kintone作業工程管理でガントチャート形式の進捗管理を実現|製造業 株式会社浅野製版所さまのアプリ開発事例
製造業において、作業の工程管理やスケジュール管理は納期を守るためにも極めて重要です。
各ラインの進捗状況を把握して遅延が無いかを確認し、もし遅延している工程があればどのようにリカバリーをするかを検討してスケジュールを調整する必要があります。
逆に、無駄のない効率的な工程管理を実現できれば、機械・人双方のコストを大幅に下げ、企業の利益に貢献できるでしょう。
しかし、この作業工程の管理をエクセルで行っていると、データの更新や管理に手間がかかるという問題があります。
今回の記事では、kintoneを活用することで、会社全体の作業工程の管理はもちろんのこと、案件ごとや人ごとの工程・タスクの進捗をガントチャート形式で可視化した事例を紹介します。
kintoneで作業の工程管理やスケジュール管理を実現し、従業員の稼働状況をリアルタイムに把握したい企業さまは是非参考にしてください!
目次
作業工程はエクセルで作成、情報が分散……
東京都中央区築地に本社を構える株式会社浅野製版所さまは、「はたらく未来を、あるべき色に。」をテーマに健康経営を推進している企業さまです。
1937年の創業以来、大手企業を含む多くのお客様の広告・クリエイティブワーク・製版業務を手掛けてきた株式会社浅野製版所さまですが、工程管理は長い間エクセルで実施されていました。
日毎に全体の案件をまとめたエクセルを作成し、制作工程を管理していたのです。
当時の株式会社浅野製版所さまでは、工程を管理するエクセルと、作業実績を管理する業務管理ソフト(とそこから出力されるエクセル)に情報が分散しており、この部分を一元化出来ないかと考えておられました。
課題はそれだけではなく、作業実績の集計元データとなる日報そのものについても入力が徹底されていない状態だったため、管理者は必要な情報を必要なタイミングで把握できず、確認のために大きな工数を要していました。
これらの課題を解決すべく、kintone(キントーン)とそのプラグイン、カレンダーPlus、krewSheet(クルーシート)を用いて、タスクの割当の省力化、全作業員の業務予定の可視化をするプロジェクトがスタートしました。
見積を元に案件別の工程を自動作成→カレンダーに展開までワンクリックで!
まず最初に着手したのは、案件の発生から見積もりを作成し、受注した後、実際の作業工程を作成していく部分の自動化です。
従来であれば、案件に合わせて一つずつ(エクセルにおいては一行ずつ)工程を書き加えていく必要がありました。
この部分を自動化するには、「工程をテンプレート化し、受注したら一括で決まった工程を作成する」方法が一般的です。
しかし、株式会社浅野製版所さまの場合には案件ごとに工程が全く異なるため、工程のテンプレート化はできません。
そこで、工程のテンプレート化の代わりに活用したのが見積の情報です。
株式会社浅野製版所さまでは、お見積もりの際に作成する明細がほぼ工程とイコールになっており、見積明細のひとつひとつを工程として考えることができる状態でした。
案件が受注した際は、この見積もりの明細データをそのまま利用してコピーし、案件ごとの香盤予定表を自動作成できる仕組みを構築。
サブテーブル一覧表示プラグインを活用して、見積アプリから対象の案件の明細データを表示し、「見積明細を取得」ボタンをクリックすると必要な明細データを受注管理アプリ内に取得することができます。
ただし、これだけではまだ工程の名前が取得されただけの状態です。
ここから予定開始日時と締切日時を入力していきますが、一つ一つ入力していくのは手間がかかります。
そこで、テーブルの上の「一括設定」項目に入力することで、その下のテーブルにも一気に開始日時と締切日時が入力されるようにプラグインで設定を行いました。
日時の情報まで入力出来たら、一度レコードを保存して画面上部メニューの「香盤予定へコピー」ボタンをクリックすることで香盤予定表アプリへ自動で工程のデータが登録される仕組みになっています。
自動登録されたスケジュールはカレンダーPlusで見える化、従業員別のガントチャートも
登録された工程のデータは、香盤予定アプリ上でガントチャート形式で表示されます。
これには、カレンダーPlusプラグインのリソース別表示機能を用いています。
カレンダーPlusとは、kintoneで軽快な操作と分かりやすいカレンダー表示を実現するプラグインです。
月別・週別・日別表示や色分け表示ができるため、一目で状況がわかる視認性の高い表示機能を備えています。
Proバージョンでは、リソース別スケジュール管理が可能で、担当者別・会議室別・車両別など、様々な要素(リソース)別にスケジュール管理を行うことができます。
株式会社浅野製版所さまの事例では、画面で予定を掴んでドラッグ&ドロップすることで、簡単に作業者を割り当てることができるような仕組みを構築しました。
1日の時間ごとの予定も簡単に表示ができ、各担当者の稼働状況を把握できます。
カレンダーPlusプラグインについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
▼無料で使える!kintoneカレンダーPlusプラグインの使い方
予定を割り振りにくい?krewSheetのXrossモードで解決
ドラッグ &ドロップで工程の調整を行えるようになった株式会社浅野製版所さまですが、ガントチャート形式になったことで新たな問題がひとつ発生していました。
それは、工程のデータが増えてくるとその日の表示が縦に長く伸びてしまい、担当者へ割り振ったり、担当者の予定の状況を確認するためにはスクロール操作が必要で非常に見にくいという問題です。
このUIの課題には、krewSheetプラグインのXrossモードを活用することで解決しました。
krewSheetとは、アプリのデータをエクセル感覚で一覧表示・コピー&ペーストや編集できるSheetモードや、データを集計して編集できるピボットテーブル表示が可能なkrewSheet Xrossモード(クルーシートクロスモード)を搭載したkintoneのプラグインです。
株式会社浅野製版所さまでは、作業予定がまだ割り振られていない工程を抽出して一覧化し、エクセルのような操作性で入力できる機能を実装しています。
業務の中では、カレンダー形式ではなく一覧表での操作・入力が作業をしやすいケースもあります。
krewSheetを活用することで、上段に表示された案件一覧から工程を確認したい案件をクリックすると、下段にその案件の各工程が表示されるようになりました。
この案件単位での一覧表で、各工程の開始日時、作業日時、作業者の割当操作ができます。
もちろん、エクセルのようにオートフィル機能を用いた一括入力も可能です。
工程管理をkintone化した効果とは?情報の一元化で「共有のための打ち合わせ」削減へ
作業工程や進捗管理を一元化して可視化したいという課題に対して、株式会社浅野製版所さまではkintoneとカレンダーPlus、krewSheetふたつのプラグインを用いてシステムを構築しました。
kintoneの活用により分散していた情報が一元化され、誰でも、どのPCからでも最新の情報を確認できるようになり、情報共有のために集まる必要もなくなったとのことです。
工程進捗管理はkintoneにおまかせ!
今回の記事では、工程進捗管理をkintoneで解決した株式会社浅野製版所さまの事例を紹介しました。
株式会社浅野製版所さまでは工程進捗管理アプリをさらに活用し、krewData(クルーデ―タ)を用いて原価を自動的に集計する仕組みを稼働させています。
今後は、さらなる情報の可視化を進め、分析できる体制をつくり、経営課題の解決につなげる取り組みを行っていく予定とのことです。
「スケジュール管理や工程管理を効率化したい」、「進捗管理を可視化したい」、「ガントチャートを簡単に作成したい」とお考えの事業者さまは、是非、一度、kintoneを用いた工程管理システムの構築を検討してみてはいかがでしょうか?
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