kintoneによる棚卸情報の自動集計で在庫管理を効率化!|飲食業 有限会社豚捨さまのアプリ開発事例
複数店舗を運営する飲食店や小売店では、各店舗の在庫状況を品名別や商品カテゴリ別に見たいときがあります。
その場合、棚卸情報を手作業で集計し直し、エクセルで自社が見たい形に一覧表を作成している企業さまも多いのではないでしょうか?
手作業による集計は手間と時間がかかるうえ、人的ミスが起こりやすいというデメリットがあります。
kintoneなら棚卸情報を自動集計できるため、従来発生していた手作業を削減しながら自社が見たい分類にカスタマイズして一覧表を作成・共有することが可能です。
今回は、krewDataを使ってkintone上の棚卸情報を自動集計し、自社独自の分類で在庫一覧表を閲覧できるようになった有限会社豚捨さまの事例を紹介します。
「在庫管理を効率化したい」「データ集計を自動化して負担を軽減したい」「手作業による集計の人的ミスを削減したい」という企業さまは、是非ご覧ください。
目次
手作業による在庫管理の手間を削減したい…棚卸情報を自動集計できないか?
有限会社豚捨さまは、三重県伊勢市の老舗和牛専門店「豚捨」や精肉店を経営する企業さまです。
松坂牛のルーツとされる伊勢肉のうち、上質なものだけを厳選して提供しておられます。
有限会社豚捨さまでは、これまでエクセルを使って各商品や材料などの棚卸情報を管理してきました。
毎年の決算期には、棚卸情報をまとめるために商品カテゴリごと・店舗ごとなど、自社にとって必要な分類での再集計を手作業で行っている状態です。
しかし、手作業で集計し直すと手間と時間がかかるうえ、人的ミスが起こりやすいというリスクもあります。
そこで、集計業務における手作業をなるべく削減し、在庫管理を効率化するために、kintone(キントーン)を使って棚卸情報を自動集計するフローを構築することにしました。
kintoneなら棚卸情報を自動集計して在庫管理を効率化できる!
kintoneなら、krewData(クルーデータ)というプラグインを活用することでアプリをまたいでkintone上の在庫を自動集計できます。
ここでは、kintoneで棚卸情報の自動集計を行う方法を解説します。
1.商品マスタを整理する
まずは、有限会社豚捨さまの商品情報をまとめたデータである商品マスタを整理します。
商品マスタには、棚卸の対象となる商品情報をもとに、在庫管理に必要な品名や在庫単価、取り扱い業者名などの情報を登録します。
この工程で、親カテゴリとサブカテゴリを登録しておくことで、あとから指定したカテゴリごとに自動集計することが可能です。
例えば、親カテゴリを「商品」や「貯蔵品」というように分類しておけば、カテゴリ別集計アプリ上で指定したカテゴリ別の在庫状況を把握できます。
商品情報の登録作業は手入力またはCVSによる一括取り込みが必要ですが、一度登録したあとは商品の単価が変更したときに調整すればよい仕組みになっています。
商品マスタの登録作業を丁寧に行うことで、それ以降の管理に手間はかかりません。
2.棚卸管理アプリで各店舗の在庫数を登録する
続いて、棚卸管理アプリに各店舗が抱えている在庫数を登録します。
棚卸管理アプリでは、商品マスタで登録した商品情報を参照したうえで棚卸の対象店舗と在庫数を登録していきます。
複数の店舗が一つの同じ棚卸アプリを利用しますが、クラウドサービスであるkintoneなら同時作業もリアルタイムのデータ更新も可能です。
エクセル管理だと発生するファイル共有や統合の手間がなく、シームレスに必要な情報を登録・確認できます。
3.krewDataを使って自動集計を行う
続いて、krewDataを使ってkintoneで棚卸情報の自動集計を行うフローを構築しました。
krewDataとは、構築したフローに従ってアプリ間のデータを自動で集計するプラグインです。
今回は棚卸情報の集計ですが、予実管理や工数・請求データなどさまざまなデータの集計に活用できます。
外部SaaSや基幹システムのデータをkintoneに連携できるため、企業が抱えるあらゆるデータをツール・アプリを超えて集計でき、転記作業や再集計の負担軽減につながります。
kintone標準機能の表で「カテゴリ別集計」「店舗別集計」を実現する方法とは?
krewDataで自動集計を行ったあとは、その集計結果を見たい形で確認できる個別のアプリがあると便利です。
今回有限会社豚捨さまでは、これまで行ってきた棚卸や在庫管理の方法に合わせて、見たい情報を網羅的に整理・確認できる「棚卸商品合計額アプリ」と「カテゴリ別集計アプリ」という2つのアプリに結果が保存されるようにしました。
棚卸商品合計額アプリ
棚卸商品合計額アプリでは、店舗ごとや商品ごとに在庫数と総合計金額のサマリーを表示できます。
例えば以下の画像では、本店の棚卸状況が一覧表を通じてひと目でわかるようになっています。
kintoneには標準で集計機能が備わっているものの、棚卸管理アプリによるクロス集計だけでは見たい項目やカテゴリ別に情報を閲覧できません。
有料プラグインを利用する方法もありますが、今回の事例では、あくまで標準機能の範囲内で構築を行いました。
見たい項目やカテゴリ別にデータを確認できるように、専用アプリとして棚卸商品合計額アプリに集計結果が保存されるような仕組みにしています。
カテゴリ別集計アプリ
店舗ごとにカテゴリ別の在庫数量と合計金額を確認できるカテゴリ別集計アプリでは、細かい商品名ではなく、カテゴリ・サブカテゴリごとに数量と金額をチェックできるようになっています。
krewDataの構築は自社でやるべき?専門家に任せるべき?
krewDataはアプリ間の自動集計ができる一方で、krewDataの仕組みを正しく理解していないと集計フローの構築や微調整が難しいという欠点があります。
プログラミングの知識は不要であるものの、パズルのようなフローの構築には慣れとkintoneへの理解が必要です。
自社でkrewDataについて理解したうえでフローを構築するとなれば、相応のITリテラシーが求められることになります。
自社でのカスタマイズが難しい場合は、伴走支援をしてくれるパートナーに構築・サポートを依頼すると安心です。
伴走パートナーなら、krewDataの集計フローを組むところからその後の調整まで対応できる他、自社でkrewDataを内製していきたい場合でもスキルやノウハウを惜しみなく提供してくれるでしょう。
kintoneによる棚卸情報の自動集計がもたらすメリット
有限会社豚捨さまでは、kintoneで棚卸情報の自動集計ができるようになり、従来行っていた手作業による再集計を削減することができました。
商品マスタや在庫数の登録で一部手入力が残っているものの、在庫管理における業務効率を大幅に向上できています。
また、kintoneの各アプリで一覧表を印刷したりCSV出力したりすることで、従来のエクセルと変わらない形で容易に外部関係者にも共有できるようになっています。
例えば会計士や税理士等、「自社のkintoneを見てもらうのは難しいが在庫情報は共有する必要がある」方には、kintoneからCSVを出力すれば手間なく共有可能です。
kintoneを使って在庫管理のさらなる効率化を目指す
有限会社豚捨さまは、kintoneで棚卸情報を自動集計することで従来発生していた手作業による再集計を削減し、節目ごとの棚卸を効率化できています。
今後は、在庫管理アプリの活用を進めて、さらなる在庫管理の効率化を目指していくとのことです。
コムデックでは、お客さまのニーズに合わせてその場でアプリを構築する「kintone対面開発」を提供しています。
「手作業によるデータ集計を自動化したい」「指定の条件下でkintone上のデータを再集計したい」という企業さまは、お気軽にお問い合わせください。
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