kintoneの日報管理で社員の業務をリアルタイムで集計・分析!|士業 あおい社会保険労務士法人のアプリ開発事例
企業の成長には生産性アップが欠かせません。
そして、生産性アップのためにはまず「今なににどれくらい時間を使っているのか」を知り、どこを改善していくべきかを見極める必要があります。
どの業務にどれくらいの時間を使っているかを把握するためには、その記録を取り、集計をおこなわなければなりません。
しかしその一方で、日報を紙やエクセルで管理しているため集計に時間がかかり、「そもそも集計が追い付いていない」「分析の時間が取れない」と悩んでいる社労士さまも多いのではないでしょうか?
kintoneで日報管理を一元化すれば「どの顧問先のどの業務にどのくらいの時間をかけているのか」を手間なく把握できるようになります。
そこで今回は、kintoneによる日報管理で社員の業務状況をリアルタイムで把握し、集計・分析も自動化した、あおい社会保険労務士法人さまのアプリ開発事例を紹介します。
目次
複数システムによる日報管理でデータ集計や分析に時間がかかる…リアルタイムに業務分析を行いたい!
あおい社会保険労務士法人さまは、横浜市に事務所を構える社労士事務所です。
顧客企業の労務管理だけにとどまらず、スポットでの労務管理相談や就業規則、社内規定の作成なども手広く請け負われています。
冒頭でお伝えした通り企業の成長には生産性アップが欠かせません。
「生産性の伸びしろ」を把握するためには、現時点の「どの顧問先のどの業務にどのくらいの時間をかけているのか」を算出する必要があります。
ところが、あおい社会保険労務士法人さまでは日報管理をエクセルで行っており、「データを集計・分析しようとすると都度加工が必要で時間がかかる」という課題がありました。
あおい社会保険労務士法人さまが抱えていた日報管理の課題は以下の通りです。
当時の日報の課題
- エクセル管理のため自動集計や分析に手間がかかる
- 日報入力のルールが統一されておらず、正しく集計できないものもあった
- 顧客と紐づいておらず「どの顧客にどれだけ時間を掛けているか」を分析できない
日報をエクセルで管理していると、以上のような「集計や分析に時間がかかる」「リアルタイムで業務把握ができない」といった問題が生じがちです。
売上に影響する作業や所内作業の分析ができていないと、「どこを改善するべきなのか」を把握することができず、業務改善もうまくいきません。
これらの課題を解決するために、あおい社労保険労務士法人さまでは顧客管理に使っていたkintone(キントーン)を活用することにしました。
kintoneには既に顧客情報があるため、その情報と紐づけることで「どの顧客にどれだけ時間を掛けているか」を把握することができます。
kintone化すれば入力フォーマットも統一され、集計も自動化が可能です。
顧客管理をAccessからkintoneに移行した事例はこちらの記事をご覧ください!
▼顧客管理をkintoneで行うメリットとは?~社労士編~|あおい社会保険労務士法人さまのアプリ開発事例
kintoneの日報管理で業務の見える化を実現!
日報をkintone化し、自動的に集計することで顧問先別・業務別の工数を把握したいと考えたあおい社会保険労務士法人さま。
当時あおい社会保険労務士法人さまが利用していたエクセル日報の基本的な形はこちらです。
必要な日報情報を都度エクセルに入力、集計や分析を行うときは別途加工が必要でした。
このエクセルをもとに作成した日報アプリがこちらです。
その日一日で実施したことを顧客別・業務内容別にどんどん行を追加していく形になっています。
顧客名は既にアプリ化されていた顧問先管理アプリからルックアップで取得しているため、エクセルで集計を行う際に起きがちな「名前の書き方が各人で異なり、正しく集計できない」という事象を防ぐことが可能です。
これにより顧客別・業務別の作業工数を算出できるのはもちろん、その日一日の業務時間合計も自動算出できるようになっています。
kintone×プラグインで日報入力の柔軟性アップ!
kintoneで日報アプリを作成することで、自動的に工数データを蓄積・集計できるようになりました。
しかし、あおい社会保険労務士法人さまでは単に日報管理を行うだけでなく、日報入力自体が従業員の手間にならないように入力インターフェースをシンプルなものにしたいというご要望もありました。
「kintoneで日報管理をすれば集計・分析が容易」「リアルタイムで業務分析を行える」というのは経営層の視点です。
kintoneで日報管理をすることで、実際に日報を入力する従業員が「仕様が変わって使いにくい…」と感じては意味がありません。
そこで、入力自体が手間にならないよう、入力インターフェースの便利さを重視したkintoneのカスタマイズを実施しました。
ここからは、カスタマイズの一例をご紹介していきます。
条件分岐処理プラグインで「テーブル行追加」を左端に
テーブルに使いたいだけ行を追加していける形式は便利ですが、行を追加するボタンは右端にしかありません。
テーブル内の項目が多く、横に長くなってくるとどうしても「行追加のボタンを押すために横スクロールをしなくてはならない」というちょっとした手間が発生してしまいます。
実はこの「テーブルの行追加ボタンを左側に移動したい」というご要望は、kintoneを活用する中でいただくことが多いご要望の一つです。
とは言え標準機能では追加ボタンを移動させることができないため、左端に「追加」チェックボックスを作成し、チェックが入ったら行追加されるように条件分岐プラグインを設定しました。
条件分岐プラグインとは、レコードが条件に該当したときに自動化処理や書式設定・エラーチェック等を行うことができるTIS社のプラグインです。
文字列やチェックボックスの条件を指定するだけで、自動入力・自動コピーができたり、テーブル行を自動で追加したり、条件に合わせて書式変更ができたりします。
柔軟な条件設定が可能なため、「最大限入力の手間を削減した使い勝手の良いアプリ」を作成できます。
今回の設定は以下の通り。チェックが入ったら自動的に行が追加されるため、追加ボタンは右端のままでも問題ありません。
条件分岐プラグインの活用方法については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひご覧ください!
▼入力効率大幅アップ!kintone条件分岐処理プラグインの使い方徹底解説!
条件分岐処理プラグインで開始終了時刻を自動入力
あおい社会保険労務士法人さまの日報では、「かかった時間」を直接入力するか、「開始時間」「終了時間」を入力して自動的にかかった時間を計算するか、どちらかやりやすい方法で登録を行います。
後者の「開始時間」「終了時間」を入力する形式の場合、kintoneの時刻項目をドロップダウンで選択するのは少し手間がかかる他、1分単位で入力したい場合には直接打ち込まなければなりません。
そこで、先ほどと同じく条件分岐処理プラグインを使うことで、「開始&終了」のチェックが入ったら自動的にチェックを入れた時間が入力されるように設定しました。
フィールド非表示プラグインでテーブル内の項目をスリム化
あおい社会保険労務士法人さまの日報アプリでは、生産性分析を行うために「直接入力はしないけれどルックアップ時に一緒にコピーしてくる必要がある項目」がいくつかありました。
それらの項目が表示されたままだと、テーブルが横に長くなってしまうため入力しづらくなってしまいます。
kintoneでは、標準機能で「フィールドごとの閲覧権限」を設定可能ですが、テーブル内の項目の場合には制限をかけることができません。
そこで、テーブル内の項目を非表示にするために、条件分岐処理プラグインと同じくTIS社製の無料プラグイン「フィールド非表示プラグイン」を使っています。
日報アプリで業務内容を取得すると分類も合わせて入力されますが、分析用の項目なので非表示にしてスリム化しました。
以下の項目は、プラグインで「全員に対して非表示」としています。
プラグインの設定は簡単で、非表示にしたいフィールドと誰に対して非表示にするかを指定するだけです。
日報のkintone化で集計を自動化、リアルタイム分析が可能に
kintoneの日報アプリでデータを蓄積できるようになり、条件分岐プラグイン等の活用で入力インターフェースがより便利になりました。
次に、日報に蓄積したデータから作成したリアルタイム集計のグラフをご紹介します。
kintoneのグラフ機能を使えば、さまざまな切り口で集計設定ができます。
例えば、どの顧客にどれくらいの時間がかかっているのかを可視化した表がこちらです。
一つの集計項目だけではなく、複数の集計条件を組み合わせてクロス集計を行うこともできます。
クロス集計の作り方はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneでのクロス集計の手順を徹底解説!利用上の注意点についても紹介
表だけではなく、円グラフや棒グラフも作成可能です。
集計結果をグラフ化することでより視覚的に状況を把握できます。
kintoneで日報管理を一元化するメリット
kintoneで日報管理を一元化するメリットは以下のとおりです。
- 自動的に集計されるため集計の手間がかからない
- 担当ごと/顧客ごとの仕事の偏りが見える化する
- 集計・分析をリアルタイムに実施できる
エクセルで日報管理を行っていたときは、集計・分析に時間がかかっていました。
しかし、kintone化することで「スタッフがどういった業務にどれだけ時間をかけているか」がひと目でわかるようになり、社労士法人における業務分析を効率的に進められるようになったのです。
kintoneの日報管理でデータ分析・集計を効率化して生産性向上を目指そう!
kintoneで日報管理を一元化すれば、データ分析・集計が効率化されるだけでなく、正確な分析結果のもと生産性向上を目指すことができます。
日報管理を紙やエクセルで行っており、「管理が煩雑になっている」「必要なデータを把握・集計するのに時間がかかる」「集計することが目的になっており、分析や改善を検討できていない」と悩んでいる法人さまは、ぜひkintoneの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
現在、あおい社会保険労務士法人さまではkrewDataプラグインも導入し、今回の日報を請求書データと組み合わせて顧客ごとの生産性分析を実施しています。
生産性分析を行うことで、顧問料に対して稼働時間が多いお客様や業務内容を把握し、改善を検討することが可能です。
請求書情報を自動作成できる社労士のkintone顧客管理については、過去の記事で詳しく紹介しています。顧問先管理をkintone化することで顧問料を集計できるようにした事例となっているので、気になる方はぜひご覧ください!
▼請求書情報を自動作成できる社労士のkintone顧客管理とは?|あおい社会保険労務士法人さまのアプリ開発事例
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