kintoneの売上管理で目標とプロセスを見える化!|農機具販売・整備業 株式会社ナリッシュさまのアプリ開発事例
売上管理や予実管理は、経営陣だけでなく現場の従業員にも共有し、組織全体で同じ目標に向かって進んでいくことが理想です。
しかし、「事務部門は今期の売上目標を知らない」「営業部門でも組織全体の進捗率は把握していない」という状態の企業も多いのではないでしょうか。
目標を達成するためには、従業員1人ひとりがリアルタイムで数値を把握し、目標達成に向けて日々の行動に落とし込んでいくことが大切です。
そこで今回は、売上に関するKGI・KPIの管理をkintoneの標準機能と無償プラグインのみで実現した株式会社ナリッシュさまの事例を紹介します。
目標に対する従業員の意識を高めたい、売上管理をリアルタイムで行いたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。
目次
売上を可視化して、従業員の数値に対する意識を高めたい!
株式会社ナリッシュさまは、三重県亀山市で農機具の販売や修理を行う企業さまです。
昭和26年創業の老舗で、「良いものを最善のサービスと共に!」を経営理念に掲げ、地域に貢献されてきました。
株式会社ナリッシュさまは情報管理のIT化にも積極的に取り組まれており、これまでに、kintone(キントーン)やLINE WORKS(ラインワークス)を導入され、業務改善を進めてきました。
過去の導入事例についてはこちらの記事で詳しく解説しています!
▼LINE WORKSで社内の情報共有は激変する| 農機具販売・整備業 株式会社ナリッシュさまの事例[前編]
そんな株式会社ナリッシュさまでは、売上管理についてある課題を感じていました。
売上の予実管理は基本的に社長が行っているため、従業員は今期の目標や現在の進捗を把握できていなかったのです。
状況がわからなければ、達成するためには何をしなければならないのかを考えることは難しく、実際に行動に起こすこともできません。
社長だけでなく、従業員もリアルタイムで予実管理ができるようにすることで、数字をもとに今やるべきことを考えて行動できる人材を育てたいと考えた株式会社ナリッシュさま。
すでに活用しているkintoneは売上管理にも適したツールのため、今回はkintoneの標準機能や無償のプラグインを使って、なるべく費用をかけずに売上管理ができる仕組みを構築することにしました。
売上管理でよく聞く「KGI」「KPI」とは
売上管理においては、よく「KGI」「KPI」という2つの指標が使われます。
「KGI」とは「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」と言います。
企業が一定の期間で最終目標とする指標のことで、部署に関係なく全員で達成を目指す数字です。
具体的には、売上高や利益率、成約数、市場シェアなどが設定されます。
一方「KPI」は「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と言います。
最終目標であるKGIを達成するために、適切なプロセスが実施できているかを評価するための指標です。
例えばKGIを「年間売上1億円を達成する」と設定した場合、KPIでは「新規顧客を毎月10件獲得する」や「リピート率を50%にする」などが設定されます。
このように、KGI・KPIを設定することで、組織全体が同じ目標に向かって協力できるのがメリットです。
数字で表すことで成果を定量的に評価でき、改善点も特定しやすくなります。
KGI・KPIを達成するためには、リアルタイムで正しい数字を把握して、従業員1人ひとりが日々の業務に反映していくことがポイントです。
kintoneで追加の費用をかけずに売上管理をする方法
株式会社ナリッシュさまでは、次の4つのステップでアプリ開発を進めました。
- 大事な指標を見える化する
- KGI・KPIを管理するために必要な情報を考える
- kintoneの標準機能で管理する方法を考える
- 従業員がきちんと情報更新できる仕組みを作る
それぞれについて、詳しく解説します。
大事な指標を見える化する
はじめに大事な指標、つまりKGIとその達成に必要なKPIを検討して見える化していきます。
株式会社ナリッシュさまでは、年間売上をKGIに設定しました。
さらに、KGIを達成するために必要なKPIを2つ設定しました。
1つめは「修理技術の向上」です。
kintoneに修理の記録をしっかり残すことで、情報共有して技術力の底上げを図ります。
2つめは「接客の向上」です。
こちらもkintoneで案件管理をすることで、抜け漏れの防止を目指します。
現在はお客さまから依頼いただいた修理等の管理が個人に委ねられているため、「あれどうなってる?」という状況確認の問い合わせが月に10件ほどありますが、これを2件以下に減らすことで、顧客満足度を向上させたいと考えました。
将来的にはより収益性が高く、お客さまにとっての付加価値も高いサービスを増やせるようになることが理想です。
新規顧客の獲得や既存顧客への新規サービス提供にもつなげていきたいと考えています。
KGI・KPIを管理するために必要な情報を考える
KGI・KPIが設定できたら、これらを管理するために必要な情報を洗い出します。
株式会社ナリッシュさまの場合は、最終的な売上目標や、期間中の経過日数に対する売上目標、売上実績などが必要です。
さらに、企業全体の合計を把握するだけでなく、年間・月間の数字や部署別の数字など、さまざまな切り口で分析できる仕組みを目指します。
kintoneの標準機能と無償プラグインで管理する方法を考える
今回のアプリ開発では、kintone対面開発で、売上管理に必要な項目やレイアウトを相談しながらアプリを作成していきました。
例えば売上実績については、もともと使用している基幹システムで集計されているため、集計した金額と経過日数を事務担当者が毎日kintoneに入力することにしました。
ここでは、一覧上で入力できるようにするため無償プラグインを利用しています。
入力された数字をもとに、ひと目で全体の進捗率が分かるようグラフ化したものがこちらです。
売上目標=赤、経過日数に対する売上目標=青、売上実績=緑で表示しています。
このグラフ化は標準機能で行っています。
従業員がきちんと情報更新できる仕組みを作る
最後に、従業員がきちんと情報を更新できる仕組みも作りました。
株式会社ナリッシュさまでは、担当者ごとに毎日の作業と目標時刻を決めて、日報で作業実績と確認時刻を報告することにしました。
登録漏れがあると、次の日に分かる仕組みになっています。
さらに、「行動習慣管理アプリ」を作成し、目標通りに作業ができたかどうかも見える化しました。
先ほどの日報に実際に作業した時刻を入力するとOK・NG判定が出るため、達成率80%を目標に取り組んでいます。
kintoneで売上管理をするメリットとは
kintoneなら、標準機能と無償プラグインのみでもKGI・KPIの管理ができます。
最終的な売上目標に対して実績がいくらなのか、計画では現時点でいくら達成していなければいけないのかが、視覚的に分かるようになるのがメリットです。
また、株式会社ナリッシュさまでは、日報でも従業員の日々の行動を評価できる仕組みも構築したため、1人ひとりが業務にかかる時間をより意識できるようになりました。
入力する手間はあるものの組織全体の意識改革ができているため、手間をかけるだけの価値があったと言えます。
kintoneで売上管理を「見える化」しよう!
売上管理では、KPIをいかに上手く設定し、活かしていくかが重要となります。
株式会社ナリッシュさまも、今回構築した環境を活かしながらKPIを元に従業員の評価を見直し、成長を促すことで組織一丸となってKPI達成に取り組んで行きたいということでした。
株式会社コムデックでは、お客さまの課題をお聞きして、目の前でアプリを構築する「kintone対面開発」を行っています。
対面で開発することにより、必要な項目や使いやすいレイアウトをその場で決められるのがメリットです。
「従業員の数字に対する意識を高めたい!」とお考えの企業さまは、ぜひご相談ください。
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