krewDashboardで脱エクセル!kintone活用で案件管理の集計を自動化|建設業 カエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまのアプリ開発事例
案件や売上の状況は、企業を経営していく上で常に最新の状態で把握しておきたい情報です。
しかし、それらをエクセルやスプレッドシートで管理している場合には、集計に手間がかかるためリアルタイムで確認できないという課題を抱えている企業さまも多いのではないでしょうか。
案件やそれに紐づく売上をエクセルで管理していると、会議が近づくたびにメンバーに入力を促し、手で集計したり、データを切り貼りしたりして資料を作成しなければならず、手間がかかります。
また、集計のミスも起きやすく、リアルタイムの数値が把握できないこともデメリットです。
このような課題は、kintoneで案件管理を行うことで解決できます。
今回の記事では、案件管理をkintone化し、売上集計の自動化を実現したカエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまの事例を紹介します。
目次
エクセルの売上集計は手間がかかる…集計作業を自動化したい!
カエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまは、北海道を中心に内装工事や電気工事、電気通信工事などを手掛ける企業さまです。
従来の設計・建設会社の枠にとらわれず、WEBサイトやビジネスツールも作成するなど、幅広いサービスを提供されています。
さまざまな案件を抱えるカエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまでは、これまでSFA(営業支援システム)を使って案件管理をされていました。
しかし、使用しているSFAの分析機能ではカエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまの求める形で受注額や利益額を集計できなかったため、データを一度出力し、エクセルに貼り付けて集計する必要があったのです。
営業会議は毎週月曜に行われるため、週末は夜まで資料作成に追われます。
実際にカエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまが作っていた資料がこちらです。
縦軸に部署とメンバー、横軸に月ごとの売上や粗利の予実を並べた大きな一覧表に、1件ずつ数値を貼り付けていく…といった地道な作業が必要でした。
当時カエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまが実施していた案件管理と売上集計の課題は以下の通りです。
- SFA内で管理している案件管理から直接集計できない
- 集計作業に時間がかかる
- 手入力なので、意図せず数式が壊れてしまったり、コピー&ペーストがずれてしまったりする
- メンバーが入れ替わるたびに、表全体を整えなければならない
- リアルタイムの数値は把握できない
エクセルは確かに便利なソフトですが、ここまで手間がかかると資料作りそのものが目的になってしまい、データ分析や状況判断に注力するのが難しくなります。
そこでカエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまは、集計の手間を無くしながらより精度の高い分析をすることで、経営の意思決定に活かしたいと考えました。
それに伴い従来のSFAの切り替えも必要となりますが、その上で重視するポイントは以下の2点です。
- 従来のSFAと比較したときに、使いやすさは維持したい
- 従来のSFAよりもコストを削減したい
今回は、データの「見える化」が得意で拡張機能も豊富なkintone(キントーン)を活用することで、カエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまの理想とする環境を実装していくことになりました。
数値の意味や反映のタイミングを1つずつ確認しながらkintoneに移行して、krewDashboardで一覧表示
カエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまでは、案件管理のkintoneへの移行を次のようなステップで進めていきました。
- 現状の顧客・案件管理の仕組みを理解する
- 必要な情報がどこにあるのかを整理する
- 見たい指標が適切か、仕組み上の問題がないかを確認する
- 実装する
- データを移行する
各ステップを詳しく解説していきます。
現状の顧客・案件管理の仕組みを理解する
まずは、集計の元となるデータ、つまり顧客管理や案件管理の現状の仕組みを詳しく理解することからはじめました。
「案件管理のどのステータスになったら、どの項目の数値が集計表に反映されるのか」
「粗利や原価に『A』と『B』に分かれた項目があるが、それぞれの違いとそれらと集計表にはどのような関係があるのか」
といったことを確認して、どんな情報がkintoneに必要なのか、またどのように集計を行えば良いのかを整理していきました。
必要な情報がどこにあるのかを整理する
次に、現状の売上管理は「いつ・誰が・どのツールに」数値を入力しているのかを整理しました。
これにより、kintoneでの運用フローもなるべく従来の形に近づけることができます。
見たい指標が適切か、仕組み上の問題がないかを確認する
kintoneで従来の集計表を再現するにあたり、見たい指標は「受注目標額」や「売上(粗利)実績」、「売上(粗利)達成率」などの指標は必須となります。
カエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまでは、これに「案件名」や「完工予定日」、「進捗」なども加えることにしました。
また、従来のエクセル資料では、入力された数値を表のどこに計上するかは最終的に人間が判断していました。
しかし、kintoneに移行すると自動集計になるため、集計するためのルールを明確にする必要があります。
例えば、ステータスが「受注」になったときの請負金額は、いつ時点の見積金額が反映されるのか、といったことを確認し、自動集計の仕組みに反映させました。
アプリを作成してダッシュボード化
案件管理と売上集計に必要な項目と仕組みが整理できたところで、今度はkintoneに実装していきます。
まずは「顧客管理アプリ」や「案件管理アプリ」を作成しました。
次に、必要な情報がひと目で分かるダッシュボードを作成します。
カエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまでは、kintoneのプラグイン「krewDashboard(クルーダッシュボード)」を使うことにしました。
krewDashboardは、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で、誰でも簡単にダッシュボードが設定できるプラグインです。
棒グラフや折れ線グラフの他、散布図やレーダーチャートなど10種類以上のグラフを使って、あらゆるデータを可視化できます。
ダッシュボードの作成については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼kintoneのダッシュボードとは?作り方・使い方を事例とともに解説
データを移行する
最後に、SFAで管理していた情報をkintoneに移行します。
kintoneの集計結果が従来のエクセルの数値と一致するかどうかを確認し、問題なければ完了です。
属人的だった集計作業は、要件定義をコツコツ修正しながら自動化を実現
今回の開発で苦労した点は、属人的だった集計作業をkintoneで自動化することでした。
従来のエクセル集計では、案件ごとに「この売上は今月計上」「この売上は来月計上」という風に、集計表上のどこに反映すべきかを人間が判断していました。
しかし、集計をシステム化するためには「この場合は今月、この場合は来月」といった明確な要件定義が必要になります。
要件定義は業務フローや運用フローとも深く関わるため調整は難航しましたが、「1回で完璧な要件を設定するのは難しい」と判断し、運用しながら修正を繰り返すという方法を選択。
はじめに大まかな集計ルールを設定し、kintoneで集計してみます。
そこでエクセルによる集計結果との差異を検証し、原因を突き止めて集計ルールを調整する、といったサイクルを回すことで徐々に完成に近づける方法です。
この方法は実務に即している反面、自動集計のためにイレギュラーをつぶすことが目的になってしまいがちなのが難点です。
イレギュラーは今後も起こりうるため、完全に無くすことは目指さず、あくまで「全体像を早く・正確に把握して、対策をとること」をゴールにして集計設定を進めました。
kintoneで案件管理を行うメリットは?ダッシュボードで予実管理も自動化!
カエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまで実際に構築したダッシュボードがこちらです!
カエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまでは、kintoneで案件管理をすることで次のようなメリットがありました。
- 会議資料作成の手間がゼロになった
- これまでは毎週月曜の営業会議でしか分からなかった数値が、日次で確認できるようになった
- ダッシュボード化したことで、予実の全体像がひと目で分かるようになり、迅速な経営判断ができるようになった
ただし、kintoneへの移行がすべて簡単に進んだわけではなく、集計を自動化するために案件管理のステータスを整理して、新たなルールを運用し始めた際、一時的に社内が混乱する場面もありました。
はじめのうちは新旧のルールを混同してしまう方もいらっしゃいましたが、根気強く説明を繰り返すことで対応しました。
また、慣れるまでは誤って入力されることを前提に、余裕を持ってスケジュールを組むことで、混乱を最小限に抑えられました。
kintoneの案件管理で売上集計コストがゼロに!
カエル・デザイン・プロジェクト株式会社さまでは、kintoneで案件管理を行うことで、会議資料の作成コストがゼロになり、データ分析の精度も向上しました。
今後は案件ごとの予算管理や実績管理、予測管理を徹底し、目標達成のためにより効果的な施策を打てるようにしていきたいとのことです。
コムデックでは、お客様のお悩みをお聞きして、その場でkintoneアプリを構築する「対面開発(開発支援・構築支援)」も行っております。
社内コミュニケーションに関するご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせください。
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