一人のIT担当者から全部署へ!kintone担当者を各部署に配置し業務改善スピードアップ|輸入商社株式会社来夢さまのアプリ開発事例
社内で新システムを導入する際、一人のIT担当者のみが奮闘するパターンは少なくありません。
輸入商社の株式会社来夢さまがkintoneを生産性の向上を目標として導入しはじめた時もそうでした。
しかし、今では一人のIT担当者だけではなく、各部署の責任者が積極的にアプリ作成や改善をおこなっています。
どのようにしてkintoneで会社全体の業務改善のスピードをアップさせたのか、その取り組みの様子をご覧ください!
目次
kintoneの導入に抵抗があったIT担当者
世界にある良いモノを知って欲しい、利用して欲しい、という想いから、さまざまなジャンルの商品を取り扱っておられる輸入商社の株式会社来夢さま。
世界シェアNo.1を誇るワンタッチ式テント「EZUP(イージーアップ)」の日本輸入元代理店でもあり、年々取引先が増え、今では毎日たくさんの受注があるそうです。
取引先や受注が増えることにより、仕入れや販売に関して扱う書類も増加。
株式会社来夢さまでは、以前はそれらを手入力で処理しておられました。
手入力の作業が増えれば、時間がかかるだけではなく必然的にミスも発生します。
取引先のニーズに対してより確実に、迅速に対応するために、生産性の向上という目標が掲げられ、kintone(キントーン)を導入した事例は前回の記事で詳しくご紹介しています!
▼大量の手入力業務を卒業!kintoneにより実現した仕入管理・販売管理業務の劇的効率化術!|輸入商社 株式会社来夢さまの導入事例
このkintoneによる仕入管理の改善担当として抜擢されたのが、現在の株式会社来夢さまのIT担当者である中川さんです。
中小企業では、社内の業務改善担当に任命された社員がITやプログラミングなどに詳しくなく、勉強するところからスタートということがほとんどです。
株式会社来夢さまの中川さんも例に漏れず、プログラミングなどには触れたことがなく、kintoneを導入することにもはじめは抵抗があったそうです。
しかし、取引先や現場のためには業務負荷を下げるための手段が必要であると考え、1年間じっくりとkintoneの構築に取り組まれ、1年経つ頃にはすっかりkintoneを使いこなし、アプリ作成や運用、調整までを行えるようになりました。
現在では、中川さんが作成したkintoneアプリは50個を超え、まさに社内の業務改善を一手に担っている状態です。
IT担当者が知識・技術を身につけた結果、業務集中が発生
しかしここで新たな問題が発生します。
この時点で、中川さんはIT担当者としてすべての部署のkintoneアプリに関わっていました。
その結果、すべての部署からのkintoneアプリに対する質問や改善、調整依頼などが中川さんに集中しはじめたのです。
各部署それぞれが中川さんに頼りきってしまう上、アプリを作っている中川さんと実際の部署でkintoneを使う人の間の感覚差などもあり、さまざまな改善・調整を次々に求められる状況になってしまいました。
各部署で担当者をたてて改善スピードをアップ、kintoneを現場レベルに近づけていった
アプリを作る人と使う人の感覚の違いによる改善依頼の集中で、アプリの修正が人に依存してしまうという課題を抱えたIT担当者の中川さん。
そこで、もともとの目的であった生産性向上のためにも、IT担当者に頼ることなく、それぞれの部署でkintoneを使いこなしてもらうことが必要だと考えました。
例えば営業業務に使うアプリなら、実際にその部署で仕事を行う社員の方がより業務に寄り添った「営業部署のためのアプリ」をつくることができると考えたのです。
株式会社来夢さまで導入したkintoneは、アプリをかんたんに作成・改善できることが特徴です。
そこで社長と中川さんで各部署から責任者を選定し、毎月のレクチャーをスタートすることにしました。
個々の理解度の違いに対応するだけではなく、各部署で必要なアプリの内容に合わせたレクチャーを、1対1でじっくりとおこなったのです。
はじめたころは乗り気ではなかった各部署の責任者も、定期的な打合せの時間を設けることで「次の打合せまでに何かしらは改善しなくては」とアプリの作成や改善に取り組んでくれました。
また、各部署の責任者同士のグループチャットでどんどん疑問を解消していく他、自分の部署以外の責任者とのやり取りも把握することができ、そこから新たな活用方法を見出すこともあったそうです。
各部署の責任者を孤独にしないことで相互作用的に後ろ向きだった意識を向上させ、kintoneによる業務改善を会社全体に波及させていきました。
だれでも使える、だれもが作れるようになり、改善スピードも向上!
各部署に責任者がいる状況になり、主体的にkintoneアプリの修正・調整などが行うようになった結果、IT担当者である中川さんへの問い合わせや対応依頼の集中状態は改善。
自分の部署で使うアプリを作っていくため、修正や改善が的確でスピーディーになったそうです。
また、アプリを作る人が各部署に生まれた結果、周りにもノウハウが広がりやすくなり、アプリを作れる・修正できる人の数も増えてきました。
今では、kintoneがいわゆるエクセルのようなオフィスソフトに近いレベルで、だれでも使える・作れる存在になりつつあるのだとか。
現場を中心として生産性の向上を考えた結果、kintoneが活用できる人をIT担当者だけに留めず、各部署で対応できるようにしたことで株式会社来夢さまのkintoneを活用できる業務領域は格段に広がりました。
kintoneで会社全体の業務改善スピードを上げるためのコツとは?
各部署に責任者を立てるという中小企業ではあまり見ないスタイルでkintoneによる業務改善に取り組んだ株式会社来夢さま。
今回は、業務改善スピードをアップさせるコツについてIT担当者の中川さんと、営業部署の責任者の大山さんにインタビューさせていただきました!
コムデック
ここまでの2年間、中川さんを中心にkintoneを使った業務改善をすすめていただきました。
そこから徐々に各部署の責任者を増やしたことで、どのような変化がありましたか?
IT担当中川さん
以前であれば使い方の質問や修正の要望が私に集中していたんですが、各部署に責任者を設けてからは自分たちが欲しいアプリを自分たちで作ってもらえるようになりましたね。
「これが欲しい」とか「この項目追加して」とかちょっとした要望は全部部署の責任者で対応してくれているので、私まで来ることはなくなりました。
コムデック
アプリの作成や修正を各部署で巻き取ってくれているということですね。
それでは、部署担当の大山さんから見たメリットを教えてください。
営業部署責任者大山さん
基礎の部分は作ってもらってから参入したので、比較的やりやすかったです。
依頼をしなくても、自分の部署の使いやすい形に変えていけるのは良い所ですね。
やっぱり、業務の流れや仕組みをよく理解して作るほうが、例えばこの項目はこの項目の後に入力したいとか、ちょっとしたことですけれどそれだけで業務効率が変わってくるので。
コムデック
よりその業務に近い人が作ることで、本当に現場が使いやすいアプリを作ることができるんですね。
IT担当者、部署担当者、それぞれでメリットがあることがわかりました。
なかなか他のお客様には無いkintone活用の体制なので、是非他社さんにも来夢さんのようにその部署の仕事を一番わかっている責任者の方にアプリを作ってもらえるような体制を作って行ってほしいです。
それでは、kintoneそのものでどんなふうに業務が改善されましたか?
営業部署責任者大山さん
kintoneそのもので言うと、断然に案件管理が楽になりました。
あと、以前は倉庫のに在庫がないのに受注してしまったりといったことがあったんですが、kintoneに業務基盤が移行したことでそういったミスが無くなりました!
コムデック
kintoneで改善を行うことで、ミスを減らすことができたんですね!
IT担当中川さん
仕入や案件管理といった部分はもちろん継続改善していますが、今はデータを蓄積している状態なので、ここからは業務の効率やスピードをアップさせる方向にこのデータを活用していきたいと考えています。
コムデック
引き続きIT担当者の中川さんと、各部署の担当者の方がそれぞれ業務改善に取り組んでいかれるということですね。
お忙しい中ありがとうございました!
IT担当者の中川さんと自部署の業務改善を積極的に進める責任者の方々により、生産性が大きく向上した株式会社来夢さまなら、新たなテーマにもじっくりと取り組むことができるでしょう。
株式会社来夢さまのkintoneやデータを活用した今後の発展が楽しみですね!
株式会社来夢さまのkintone導入におけるポイントは以下の通りです。
- 導入中期でIT担当者がkintoneを扱えるようになってきたら、次は各部署に責任者を作る
- 責任者に自分の部署の業務改善を担ってもらうことで、よりその業務に寄り添ったアプリを作ることができる
- 定期的な打合せの時間を設けることで、各部署の業務改善を促す
- わからないことは各部署の責任者全員が入ったチャットで共有し、疑問を改善していく記録を残す
株式会社来夢さま、ご協力ありがとうございました!
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