CRM戦略とは?メリットと成功させるための実行手順5ステップを解説
既存顧客との継続的な取引ができると企業は安定的な売上が見込めます。
しかし、「どのように継続的な関係を築いていけばいいかわからない」「一度きりのお取引で終わってしまう」「顧客満足度向上には取り組んでいるが、継続に繋がらない」とお悩みの企業さまも多いのではないでしょうか。
そんな時におすすめなのがCRM戦略です。
CRM戦略を立てて実行することで、顧客との関係性を維持し、安定した売上が作れます。
本記事では、CRM戦略の概要とメリットについてご紹介します。
CRM戦略を成功させるための実行手順も解説しますので、既存顧客との関係性構築にお役立てください。
この記事でわかること
- CRM戦略の概要
- CRMを導入するメリット
- CRM戦略を成功させるステップ
こんな人におすすめの記事です
- CRMの導入を検討している方
- CRM戦略を実施して、売上を向上させたい方
目次
【基本知識】CRMとは?
CRMとは、顧客情報を管理・分析して、顧客関係を構築したり維持したりするマーケティング手法です。
CRMは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。
顧客情報や行動履歴からニーズを読み取ることで、提案からクロージングまで最適なアプローチが可能となります。
CRM戦略とは?
CRM戦略とは、顧客との関係性を構築し、その関係性を維持することで安定した売上を作る施策です。
現在は顧客のニーズが多様化しているほか、顧客が得られる情報も段違いに増えているため、簡単に競合商品へ乗り換えられる可能性があります。
例えば、1,000円の自社商品を継続して購入している顧客は、800円で発売されている類似商品があればより安価な他社商品へ乗り換えてしまう可能性がある他、価格は変わらなくてもちょっとした機能やデザインの違いで乗り換える可能性もあります。
顧客の乗り換えは売上低下に直結するため、顧客が離れないようにしなければなりません。
そこでCRM戦略を用いて継続的に購入してくれるように関係性を構築することで、顧客が他社商品に乗り換えることなく、安定した売上を維持することができます。
CRMマーケティングとの違い
CRM戦略と似た施策で「CRMマーケティング」があります。
この2つに大きな違いはありませんが、実施する際の目線が異なります。
- CRM戦略:企業目線で行うCRM
- CRMマーケティング:顧客目線で行うCRM
CRM戦略は、企業の課題解決や目標達成に向けて顧客との関係を構築します。
一方でCRMマーケティングとは、顧客が求めることを満たすために関係性を構築していきます。
最終的にどちらも売上につながりますが、企業目線で行うか、顧客目線で行うかの違いがあります。
【補足】顧客戦略・商品戦略とは?CRM戦略との違いについても解説
CRM戦略と似た意味で使われる言葉に「顧客戦略」「商品戦略」がありますが、本来の意味は異なります。
顧客戦略とは、「どの顧客に何をするか」の方針を決めることで、一般的にはフレームワークを用いて顧客戦略を立てます。
ビジネスにおけるフレームワークとは、事業に関係する情報を整理した上で分析し、方針の決定まで進める判断材料のことを指します。
商品戦略とは、顧客に対して「どの様な商材をどうやって提供するか」を考えることです。
具体的には、商品の開発からターゲット層、さらに利用目的を分析し、商品のコンセプトを決めて、ターゲティングした顧客に提供します。
CRM戦略はそれぞれの要素が含まれており、顧客戦略と商品戦略が一体化した戦略といえるでしょう。
CRM戦略を実行するメリット
CRM戦略を実行する前に、どのような効果に期待できるかを知っておくと、自社の課題を改善する具体的なイメージができます。
ここでは、CRM戦略のメリットを3つ紹介します。
顧客のニーズが見える化され、適切な商材を提供できる
CRMを活用することで顧客や市場の潜在ニーズが把握できるので、顧客に合う商材が明確になります。
たくさんの商材がある現代社会において、顧客は本当に必要としているものを自覚しづらくなっています。
CRM戦略を用いると、顧客の潜在ニーズを掘り起こして提案できるので受注確度が上がり、結果的に売上の増加につながります。
顧客満足度が向上する
CRM戦略では、様々な観点から顧客のニーズを把握し、それに合わせた施策を考え実行していきます。
その中で、クーポン配布やアフターサポートなど、顧客ごとの対応をしていけば、顧客満足度の向上につながるでしょう。
最適なアプローチを行うことで優良顧客を増やせる
CRM戦略を活用して既存顧客との関係を築いておくことでニーズを把握し、適切なタイミングでアップセルやクロスセルのアプローチを行えます。
それにより、購買頻度・金額の高い優良顧客を増やすことが可能です。
また、顧客との接触頻度を増やして良好な関係を築くことで、ロイヤリティを高める、つまりファンを増やすこともできます。
自社商品・サービスのファンになってもらうことで他社への乗り換えを防ぐことができ、LTVが向上します。
部門間で情報共有ができ、業務効率化につながる
CRMを通じて営業部門やマーケティング部門など部署間での連携を強化することで、社内の情報を一元化できます。
一元化した情報は関係している部門全員が確認・入手可能です。
例えば、カスタマーサポート部門が既存顧客の対応をするときには、既存顧客の基本情報はもちろん、どのような案件でどの商品を購入したのかを知らなければなりません。
CRMが適切に行われていれば顧客情報はあらかじめ共有されているため、顧客に関する情報を探す手間が省くことができます。
すぐに顧客対応の業務が可能なので、業務効率化につながるでしょう。
LTVを最大化でき、自社の利益を上げられる
CRM戦略を実行することで、LTVが向上します。
LTVとは「Life Time Value」の略で、日本語で「顧客生涯価値」、つまり顧客との取引が開始してから終了するまでに自社にもたらす利益のことを指します。
CRM戦略は取引を継続させる仕組みを構築するので、LTVを最大化し、自社の利益アップにつなげることができます。
CRM戦略を成功させるための5つの手順
CRM戦略は顧客との関係を構築して企業の売上を上げるために効果的ですが、その効果を最大限に発揮するためには順序立てて実行していく必要があります。
おすすめの実行手順は以下の5ステップです。
- KPIを設定する
- 顧客の属性をイメージする
- カスタマージャーニーを作成する
- CRMツールを決める
- PDCAを回して改善する
CRM戦略を成功させるために必要なそれぞれの手順について解説します。
1.KPIを設定する
まずは、CRM戦略の効果を測るためのKPIを設定しましょう。
具体的には、受注金額や顧客数、単価や商談件数などを指標とします。
また、KPIはフェーズによって変更させるのが効果的です。
例えば、CRM戦略を実行する初期段階ではKPIを「顧客数」と設定しますが、一定の顧客数が集まるようになったらKPIを「受注金額」に変更します。
こうすることで徐々に追うべき指標が売上に近いものになっていくため、段階的に目標達成に近づきます。
2.顧客の属性をイメージする
KPIが設定できたら、誰に向けて製品やサービスを販売するのかを明確にします。
年齢や性別、居住地や家族構成まで細かくイメージすることを「ペルソナ設計」と呼び、より具体的にペルソナを設計することで、顧客ニーズを詳しく把握し、最適なアプローチが可能となります。
3.カスタマージャーニーを作成する
カスタマージャーニーとは、顧客が購入に至るまでのプロセスのことで、顧客がどのように商材を認知し、どんなきっかけで興味・関心を持ち、どの段階で購買意欲を高めて、購入に至るのかという流れを可視化したものです。
カスタマージャーニーを作成することで顧客行動が可視化されるので、「この情報はどのタイミングで必要になるか」や「この段階の顧客は、こんなことで悩んでいる」などのニーズが確認できます。
段階ごとで最適なアプローチが明確になるため、成約率アップにつながります。
4.CRMツールを決める
CRMツールは、CRM戦略を実行していくにあたり必要な膨大な顧客情報を分析するために必要不可欠です。
CRMツールを選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 必要な機能がついているか
- 操作しやすいか
- 運用サポートがついているか
- 外部との連携ができるか
kintone(キントーン)は直感的に操作できるのでITツールに慣れていない人でも使いやすく、決まった形が無いため自社に必要な機能をどんどん追加していくことができます。
MAツールや請求書作成ソフトといった外部ツールとも連携できるため、管理・運用がしやすくおすすめです。
5.PDCAを回して改善する
CRM戦略は1度で成功することは少なく、PDCAを回して改善していくのが一般的です。
設定したKPIを元に成果につながっているかを測り、必要であれば再設定しながら、データをもとに仮説・検証を繰り返して成果につなげていく姿勢が必要です。
CRMを最大限に活用するための注意点
CRMを最大限活用して売上を伸ばすには、いくつか注意点があります。
効果を実感できるまで一定の時間を要する
CRMを実施しても、すぐに売上は伸びません。
CRMは多くの情報を集めて分析し、分析結果を活用して売上を伸ばすマーケティング手法です。
初期段階ではデータがない状態なので、正確に分析できません。
データを蓄積し、顧客ニーズを正確に分析できるようになるまで時間が必要なので、すぐに効果が出るわけではない点に注意が必要です。
データを集めるだけでは成果は出ない
CRMの成果が出ない理由でありがちなのが、データを集めるだけで終わってしまっていることです。
CRMで成果を出すには、データを利用し、売上を伸ばす施策に展開していく体制が必要です。
CRMを統括する担当者を決めて、顧客情報の取り扱いや入力方法などの運用体制を確立させましょう。
また、CRMの施策を実施してもすぐに効果が出るとは限りません。
CRMを運用しつつ、PDCAを回して施策を検討・実行していく必要があります。
CRM戦略を実行して利益アップを目指そう
CRM戦略は、安定的な売上を作るために効果的です。
CRM戦略を実行するためには、膨大な顧客データの管理・分析が必要になるため、CRMツールの導入が欠かせません。
CRMツールは数多くありますが、おすすめは先ほどもご紹介したkintoneです。
kintoneは分析・集計のための機能が豊富で、条件から顧客データをグラフ化することができるため、効率的にCRM戦略を実行できます。
コムデックではkintoneの導入・運用支援を行っています。
課題や目的に応じたサポートが可能ですので、kintoneをCRMとして活用したいという企業さまはお気軽にご相談ください。