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サイボウズデイズ登壇レポート IT部門が不在でも業務改善を成功させたコツとは?伴走支援を徹底討論!

セミナー登壇レポート 伴走支援の事例と効果

2021年11月1日、2日の二日にわたって幕張メッセで開催されたサイボウズの総合イベントCybozuDays。
その二日目に、コムデックの生田専務と、kintone(キントーン)をフル活用して経営改善を進める株式会社クレーンメンテ広島の鳴谷社長が登壇!

「IT部門が不在でも業務改善を成功させたコツ」ということで、業務改善を進めていくカギとなる「伴走支援」とは何なのか、どうやってIT活用を進めたのかをセッション形式でお伝えしました。

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IT活用を「目的」としないために必要なこと

今年のCybozuDaysのテーマは「LOVE YOUR CHAOS」
めまぐるしく変化する社会を乗りこなすためにはIT活用が不可欠です。
そんなIT活用には、ITの内製化や企業に寄り添う「伴走支援」が必要であるとサイボウズの青野社長からも紹介がありました。

一口にIT活用と言っても、現時点の業務フローをそのままシステム化しただけでは効率化するとは限りません。
むしろ、システム化によって非効率になったり、悪ければシステム化が無駄になってしまう、そんなことすらあります。

あくまでIT活用、システム化は手段であり、目的は「業務効率を改善し、売上向上に繋げること」
そのためには、「何をシステム化するのか」「どういう仕組み(業務フロー)でシステム化するのか」を検討する必要があるのです。

とは言え、「何をシステム化したら効率化するのか」「そのままシステム化していいのか、業務を再設計すべきなのか」を自分たちで判断できるのであれば苦労はしません。
そんな時、企業の強い味方となってくれるのは「社外の適切なアドバイザー」つまりはベンダーの存在です。

「伴走」型の理想的なベンダーとの関係とは?

「ベンダー」と言うと、「こういうものを作ってほしい」という要件定義に基づいて、決められたものを決められた金額で納品する開発会社と言うようなイメージを持たれるかもしれませんが、今の時代に求められているのはまずその企業の現状を把握し、目指す姿とのギャップ、つまり課題を洗い出してその課題を解決するためのIT活用アジャイル型で柔軟に開発していくようなパートナーです。

ここで重要となるのは、「判断基準がどこにあるか」。
伴走支援では「どうやったら目指す姿に近づくことができるか=その会社にとって価値があるか」を基準としてIT活用を推進します。

目指す姿を両社が把握しているので、「ただ希望するシステムを作る」のではなく
「どうしたらその課題を解決できるのか」
「本当にシステム化が必要なのか」
「システム化をするなら業務の仕組みをどのように変えるべきか」
といった観点から、その企業に本当に必要な業務改善を進めていくことができるのです。

伴走支援
コムデックの提供している伴走支援の形については、こちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼サイボウズセミナーに登壇!kintone開発を外注するときの開発方法を解説!

伴走支援の事例をご紹介!「導入して終わり」ではない継続改善を提供

では、実際に伴走支援でIT活用を進めてこられた株式会社クレーンメンテ広島さまがどのような流れで業務改善を行ってきたか、具体的な事例を交えてご紹介していきます!

広島県東広島市でクレーン設置・点検業を営み、生産や物流などさまざまな現場で使われている天井クレーンの法定点検代行サービスや修理・改善、そしてオリジナルクレーンの製造・設置を手掛けられている株式会社クレーンメンテ広島さまが初めてコムデックと打ち合わせをしたのは2019年の秋でした。
実際にご利用いただいている書類を広げながら、まずは現状を整理し、これから業務をどう変えていきたいかをじっくりお伺いして業務フローを再構築。
ヒアリングを元に、プロトタイプアプリを開発しました。

通常の「システム開発」の場合、作ったものを納品して以降は「保守」、つまり「何かあれば連絡ください」「変更は別途見積」等になるケースがほとんどです。

しかし、伴走支援の場合には「作って終わり」ではなく、少なくとも月に1回は打合せを実施し、作ったものを改善していきます。
実際にシステムを使っていただき、現場のご要望に合わせてアップデートしていくため、どんどん理想の形に近づけていくことができるのです。

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登壇前リハーサルの生田専務と鳴谷社長

株式会社クレーンメンテ広島さまの業務改善の全貌はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼年間1千万以上の費用対効果を生んだkintone導入・活用事例を大公開!アナログ管理を脱するためのポイントとは?|クレーン設置・点検業 株式会社クレーンメンテ広島さま

伴走支援をもっと深堀り!ユーザー企業・ベンダーの生の声をお届けします

ここからは、実際にセッションでお伝えした質疑応答形式で、伴走支援に対する株式会社クレーンメンテ広島さまの声、ベンダーであるコムデックの想いをお伝えします!

1.伴走支援プロジェクトの始まり方は?

サイボウズさん
「何故今回コムデックさんに頼ろうと思ったんですか?」鳴谷社長
「中小企業あるあるだと思いますが、とにかく紙やエクセルでの情報管理が多くて……
それ故に転記等の無駄な仕事が多かったので、ペーパーレス化を進めて効率化したかったというのが一番ですね」サイボウズさん
「多くの企業さんが抱えている課題ですね。
では、そんな課題を受けて、コムデックさんはどのように提案をされたのでしょうか?」

コムデック
「ここまで「伴走支援」についてお伝えしてきましたが、「伴走支援」という商品をご提案したわけではないんです。
鳴谷社長から現状をお伺いした上で「ITを活用するとどんなふうに業務が変わるか」、例えば二重三重の転記が要らなくなって時間効率がよくなりますよ、といった、IT活用によるビフォーアフターをしっかりお伝えしました。
さらに言うと、「このツールを入れればよくなりますよ!」というご提案もしていなくて。
もっと広めの視点で、「クラウドサービスを使うと仕事がどうやりやすくなるか」「さらにそこでスマートフォンを使うと隙間時間で仕事を進められますよ」といった点をお伝えすることで、IT活用に対するイメージを持ってもらうことを重視しました」

サイボウズさん
「確かに、「課題を解決すること」が目的であって、ツールは手段ですもんね」

鳴谷社長
「「ツールを導入すること」もまぁ大変には大変なんですが、「ツールを使いこなすこと」は別に仕事ではないじゃないですか。
うちの場合には、時間を効率的に使いたいどこにいても仕事をできるようにすることが目的だった。
ほとんど現場に出ている業種ですから、どうしてもお客様の都合で待ち時間が発生するんです。
コムデックさんからIT活用のビフォーアフターを聞いて、スマホを活用して仕事ができるようになれば、今その「何もできていない」待ち時間を有効活用して、効率的に仕事ができるんじゃないか?というイメージができたのが大きかったですね」

サイボウズさん
「なるほど。
それでは、コムデックさんから提案を受けたとき、最初はどう感じられましたか?」

鳴谷社長
「最初の相談の時には、kintoneの画面すら見てないんですよ。
こちらの「今はこうなっているけれど、こういうことがしたい」という考えに対して「それなら、こういう風に実現できます」と詳しく説明いただいて、最初は「なんとなく行けそう」くらいの感覚でした」

サイボウズさん
「そういえば、最初の打合せの様子ではホワイトボードに書き込みながら進めていらっしゃいましたね。
お互いの考えをしっかり可視化したことが成功要因と言えそうです」

導入相談の様子

当時(2019年)のクレーンメンテ広島さまとのお打ち合わせの様子

2.伴走支援プロジェクトの進め方は?

サイボウズさん
「続いて、実際にプロジェクトを進めていくところについてお伺いしたいと思います。
まず、コムデックさんはこれまでどのような支援をされてきたのでしょうか?」コムデック
「先ほどもお伝えしたとおり、基本的には月1回、2時間Zoomや対面でkintoneの開発、修正等を行っています。
それに加えて、「今後事業をどうしていくか」「そのためにkintone環境をどう整えていくか」を打合せの中で検討・実装している形ですね。
「伴走支援」として最も重要なのは、半年に一回くらいのペースで定期的にIT活用の目的を整理し、IT活用の状況・効果を振り返ることだと考えています。
「これまで取り組んできたこと、今やっていることが本当に会社の価値を高める取り組みになっているか」ということを振り替えることで、その後の取組も決まってくる感じですね」コムデック 支援内容

サイボウズさん
「ありがとうございます。
確かに、一般的なベンダーさんだと「kintoneの構築代行」や「操作説明、作り方説明」「チャットサポート等の保守」はしてくれるイメージがありますけれど、効果の振り返り、さらにその次の取り組みまで一緒に考えるというのは伴走支援の特徴と言えそうです。
ただ、「効果の振り返り」と言うと、漠然と「システム使えてます!」というだけではなくて「効果が出ているか」をきちんと計らないといけないから、株式会社クレーンメンテ広島さんも大変じゃないですか?」

鳴谷社長
「そこについては、アプリの効果、使い勝手の振り返りを随時行うことで見極めています。
改善要望を登録するようなアプリを作って、そこにどんどん改善したい点を登録して打合せの中で修正してもらうことで「効果を高める」ことに注力している感じですね。
どれだけいいものを作ってもらっても使われなければ価値がないので、一番使う現場の従業員さんが使いやすく、ストレスなく使えて業務効率が改善しているかに焦点を当てて改善を進めていきました」

コムデック
「「改善要望」をしっかりと伝える仕組みをつくることも伴走支援の重要なポイントだと思います。
本当にちょっとしたことや、スピード感をもって対応してほしいことチャットじっくり時間をかけて対応したいこと、例えば「次はこんなことをやっていきたい」「これをもっとこうしたい」といったものはkintoneのアプリに登録……というようにしておくと、流れてしまう心配もないですし後から振り返りもできますよね。
それによって、ユーザー企業とベンダー側が一緒に改善を進めているチーム感が出るんじゃないでしょうか」

サイボウズさん
「なるほど。「一緒に改善を進めていく」となると、従来の「要望を出した後はお任せで、あとは納品されるのを待つ」といった形とは大きく異なりますよね。
そんなプロジェクトを進めていく中で、株式会社クレーンメンテ広島さんが意識したこと、大切にしたことはありますか?」

鳴谷社長
準備期間をしっかりとるようにしました。9月に相談して12月にはプロトタイプのアプリを入れてもらったんです。
そこから、5月までは準備期間として、従業員さんに使ってもらいながら問題点を洗い出して修正して……を繰り返して環境を整えてきました。
あらかじめ従業員さんには「5月からはkintoneだけで業務を進めるからね」と伝えておくことで従業員さんも本当に使いやすい形を追求してくれるようになりましたし、「ダブルスタンダードを作らない(従来の管理方法である紙やエクセルと、kintoneの併用を許容しない)」ように気を付けましたね」

サイボウズさん
「使い慣れたツールと、新しツールがあったら、どうしても使い慣れたツールに戻ってしまうというのは業務改善の障壁あるあるですね」

鳴谷社長
「新しいことに変わっていくって本当に労力が必要なので、従業員さんがストレスを貯めないようにきちんと準備するように心がけました」

サイボウズさん
「使ってもらって、出てきた要望はすぐに伝えて直してもらって改善して……というステップを踏んだということですね。
いきなり「今日からkintone以外だめだよ」と一方的に押し付けるのではなく、意見も聞いて使いやすく直したうえで切り替える、これはかなり重要なのではないでしょうか。
では次に、コムデックさんが気を付けたこと、意識したことを教えてください」

コムデック
「我々はクライアント様の理想の姿を実現することがミッションなので、伴走支援で一番大事なことは徹底的に自社目線、つまりその会社を自社だと思って支援するように心がけています。
自社だと思えば、余計な提案は絶対しないし本当に使いやすいもの、効果のあるものを作りますよね」

サイボウズさん
「なるほど、そういう目線で支援してもらえると心強いですね」

鳴谷社長
「やっぱり現場の従業員さんにストレスがかからないようにすることが一番なので、使いにくいところがあればすぐに直してもらいます!」

コムデック
「使いづらいkintoneアプリや提案って後から見てすぐわかるんです。そういうのがあると伴走支援にならないじゃないですか」

サイボウズさん
「微妙な提案ということは効果が感じられにくいということですし、理想の姿からは離れていってしまいますよね。実際の支援の中身がよくわかりました!」

3.IT部門が不在でも業務改善を成功させたコツ

サイボウズさん
「伴走支援がどんなものか分かったところで、株式会社クレーンメンテ広島さまの業務改善の効果をお伺いしたいと思います」

鳴谷社長
「社内の業務はほぼ紙がない状態で運用できるようになりました。
うちの場合にはリピートのお客様の多いので、過去どんな案件があったか、点検でどんな部分を特に気を付けて見るべきか等、過去の情報が特に重要になります。
そんなときも、kintoneならお客様に案件の情報が紐づいているのでファイルをめくって探す必要がないんです。
案件一件一件に対して発注書や見積書といった各種書類、従業員個人の日報を紐づけて全てkintoneで管理しているので、無駄なプリントアウトが無くなりました。
一番うれしかったのは、これまで現場で発生していた空き時間で見積書や注文書を作ってもらえるようになって業務効率が上がったことですね」

サイボウズさん
「目に見えて効果が出ていますね!
株式会社クレーンメンテ広島さまにとってコムデックさんはどんな存在と言えるでしょうか?」

鳴谷社長
「一方的な関係ではなくて、本当にお互いを高め合っていけるような存在だと思います。
こちらの要望に対してきちんと返してきてくれますし、逆にこちらからも「こういう方法だとどうですか?」と提案したり。
お互いに提案のキャッチボールができているという感じですね」

サイボウズさん
「本当にひとつのチームとして改善を進めていけているんですね。
それでは最後に、業務改善成功の秘訣を教えてください」

鳴谷社長
「さっきも言いましたが、「ダブルスタンダードを作らない」こと、「従業員さんにストレスを与えないように改善のレスポンスを早くする」ことの二つだと思います。
理想の姿を前提として、でも優先すべきはやっぱり現場なので。
そこを重視するということが共有できているからこそ、コムデックさんと一緒に走って改善できているんだと思います」

コムデック
「業務改善成功の秘訣は、支援する側だけではなくユーザー企業さまも一緒に走ってもらうことですね。
伴走支援をする側としては、社長目線、現場目線両方からそのチームの一員となって業績にコミットすることが重要だと考えています!」

伴走支援に終わりはない!常にトライ&エラーで業務改善

従来の「開発」「保守」に留まらない伴走型の支援、皆様はどう感じられたでしょうか?

中小企業の業務改善に終わりはない、とコムデックはよくお伝えしていますが、理想の姿や現状の課題を共有し、その上で現場の声にも寄り添えるからこそ、次々とやりたいこと、改善すべきことが出てきます。
「作って、使って、改善する」のサイクルを回し、それと同時に定期的に振り返りを行うことで業務改善が続いていくのです。

株式会社クレーンメンテ広島さまの事例を見て、「これなら自分たちの思い描いたものが出来そう」「こんな風に改善していきたい」と思っていただけたのなら幸いです!

コムデックでも伴走支援を行っておりますので、お気軽にご相談ください!

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この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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