新規顧客獲得と既存顧客満足度向上を後押しするIT活用とは?
コムデックでは、四か月に一回、弊社のお客様向けに「DX担当者勉強会」を開催しています。
DX担当者勉強会では、人時生産性の向上や新規市場の開拓、新しい商品・サービスの開発、お客様のファン化、従業員満足度の向上、賃上げ等に取り組みたい企業様が、それらを通じて「良い会社作り」を目指すための考え方や手段をお伝えしています。
第25回となる今回は、中小企業の安定や成長に必須である「新規顧客獲得」や「顧客満足度向上」のためのIT活用についてお話ししました。
新しいお客様・案件をいかに獲得するかは企業の永遠の課題です。
受注率を高めるためには、新しくお問い合わせをいただくための施策はもちろん、お問い合わせをいただいてからのお客様とのやりとりがポイントとなります。
実際にコムデックがマーケティングオートメーション(MA)ツールを使ってみたリアルな所感や活用ノウハウもお伝えしていますので、案件獲得や営業管理を改善したい、もっと新規のお客様を取っていきたいと考えていらっしゃる企業さまは是非ご覧ください!
目次
中小企業の課題あるある:顧客獲得できていますか?
社内でkintoneを導入し、業務のデジタル化やクラウド管理が進んでいる企業さまが増えています。
業務改善により、手戻りの減少やアウトプット水準の安定、ロス減少によるコストダウンなどを実現されている企業さまも多いことでしょう。
ただ、これはあくまで「社内」の話。
それだけで事業が安定する、受注や顧客が増える、というわけではありません。
デジタル化の結果リアルタイムで集計できるようになったデータを見てみると、「顧客数が少ない」「単価がバラバラ」「売り上げが安定しない」などの課題が浮き彫りになることも。
これらの「中小企業あるある」ともいうべき課題の要因は、「新規顧客獲得ができていない」ことと「既存顧客のリピートが予測できていない」ことの2点。
業種にもよるかもしれませんが、新規顧客獲得と既存顧客のリピート獲得は事業の安定や企業の成長に欠かせない要素です。
しかし、実際には中小企業でこれを継続して実現できているところは多くありません。
では、どうすればこの2点をクリアできるのかというと、先ほど述べたような「社内の改善」の取り組みだけでは不十分です。
当たり前ですが、市場や顧客のニーズをしっかり掴み、その上でもっと自社の魅力を発信することで「ニーズと自社の魅力の結びつけ」を推進していく必要があります。
例えば、多くの企業では顧客リストを持っていますが、この顧客リストを「お客様のニーズを把握する」「お客様の満足度を上げる」ために活用できていますか?
DMや年賀状の発送用になっていないでしょうか。
顧客リストを活用し、各顧客のニーズの把握や今後の展開予測を立てられる状態になっていると、顧客からの要望にスムーズに対応でき、信頼感アップに繋がります。
ここからは、具体的に「自社が持っている情報を活用して収益に転換する方法」を、コムデックの事例と共にご紹介していきます!
重要なのはお客様の特定化と多数化!
そもそも、「新規顧客を獲得できて、なおかつ既存のお客様からのリピートをいただける=満足度が高い会社」を作っていくために重要なことは、以下の4つだとコムデックは考えています。
- 商品やサービスのスムーズな提供
- 能動的なアプローチで新規顧客やリピート顧客の獲得
- 顧客のニーズや課題を特定できている(特定化)
- 自社の魅力の認知度を高める(多数化)
1と2は当然として、3の特定化と4の多数化とは何なのか、具体例で解説します。
簡潔に言うと、特定化とは「お客様との関係性を深掘りするための施策」、多数化とは「より多くのお客様に自社の製品・サービスを届けるための施策」です。
地方スーパーは顧客数が多い一方で、個別の顧客のニーズに細かに合わせた対応はしていません。
認知度を高め、顧客を増やして展開します。
もちろん、ターゲットを絞った商品ラインナップを検討したり、立地を工夫したりといったやや広い「特定化」には取り組んでいますが、あくまで「多数化」重視と言えます。
一方で中小企業は、スーパーのような多数化重視の業態よりは顧客との関係性がやや特定的です。
しかしその分、顧客の数を増やすことが難しかったり、対応によって満足度や単価にバラつきがでやすいという特徴があります。
つまり、中小企業の多くは「特定化」には取り組めているケースがあるものの、「多数化」には弱いと言えるでしょう。
顧客の特定化 (顧客との関係性) |
顧客の多数化 (顧客の数) |
・顧客ニーズを把握している ・自社にあった顧客を理解している ・データから判断して提案できる |
・自社の情報を届ける:集客の仕組み ・多くのリクエストにこたえる:接客の仕組み |
何故この特定化と多数化が重要なのかと言うと、「自分たちで値段を決める」、つまり「自分たちにとって必要な利益を確保する」ためには両方の要素が不可欠だからです。
メーカーによる値上げラッシュの昨今ですが、我々のような中小企業や地方スーパーが値上げを実現することは簡単ではありません。
闇雲に値上げをしても顧客は離れていってしまいます。
しかし、新しいお客様を獲得できていて、なおかつお客様が求めているものを提供できていれば、値上げをしても顧客の離脱は発生せず、自社の成長に繋げることができます。
中小企業が値上げするためには、「顧客の特定化」と「顧客の多数化」が不可欠であり、それによって企業としても正しい値決め感を持つことができるのです。
特定化と多数化、両立のヒントはAmazonにあり?CRMを活用しよう
では、中小企業が新規顧客を増やしたり、顧客との関係性をより強固にしてしっかりと顧客を捉えたりするためにはどうしたらいいのでしょうか?
中小企業における「顧客特定化」「顧客多数化」のための取り組みを考えるヒントはAmazonやNetflixなど、近年会員数を伸ばしているサービスにあります。
AmazonやNetflixは、Webを介して多くの情報発信をし、世の中に自身の強みや魅力をアピールしています。
それだけではなく、Webサービスならではのレスポンス(発送)の速さや、購入・閲覧履歴から顧客ごとにパーソナライズされたリコメンドがされるなど、データに基づいて能動的にアプローチしています。
これにより、「顧客との関係性」も「顧客数」もアップしていく仕組みができているのです。
顧客との関連性 | 顧客数 | |
中小企業 | △ | △ |
地方スーパー | ✕ | 〇 |
ECサイト (例:Amazon) |
◎ | ◎ |
AmazonやNetflixはこれらを「CRM(Customer Relationship Management・顧客関係管理)」で実現しています。
CRMは新規顧客獲得と既存顧客の満足度向上に影響するツールであり、CRMをしっかり活用できる企業とそうではない企業で、得られる利益が2倍の差になるとも言われているのです。
「大企業だからできるんでしょ?」と思われるかもしれませんが、中小企業でもCRMは可能です。
CRMを活用することで新規顧客獲得や既存顧客の満足度向上が実現し、「顧客の特定化」と「顧客の多数化」を両立した顧客獲得が可能になります。
実際にコムデックが見てきた事例として、CRMを活用することでお客様からの要望にすぐ対応できるようになった、先回りして準備ができることで信頼感がアップした、という効果も出ています。
WEBマーケティングとCRMの合わせ技で新規顧客を獲得しよう!
コムデックもCRM活用に取り組んでおり、WEBマーケティングを中心に新規顧客の獲得を実現しています。
WEBマーケティングのメリットは、なんといっても顧客ニーズの把握がしやすいこととデジタルツールの改善スピードの速さ。
顧客がいわゆる「やや特定少数」だった2015年から、顧客が増え始めて「やや特定多数」になった2018年~2022年までに実際にコムデックが行ってきた「顧客の特定化」と「顧客の多数化」の取り組みをまとめたのが以下の表となっています。
2018~2022の施策
施策 | 目的 | 目的詳細 | 課題 | KPI |
Imadoki※ (メルマガ) |
特定化 | 既存顧客に自社の推しや活動を知ってもらう (オススメサービス、活用方法、セミナー、イベント、時流) |
見てくれているのか、どこに興味があるのかわからない | アップセル クロスセル |
IT活用戦略 セミナー |
多数化 | 新規顧客の獲得 既存顧客へ新サービス提案 |
集客が弱い 営業過多 業務の集中 |
参加数 |
担当者 勉強会 |
特定化 | 既存顧客へ新サービス提案 既存顧客のフォロー |
集客ができていない | 参加数 |
オウンド メディア |
特定化 | 既存顧客にクラウドサービス活用の成功事例を届ける | 記事作成スピードだ遅い、誰が見てくれているのかわからない | PV数 |
※Imadokiは月1回発行している広報誌・メルマガ
今振り返ると特定化の取り組みが多いことが分かります。
それぞれの取り組みに関するデータ、例えばIT活用戦略セミナーに誰がどれくらい参加してくれたのか、オウンドメディアを見てくれているのは誰なのかといった情報を管理し、改善に繋げていくことがCRMです。
コムデックでは、お客様との関係をどのように把握しているかというと、全てkintone(キントーン)でデータを記録・集計し、その変化を見られるようにしています。
例えばこれは、オウンドメディアの記事がどれくらい見られたのか、どれくらいの人がオウンドメディアに来てくれたのかといった数値をkintoneで見える化したものです。
コムデックのCRMについては、こちらの記事でも詳しく解説しています!
▼kintoneで営業管理を実現するkrewDashboard活用術
しかし、コムデックも最初からここまでのことができていたわけではありません。
2018年~2022年は、取り組みに対する結果を集計はしているものの、改善のためには活用できていない状態でした。
CRMのデータをもとに改善のためのPDCAを回し、会社のフェーズが変わるにつれて目的を変え、それに沿った内容へとアップデートすることで、コムデックの取り組みは2022年以降以下のように変化していきました。
2022~の施策
施策 | 目的 | 目的詳細 | 変化 | KPI |
Imadoki※ |
特定化 | 既存顧客に自社の推しや活動を知ってもらう (オススメサービス、活用方法、セミナー、イベント、時流) |
誰が開封したのか、誌面のどこまで読んでくれたのかがわかるようになった | 開封率 |
IT活用戦略 セミナー |
特定化 | 既存顧客と良い会社作りを勉強する場 | 集客→定番イベント 営業過多→関係構築 業務の集中→分散 |
リピート |
担当者 勉強会 |
多数化 | 競合との差別化 自社の強み |
集客力アップ 過去(振り返り)と未来(今後) 掲示板(コミュニティ) |
参加数 |
オウンド メディア |
多数化 | クラウドサービスに興味がある中小企業に情報を届ける | SEO対策 GA解析 社会的意義 |
回遊率 問い合わせ数 |
YouTube | 多数化 | kintoneに興味がある中小企業に情報を届ける | 権威性 ファン化 |
問い合わせ数 メンバーシップ |
※Imadokiは月1回発行している広報誌
2022年以前は多数化、つまりは新しいお客様や案件獲得のための取り組みだったIT活用戦略セミナーですが、2023年からは「既存のお客様との関係性構築」に重点をずらし、それに伴って催しを大幅に変化させています。
また、元は特定化の取り組みとして始まったオウンドメディアも、メディアの成長と共に多くの方に見てもらえるメディアになったことがデータから判断できたため、多数化の取り組みへと変化。
掲載する記事も事例だけではなくノウハウも増やしたり、記事中のバナーも目的に合わせて変化させたりしています。
さらに、以前は特定化の取り組みが多かったコムデックですが、新たな多数化の取り組みとしてYouTubeチャンネルを本格的に始動。
YouTube(動画)はとにかくたくさんの情報を届けられるというメリットがあるため、多数化に向いているツールと言えます。
このように、コムデックでは様々な媒体(WEBマーケティング)を通して顧客の多数化と特定化に取り組んできました。
CRMの活用によって多数化の取り組みは仕組み化し、お客様とのやり取りは関係構築、つまりは特定化に全振りすることができるようになったのです。
IT活用によって顧客の特定化・多数化を目指しましょう!
今回は、中小企業が安定、成長していくために欠かせない「新規顧客獲得」「顧客満足度向上」について、どうITを活用していくことができるか、事例を交えてお話しました。
コムデックも最初から全て上手くいっていたわけではなく、数年にわたってCRMを活用してオウンドメディアやYouTubeの使い方を試行錯誤していくなかで、認知度アップや既存顧客のリピート率アップを実現してきました。
このノウハウ活かし、コムデックが経験から学んだことを皆さんにもぜひサービスとして提供すべく、メディアを使った顧客獲得ノウハウを提供できるサービス「DXart(デザート)」をスタート!
WEBマーケティングを通じた新規顧客獲得や、既存のお客様の満足度向上からのリピート獲得、CRM活用等に取り組みたい方は一度ご相談ください!