kintone×krewDataで士業のタスク進捗管理&日々の履歴を記録!|税理士法人アクセスさまのアプリ開発事例
タスクの進捗管理を専用システムやkintoneで行っている税理士事務所・会計事務所は少なくありません。
しかし、ただ「タスク」と「その進捗」を入力するだけの方法では「常に最新の進捗状況に更新する」「全員に進捗を共有する」「会社全体のタスク状況を把握する」といったことが難しくはないでしょうか?
士業はお客様から委託された各種申告を請け負っているため、年1回の年次業務をはじめひとつひとつの業務でミス・申告漏れは許されません。
そのため、タスクの進捗管理は自動集計と見える化で社内共有ができる仕組みを構築するのがおすすめです。
kintoneとkrewDataを活用して進捗管理を行えば、タスクの進捗を把握しながら抜け漏れなく正確に進めていくことができます。
そこで当記事では、年次業務の進捗管理の集計・見える化を実現した税理士法人アクセスさまのアプリ開発事例を紹介します。
目次
リアルタイムな進捗管理が難しい…kintoneでミス・申告漏れリスクを防ぎたい!
税理士法人アクセスさまは、顧客企業さまを「100年企業」に導くためのサポートを行う税理士法人です。
単なるお金の関係だけでなく、人と人とのつながりを大切に企業さまと丁寧に向き合っています。
税理士法人アクセスさまでは、以前からkintone(キントーン)を導入してタスクの進捗管理を行っていました。
月次業務の進捗管理をkintoneで実施できるようにした事例はこちらの記事をご覧ください。
▼税理士業でkintone活用!月次の予定を自動作成し進捗管理を一元化|税理士法人アクセスさまのアプリ開発事例
しかし、年次業務の進捗管理については「いつ処理を行ったかの日付入力」のみだったため、お客様のレコードを見て「何月何日にどの工程まで対応したか」の確認はできるものの、会社全体のタスク量やその進捗把握が困難でした。
進捗の全体像を把握しようとすると、kintoneから書き出したデータを別途エクセル等で集計する必要があるため、リアルタイム性に欠けてしまいます。
日々のタスクの中でも、年末調整や償却資産の申告、確定申告などの年に1回だけ発生する年次業務は、正確さはもちろんのこと早期の対応も求められます。
そこで「担当者ごとで今どのくらい終わっているか」「事務所全体でどのくらい終わっているか」をリアルタイムかつ正確に把握することで、申告期日に遅れがないよう対応できる仕組みづくりを考えました。
税理士法人アクセスさまの理想の進捗管理の状態
- 担当者ごと、各年次業務の工程ごとでどのくらいの進捗かを把握できる
- サービス提供が漏れなく行えているか・遅れていないかをチェックできる
kintoneによる管理で進捗把握を簡略化!krewSheetで入力も簡単に
税理士法人アクセスさまでは、以前からkintoneの進捗管理アプリにタスクを実施した日付の入力を行っていました。
年次で実施する各種手続き全ての情報がひとつのレコードの中に集約されており、「このお客様の1年間の年次業務はこのレコードを見ればわかる」状態になっています。
全タスクの状況が一か所にまとまっている反面、前述のとおりこれらの進捗は顧客それぞれのレコード詳細画面を開かなければ確認することができません。
そこでまず、krewSheetを使うことでさらに入力しやすくなおかつ確認しやすい一覧を作成しました。
krewSheet(クルーシート)は、エクセル感覚でデータを編集したり一覧性の高いデータ表示ができたりするkintoneのプラグインです。
krewSheetを使えば、クラウドシステムに不慣れな方でもエクセルのようにタスクの進捗管理が可能となります。
税理士法人アクセスさまがでは、krewSheetのXrossモードを活用することで従業員別に抱えているタスクの進捗率を自動集計しています。
右の件数の部分をクリックすると集計対象のレコード一覧が表示され、下の画面で完了日を一気に入力することが可能です。
また、レコード内には全ての年次タスクの情報が入っていますが、一覧は業務ごとに作成してどのタスクが何%終わっているかを自動算出しました。
これにはkrewSheetの「カスタム小計」の機能を利用しています。
このように、kintoneのアプリで進捗を管理すれば、常に最新の進捗状況をひと目で確認できる仕組みを構築できます。
krewDataで進捗状況を日次で保存!件数や進捗の自動集計も可能に
krewSheetのクロスモードで最新の状況をチェックできるようになった税理士法人アクセスさまですが、krewSheetで作成した進捗管理アプリは入力はしやすいものの、「進捗だけを確認したい」場合には少し見にくいという課題がありました。
加えて、進捗管理アプリでは入力された情報を元に「常に最新情報」の進捗率が表示されますが、「現在の進捗に至るまでどういったペースで進めてきたか」はわかりません。
税理士法人アクセスさまでは、最新情報だけでなく「定期レポートのような形で進捗の経過を確認したい」と考えていました。
進捗の経過を確認するためには、「ある特定時点での進捗率」を定期的に記録していく必要があります。
そこで、進捗管理アプリに入力された情報を自動的に集計して、進捗状況の推移を見るための進捗履歴アプリを作成しました。
日次で進捗管理アプリの情報を集計して更新を行うため、進捗管理アプリに完了件数や進捗率を入力する必要はありません。
進捗管理アプリから進捗履歴アプリへの自動集計には、krewDataを活用しています。
krewData(クルーデータ)はkintoneの複数のアプリ間にまたがるデータを集計・加工できるプラグインです。
税理士法人アクセスさまでは、krewDataのスケジュール実行機能を使い、毎日23時時点の進捗管理アプリのデータを集計して、「その日の進捗率」として進捗履歴アプリにデータを自動登録できるように設定しました。
担当者数+顧問先数分のデータが毎日新しく登録されるため、日々のデータが「毎日その日時点の進捗率」の履歴となるのです。
算出した進捗率は、ただアプリで見るだけではありません。
年末調整や確定申告など、年次の業務は実施時期が決まっています。
そこで、その業務の実施時期には、最新の進捗率をkintoneのトップページに表示して、常に状況が目に入るようにしました。
ただし、krewDataのスケジュール実行を利用している都合上、進捗履歴アプリに表示されるのは「前日23時に集計された時点の情報」です。
そのため、リアルタイムな進捗を把握したい場合にはkrewSheetで集計された進捗管理アプリをご覧いただく必要があります。
※手動でkrewDataの実行ボタンを押せば入力した情報が反映され、最新情報を更新・共有可能です
タスクの進捗管理をkintoneで行う効果とは?
税理士法人アクセスさまでは、進捗管理をkintone化し、そこにkrewSheetを適用したことでタスクの実施日入力がやりやすくなりました。
krewSheetプラグインにより、kintoneの進捗管理アプリを開くだけで常に最新の進捗状況を把握可能です。
また、進捗管理アプリに入力された情報を元にkrewDataで自動集計を行い、進捗率を日次で別アプリに保存できるので、kintoneさえ見れば「誰が・どのくらいまでできているのか」が一目瞭然になります。
これらの改善により、税理士法人アクセスさまでは進捗確認のために行っていた報告や会議が不要になり、その分の時間を実際の業務に充てることができるようになりました。
また、進捗が見えていることにより、前倒しで進められるよう意識づけをすることもできました。
お客様ごと、従業員ごとの進捗率に加えて会社全体の進捗率も一緒に算出してくれるため、実際の数値を元に「今のペースは順調」「このペースだとまずいのでは?」といった判断も可能です。
定量的な情報を元に、遅れている従業員をどのようにサポートするか、どうやって巻き返すかの意思決定ができるようになります。
kintoneとプラグインを活用して税理士業の業務効率化を目指そう!
kintoneでタスクの進捗管理を行えば、進捗を見える化できるだけではなく、翌年以降の業務のアップデートにもつながります。
進捗の履歴や実施日の日付が記録として残っていることで、「昨年は遅れがあったかどうか」「昨年はどの時期に何%の進捗率だったか」を把握し、その情報を元に「去年は遅れがあったから今年は少し前倒しでスケジュールを進めよう」などの対策を講じることが可能です。
担当者別の進捗率や処理件数もわかるので、「この人は昨年処理できる件数が多かったから今年は担当数の配分多めにしよう」といった、業務実施前の割り振りにも役立てることができます。
税理士が行う年次業務は、実施すべき時期や締切が明確に決まっているため遅れは許されません。
業務を行う1人ひとりの作業効率もそうですが、あわせて全体の業務を見える化するための対策を考えることも大切です。
「タスクの進捗管理を効率化したい」「自動集計による工数削減を実現したい」とお考えの方は、ぜひkintoneに加えてkrewSheetやkrewDataといったプラグインの導入をご検討ください。
進捗管理の最新のkintone活用についてはこちら!
▼【社労士必見】社労士業界におけるkintone活用の最新事例をご紹介!
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