです。
Slackの他にもGmailやスプレッドシート、Zoomなど、5,000以上ものツールとの連携が可能です。
株式会社ダイキアクシスさまでは、具体的に次のような手順でkintoneとSlackの連携を設定しました。
① 期日が来たら、kintoneの表示リマインダー機能で担当者のGmailに通知するよう設定する
② Zapierでトリガーに「メール内のテキストに”kintone”と”本日が期日です”を含まれる場合」と設定する
③ アクションに「Slackの通知先と通知内容」を設定する
実際に担当者のSlackに届く通知がこちら!
これで、kintoneへの情報の一元化と、Slackへの対応期限のリマインダー通知ができるようになりました。
現場の状況に合わせて、段階的にkintone化を進めるのがポイント!
現場の人たちの間では紙で管理する文化が根強かった株式会社ダイキアクシスさま。
デジタル化したほうが便利なことはわかっていても、一気にkintone化を推し進めると、かえって抵抗感や混乱を招く恐れがありました。
そのため、現場のみなさんがkintoneに慣れるまでは、プリントクリエイターを使って受付台帳を紙で印刷し、kintoneと紙を併用する形で運用を始めました。
新しいツールを導入する際は、一気に全ての運用を変えてしまうのではなく、現場の状況や使う人たちのITリテラシーに合わせて、段階的に進めていくことも大切です。
データ管理をkintoneに集約するメリットとは?
株式会社ダイキアクシスさまでは、台帳の情報をkintoneに集約したことで、過去のデータが簡単に検索できるようになり、紙を探す時間が削減されました。
また、「分析依頼書」から「受付台帳」に転記する手間も必要ありません。
もちろん、紙の印刷コスト削減にもなっています。
ただ、パソコンに慣れていない人の場合、はじめのうちはどうしても「紙の方が使いやすい」と感じることがあります。
環境の変化によって戸惑うのは仕方がないことなので、突き放すのではなく現場の意見に寄り添って経過措置を設けることも大切です。
対面開発で、組織の状況に合ったkintone化をサポート!
手書きの書類で管理していた情報をkintone化してSlackと連携することで、業務の効率化やリマインダー通知による期日管理の精度向上を実現された株式会社ダイキアクシスさま。
ゆくゆくは、依頼内容の確認や検査結果の登録もタブレットを使ってkintoneで一元管理し、ペーパーレス化を目指したいとのことです。
個人台帳とデータシートがkintone化できれば、顧客への報告書や請求データもkintoneで作成できるようになるため、期待は膨らみます。
コムデックでは、お客様のお悩みをお聞きして、その場でkintoneアプリを構築する「対面開発」を行っております。
「社内にITに強い人がいない」という企業さまも、ぜひお気軽にお問い合わせください。
コムデックの「対面開発」をはじめとする伴走支援とはどのような支援なのか?お客様インタビューを公開中!是非ご覧ください。
コムデックは運用から定着まで一緒に改善を進めてくれる伴走パートナー。使えるようになる、効果を出すところまで一緒に苦労してくれるところが違うな、と思っています。
株式会社ダイキアクシスさま
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