kintoneと基幹システムを連携をして原価管理を効率化!|製造業 八州製作株式会社さまのアプリ開発事例
製造業における原価管理では、売上や材料費はもちろん、労務費や機械の稼働費などさまざまな情報の管理が必要です。
労務費等を一件一件紙からシステムに転記をしていたり、部分的なデジタル化は進んでいるものの複数のシステムからの情報を取りまとめて手入力する必要があったり、原価管理に苦労しているという企業さまも多いのではないでしょうか。
原価管理に必要なデータを都度手動で入力・集計するのは非常に時間がかかり、ミスも起きやすくなってしまいます。
今回の記事では、kintoneと基幹システムを連携し、原価管理の工数削減に成功した八州製作株式会社さまのアプリ開発事例を紹介します。
「原価の集計・分析業務に課題を抱えている」「リアルタイムで製造原価の数字を知りたい」という企業さまは、ぜひご覧ください!
目次
案件ごとの原価は手作業で集計…手間と時間を削減したい!
八州製作株式会社さまは、岐阜県羽島市に本社を構える製造業の企業さまです。
自動車部品をはじめとする金属製品を作るときに必要なアルミダイカスト金型を製造しています。
設立から60年の歴史があり、設計から製作、メンテナンスまで一貫できるのが強みです。
そんな八州製作株式会社さまでは、紙中心だった情報管理をデジタル化するためにkintone(キントーン)を導入されています。
▼kintone導入は伴走支援の活用がおすすめ!課題の洗い出しで業務フローの改善も実現
八州製作株式会社さまでは、kintoneの導入以降「原価管理のkintone化」を目指して案件情報や日報といった情報をkintone化してきました。
というのも、kintone導入前の八州製作株式会社さまでは、案件単位の原価管理を行うために紙の日報を基幹システムに手入力しており、多大なコストがかかっていたからです。
案件管理や日報をkintone化したことで、原価管理に必要な情報の一部はデジタル化されました。
しかし、仕入の情報や原材料の情報は未だ基幹システムの中。
そのため、基幹システムから出力した情報を案件毎に集計し、工数はkintoneの日報から集計して手動で原価管理を行う必要があり、かなりの工数がかかっていました。
集計した後で日報の入力漏れが発覚したり、数値の修正が入ったりすると、また手作業で集計をやり直さなければならず、厳密な原価管理ができません。
また、この方法だと原価を算出できるのは実際の業務からしばらく後になるため原価をリアルタイムで把握できず、経営判断にも遅れが生じるだけでなく現場のコスト意識が高まらない原因にもなっていました。
「原価集計の工数を限りなくゼロに近づけたい」「正確な原価集計をリアルタイムでできる仕組みを構築したい」「現場のコスト意識も高めて、現場主導で改善を進めてほしい」といったご要望を実現するためには、今基幹システムで管理されているデータをkintone側に連携してくる必要があります。
しかし、八州製作株式会社さまが利用されていた基幹システムはkintoneと連携することが難しく、CSVでの書き出しや取り込みも厳しいということがわかりました。
そこで、八州製作株式会社さまでは思い切って基幹システムを「コムデック販売管理システム」に入れ替え!
コムデックの販売管理システムなら、kintoneとも比較的柔軟に連携することができます。
原価集計のルールを整理しながら、基幹システムとkintoneを連携
kintoneに加えて、基幹システムの入れ替えも完了した八州製作株式会社さま。
次のステップである基幹システムとkintoneの連携は、次のような流れで進めていきました。
- 原価集計の方法を洗い出す
- 集計に利用するデータの参照元を整理する
- 基幹システムとkintoneをリアルタイムで連携する
- kintoneにすべての情報を集約する
- 原価集計ロジックを構築する
- 試行運用をする
- イレギュラーパターンの対応や、より正確な原価管理のために仕分科目の見直しをする
システムを連携する前に、まずは現在の手作業による集計がどのように行われているのか、どこのデータを参照しているのかなどを確認しました。
新しいシステムを導入したり連携したりする際は、ついつい「早く稼働させよう」と考えがちですが、下準備として現状を整理しておくことが重要です。
この時点で業務のムダや穴に気付ければ、業務フロー自体を効率化することができます。
次に、システムを連携して情報をkintoneに一元化し、集計作業を自動化するためのロジックを構築しました。
kintoneはあらゆる業務アプリを作れる便利なツールですが、実は複数のアプリをまたぐ集計は苦手分野。
そこで今回は、集計処理を自動化するためのプラグインkrewData(クルーデータ)を使うことにしました。
krewDataを使えば、プログラミングの知識がなくてもパズル感覚で集計フローを作成できます。
システムの連携と集計ロジックの構築ができたところで、実際に運用してみながら、イレギュラーパターンの対応や細かい調整を実施。
こちらが実際にkintoneと連携をしているコムデック販売管理システムの売上伝票です。
登録すると伝票番号をキーとしてkintoneに自動で登録され、左上のkintoneアイコンからkintoneに登録されたレコードに遷移することができます。
連携したのは売り上げのデータだけではなく、仕入れの情報も自動でkintoneに登録されるようになりました。
現場の声を聞きながら、イレギュラーな登録にも対応できる仕組みを構築
今回のアプリ開発では、苦労したことが大きく2つありました。
1つは、原価集計ロジックの構築です。
基本的なルールの設定までは順調に進んだのですが、いざ試行運用を開始すると、ルールに合致しないイレギュラーな登録が多いことが分かりました。
イレギュラーな登録があるたびに自動集計にエラーが生じるため、その都度新しいルールを設定したり、調整したりするのが大変でした。
もう1つの苦労した点は、情報管理が紙からデジタルになることに対する現場の温度感です。
紙での情報管理に慣れている人の中には、デジタル化に抵抗感を示す方も一部いらっしゃいました。
原価集計ロジックが調整できるまでは使い勝手も良くなかったため、「これでは集計できない」という声もありました。
「今までのやり方が変わってしまうのは面倒だ」と感じるのは自然なことなので、このような反応は無理もありません。
ただ、kintoneを使っていくうちに慣れて、便利さが実感できたことで、抵抗感は徐々に解消されていきました。
最終的にkintoneから出力される原価集計表はこれまで紙で管理していた時と同じ形にすることで、抵抗感を下げていることもポイントです。
kintoneで原価管理をするメリット
今回、八州製作株式会社さまでは、基幹システムとkintoneを連携したことで、案件ごとの原価集計にかかる時間がゼロになりました。
集計作業に費やしていた時間が浮いたことで、本来の「売上を上げる業務」や「原価を下げる業務」に集中できるようになったのです。
また、リアルタイムで正確な原価率や利益率を把握できるようになったことで、現場レベルでも「原価率を〇%に抑えよう」「少しでも利益を大きくしよう」という意識が高まったこともメリットです。
一方で、前述の通り「紙からデジタルへの移行」に抵抗感を感じる人がいたことも事実です。
新しいツールを導入したり、やり方を変えたりするときに、現場のスタッフに対してただ「こうしてください」と結論だけを伝えるのは良くありません。
導入の目的や、それによってどのような効果が得られるのかなど、会社としての想いや、導入によるメリットを丁寧に説明していくことが大切です。
kintoneと基幹システムの連携で、迅速かつ正確な原価管理を実現しよう!
kintoneは、基幹システムをはじめとする他のシステム・サービスと連携したり、拡張機能を使ったりすることで、さらに便利になるツールです。
基本的なアプリ開発であればプログラミングの知識がなくてもできますし、私たちのような専門業者にご依頼いただくことで、個々の企業さまにフィットした高度なカスタマイズもできます。
今回ご紹介した八州製作株式会社さまは、原価管理の効率化が実現できたので、今後は作業工程やスケジュールなど生産管理の効率化に取り組みたいとのことでした。
株式会社コムデックでは、お客様のお悩みをお聞きして、その場でkintoneアプリを構築する「対面開発」を行っております。
対面開発は、次のような企業さまにおすすめのサービスです。
- 社内にITに強い人材がいない
- IT担当者はいるが、既存の業務に手いっぱいでkintoneの開発をする時間がない
- 自社の業務フローが複雑化・属人化しすぎていて、システム化できる気がしない
- 導入後にきちんとメンテナンスできるか心配
上記のようなお悩みをお持ちの企業さまにも、対面で丁寧にヒアリングを実施し、必要に応じて業務フローの見直しからご支援させていただきます。
また、開発の過程も一緒にご覧頂くことで、メンテナンス方法も習得でき、今後のアプリ開発を自社で内製化できるようになることも、対面開発のメリットです。
紙やエクセルでの情報管理から脱却したい方、業務を効率化したい方は、お気軽にお問合せください。
kintone導入の効果やコムデックの支援について、お客様に率直な感想をお伺いしたインタビューを公開中!是非ご覧ください。
経営者目線を持ちながらも、現場とコミュニケーションを取って一緒に最適解を模索してくれる。これが伴走支援か、と思いました。
八州製作株式会社さま
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