kintoneとGmailの連携で発注管理アプリからメールを送信|クレーン設置・点検業 株式会社クレーンメンテ広島さまのアプリ開発事例
個人間の連絡はLINEなどのチャットが当たり前となりましたが、ビジネスではまだまだメールが主流……どころか、電話やFAXでのやり取りも少なくありません。
特に受発注業務については、何年も前から変わらずFAXを利用している企業さまが多いのではないでしょうか?
FAXはアナログで記録が残せるものの、印刷して手書きで記入した発注書を複合機で送信する必要があります。
加えて今の若い人材は「FAXなんて使ったことも見たことも無い」のが当たり前。そのため、紙の管理コストや教育コストを考え、脱FAXを目指す企業さまが増えています。
そこで今回は、kintoneとGmailを連携させることでFAXレスな発注管理を実現した事例をご紹介します!
目次
kintoneで社内の情報管理を大改革!ただし一部紙が残る業務も
広島県東広島市にある株式会社クレーンメンテ広島さま。
クレーン設置・点検業を営んでおり、生産や物流などの現場で活躍する天井クレーンの法定点検代行サービスや修理、オリジナルクレーンの製造・設置に対応しています。
「お客様の業務に影響の出る突発修理ゼロ」を目標に掲げ、日々丁寧なサービスを提供されている企業さまです。
そんな株式会社クレーンメンテ広島さまでは数年前からkintone(キントーン)を活用され、いまやkintoneが業務の主軸として無くてはならない存在となっています。
kintone導入による費用対効果は、なんと年間1千万以上!
大量にあった紙の資料をkintoneに登録するのには骨が折れましたが、ダブルスタンダードを作らない運用によって社内にも浸透させることができました。
本気の業務改革!鍵はkintone導入にあった!そのプロセスはこちらの記事をご覧ください。
▼年間1千万以上の費用対効果を生んだkintone導入・アプリ開発事例を大公開!アナログ管理を脱するためのポイントとは?
そんな株式会社クレーンメンテ広島さまにも、まだ紙で実施している業務がありました。
それが冒頭でお伝えした、FAXによる発注業務です。
FAXによる発注管理の課題
社内のペーパーレス化に本気で取り組んだ株式会社クレーンメンテ広島さまに残る、紙による発注業務。
慣習的に変えにくいことや発注先の都合もあり、FAXによる発注業務は多くの企業で見られる光景ですが、FAXによる発注業務には、以下のような課題が潜んでいます。
しかし、FAXによる発注業務には、以下のような課題が潜んでいます。
- オフィスからしか発注業務ができない
- いつまでも紙が残る、ペーパーレス化が完了しない
- 機械のトラブルが起こると発注書が送れない
これらの課題を解決するため、株式会社クレーンメンテ広島さまでは発注書をFAX送信からメール送信に切り替えることを検討しはじめました。
kintoneとGmailを無料プラグインで連携!
株式会社クレーンメンテ広島さまでは、実は「どこに何を発注するか」という情報の管理自体は既にkintone化しており、発注業務だけが紙で残っている状態でした。
「発注管理アプリ」には発注先名称や担当者名が登録されており、宛先のメールアドレス情報も「協力会社管理アプリ」に登録されています。
そのため、発注管理アプリに登録されている発注先名称や担当者名を利用してkintoneでメール本文を作成し、kintoneから発注書を送ることができれば発注業務をかなり効率化できるのではないかと考えました。
「kintoneから発注メールを送信する」状態を目指して、まず検討したのは「どうやってkintoneからメールを送るか」です。
kintoneにはさまざまな機能が標準で備わっているものの、kintoneユーザー以外へのメール送信機能はありません。
しかし、標準機能では叶わないことも、プラグインをうまく活用することで解決できるのがkintoneの強みです。
今回は、無料で利用できる「Gmail連携プラグイン」を使うことにしました。
Gmail APIを利用して開発されているもので、このプラグインを入れればkintoneのGmail連携が可能となり、メールのテンプレート内にレコードの値を利用してメールを送信することができます。
このプラグインを導入してGmail連携するために、まずはGoogleアカウントにOAuthクライアントIDを設定しなければなりません。
これは、Gmail連携プラグインを含むGoogle連携プラグインを使うために必要な作業です。
OAuthクライアントIDの設定方法はこちらの記事でも詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。
▼kintoneとGoogleカレンダーを同期させるメリットとは?便利な連携プラグインも紹介-②GoogleカレンダーのAPIキーとカレンダーIDを取得する
OAuthクライアントIDの設定ができたら、次にメールテンプレートアプリを作成し、発注書送付メールの定型文を登録しておきます。
株式会社クレーンメンテ広島さまでは、件名や冒頭のあいさつ文、署名欄などをテンプレートとして登録しました。
作成したテンプレートの内、「%仕入先%」のように%で囲まれているところは発注管理アプリのフィールドコードになっています。
テンプレートに発注管理アプリのフィールドコードを入れて紐づけておくことで、宛先や先方担当者名、発注担当者名などに「発注管理アプリ」の各フィールドから自動でデータを反映させることができます。
レコード内容に合わせて自動でメール本文が作成されるので、宛名の間違い等の心配がありません。
プラグインそのものの設定は、メールアドレスや件名、本文、添付ファイルなど必要な項目を指定するだけなのでとっても簡単。
最後に、作成した OAuthクライアントIDを入力すれば設定完了です。
Gmail連携プラグイン以外のkintoneからメールを送信する方法については、こちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼「kintoneから直接メール送信したい…」おすすめの拡張機能3選!
ワンクリックで発注メールを送信、履歴もkintone内で管理可能
Gmail連携プラグインの導入により、kintoneの発注管理アプリに登録済みのレコードの内容をテンプレートへと反映させて発注メールを送信する仕組みが構築できた株式会社クレーンメンテ広島さま。
「発注管理アプリ」内のメールマークをクリックすれば、発注メールが送信されます。
なお、ボタンを押したら即メールを送信することも可能ですが、株式会社クレーンメンテ広島さまでは送信前の最終確認のために一旦は「下書きに保存」されるように設定しています。
アプリ下部には送信したメールや返信メールの履歴が表示され、右側のメールアイコンを押すとGmailが開くようになっています。
発注管理アプリ上でやりとりの履歴も管理できるため、メールが迷子になってしまうリスクを下げることが可能です。
kintoneとGmailを連携させた効果とは?
ペーパーレス化が進んだ株式会社クレーンメンテ広島さまの社内においても、紙が残っていた発注業務。
kintoneとGmailの連携によって発注業務をFAXからメールに切り替え、さらに発注管理アプリ内で発注内容とやり取りの履歴まで管理できるようになりました。
発注管理にkintoneとGmailを連携させるカスタマイズを施した結果、株式会社クレーンメンテ広島さまでは以下のような効果がありました。
- 出先からでも発注業務が可能になった
- ペーパーレス化をより推進できた
- 複合機のエラーなどに左右されず送信可能
- テンプレート化で自動的に件名や宛名が入るため、メール作成時に転記する必要がなく手間がかからなくなった
- kintone上で発注の状態やメールのやり取りがわかるようになった
FAXからメールへの切り替えにあたっては、もちろん発注先への連絡や確認が必要です。場合によっては、先方の業務フローを変えてもらう必要も出てきます。
発注先がFAXのみで注文を受け付けているような場合は従来通りFAXで対応する必要がありますが、メールに切り替えることによる受け手側のメリットを伝えることで切り替えに応じてくれるかもしれません。
打診をしてみたら案外先方もメールに切り替えたいと思っていた……ということも少なくないため、「うちの取引先はFAXしか受け付けてないから」で諦めるのではなく、一度は打診してみるのがおすすめです。
kintoneとGmail連携の注意点
kintoneとGmailを連携させるには、 OAuthクライアントID等の設定が必要となるためGoogleアカウントが必要です。
連携用に使いたいGoogleアカウント(メールを発送したいGoogleアカウント)と、日常的に利用している個人のGoogleアカウントが異なる場合には注意してください。
Googleアカウントはブラウザに紐づくため、日常的に業務で使うブラウザに個人のGoogleアカウントでログインしている場合には紐づくアカウントの変更が必要となります。
これについては、Googleの公式ブラウザであるGoogle Chromeに発注用アカウントを設定し、発注管理アプリへのショートカットを用意しておくことでアカウントの切り替え忘れなどを防ぐことができます。
※詳しくはこちら https://support.google.com/chrome/answer/2364824?hl=ja&co=GENIE.Platform%3DDesktop をご覧ください
協力会社も巻き込んでデジタル化をすすめよう!
今回は、Gmail連携プラグインを使ってkintoneとGmailを連携し、発注業務の脱・紙、脱・FAXを実現した株式会社クレーンメンテ広島さまの事例をご紹介しました。
どんな業態でも自社のみで業務が完結することはほとんどなく、仕入れ先や外注先など、さまざまな協力会社や業者が関係してきます。
自社の社内だけでデジタル化を進めていくことももちろん業務の効率化やペーパーレス化に繋がりますが、周りを巻き込みながらデジタル化を進めることで、その効果はより高まります。
もしかしたら、周囲の協力業者もどこかが一歩踏み出すのを待っているかもしれません。
もし御社が今FAXで発注業務を行っているのであれば、株式会社クレーンメンテ広島さまのように、周囲にを巻き込んでデジタル化を進める一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
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