kintone×販売管理システムの連携で売上管理を効率化|広告製版業 株式会社浅野製版所さまのアプリ開発事例
多くの企業で工程管理や案件管理、販売管理のシステム導入が進んでいますが、それぞれのツールがバラバラで情報が分散している……という企業さまも多いのではないでしょうか?
システムが連携できていないと、何度も同じ情報を入力したり、あちこちからデータを集めて資料を作ったりする必要があります。
そこで本記事では、kintoneと販売管理システムを連携することで、売上管理の効率化を実現した株式会社浅野製版所さまのアプリ開発事例を紹介します。
「同じことを何度も入力している」「会議資料の作成に時間がかかり過ぎる」とお悩みの方は、是非ご覧ください!
目次
案件管理と売上管理の情報を一元管理して、データ分析にも活かしたい
東京都中央区に本社を構える株式会社浅野製版所さまは、広告製版業を営む企業さまです。
新聞・雑誌広告や商業印刷類の企画からディレクション、コピー、デザイン、成果物の納品まで、幅広いサービスを提供されています。
1937年の創業以来、大手企業を含む多くのお客様の広告制作を手掛けてきた株式会社浅野製版所さまでは、作業工程管理の効率化を目的としてkintone(キントーン)を導入され、情報の一元化を実現されています。
kintoneでの作業工程管理については、こちらの記事でさらに詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
▼kintone作業工程管理でガントチャート形式の進捗管理を実現
工程管理をkintone化した株式会社浅野製版所さまが、さらなるkintone活用として取り組みたいと考えたのが案件管理と売上管理の一元化でした。
当時の株式会社浅野製版所さまでは、案件管理システムと売上管理システムはそれぞれ別のシステムを活用されており、データの連携ができていない状態でした。
そのため、顧客情報をはじめとしたマスタデータはシステムごとに登録とメンテナンスが必要となる他、案件管理システムではその案件の粗利が見えず、逆に売上管理システムでは案件の詳しい情報が見えないため、正しい意思決定が困難なことも課題でした。
そこで株式会社浅野製作所さまは、案件管理と売上管理にもkintoneを導入し、マスタ情報の二重入力を無くしながら売上や粗利をリアルタイムでダッシュボード化して経営判断に活用したいと考えたのです。
販売管理システムでkintoneとシームレスな連携を実現
kintoneで案件管理と売上管理を行うにあたり、株式会社浅野製作所さまでは従来の売上管理にあたる機能を「販売管理システム」で実現することにしました。
「kintoneではないシステムを導入するのは本末転倒なのでは?」と思われるかもしれませんが、コムデックの販売管理システムなら「コムデックkintone連携システム」を使うことでkintoneとシームレスに連携することが可能です。
kintoneと販売管理システムを連携するにあたり、まずは全ての業務を洗い出し、どの業務にどちらのシステムを使うかを決めることにしました。
各システムの役割やフローをまとめたものが、こちらの図です。
顧客情報をはじめとするマスタデータは、kintoneと販売管理システムのどちらからも登録する可能性があるため相互に連携を行います。
どちらのシステムから登録・編集しても、もう一方のシステムに反映できる仕組みにするため、次のような条件で連携することにしました。
- kintoneから販売管理システムへの連携:システム起動時または任意のタイミングで一括更新する
- 販売管理システムからkintoneへの連携:マスタを更新したタイミングで自動更新する
見積りや売上、仕入データは販売管理システムから登録するため、販売管理システムの登録時に自動でkintoneに連携されるようにしました。
見積書は販売管理システムで作成してkintoneで承認申請
見積を作成した後は上長の承認が必要となりますが、見積作成→申請→承認といった一連のプロセスは通常は販売管理システムで実施されます。
しかし、kintoneと販売管理システムを連携すれば、見積書は販売管理システムで作成し、その後kintoneのプロセス管理機能(ワークフロー機能)で承認申請が可能です。
1つの書類を2つのシステムで取り扱うことになるため、以下のような流れでご利用いただけるよう設定を行いました。
1.販売管理システムで見積書を作る
2.見積データをkintoneに自動登録し、ワークフロー申請
kintoneマークをクリックすると、kintoneアプリの該当データに遷移します。
ここからワークフロー申請が可能です。
印刷は販売管理システムからおこないますが、kintone上で承認される前に見積書を印刷しようとすると印刷画面上に赤字で警告文が表示されます。
3.販売管理システムで印刷すると同時に、kintoneへ確定版の見積情報を連携
kintoneで承認された後に印刷ボタンを押すと、kintoneに確定版の見積が登録されます。
4.承認された見積書を印刷
先ほどの赤字の警告文が消えています。
見積書を販売管理システムに登録すれば自動でkintoneにも連携されるため、スムーズな見積申請が可能となりました。
データを元にダッシュボードを作成
マスタの二重入力の問題を解決し、見積書の連携も実現できたところで、次はkintone上で売上集計ダッシュボードを構築していきました。
ダッシュボードとは、複数の集計データや分析データを1つの画面に表示する機能のことです。
kintoneでダッシュボードを作る場合、ポータル(トップページ)の「お知らせ掲示板」を利用したり、プラグインを活用したりする方法があります。
株式会社浅野製版所さまでは、「krewDashboard(クルーダッシュボード)」というプラグインを利用して、kintoneに集約されたあらゆる情報を見える化していくことにしました。
krewDashboardは10種類以上の豊富なグラフを使って、直感的な操作で簡単にダッシュボードをデザインできるプラグインです。
今回は一覧表示するデータとして、kintoneアプリの「案件管理」「香盤予定」「活動管理表」や、販売管理システムから連携した「売上」「仕入」データを選択。
ダッシュボードの作成により、案件や売上に関する情報をリアルタイムで把握できるようになりました。
ダッシュボードの作り方については、こちらの記事でさらに詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
▼kintoneのダッシュボードとは?作り方・使い方を事例とともに解説
kintoneと販売管理システムを連携するメリット
株式会社浅野製版所さまでは、kintoneと販売管理システムを連携することにより、以下のようなメリットがありました。
- 案件管理と売上管理を行うにあたり、必要な業務(マスタの登録や見積の作成、承認、集計等)をどちらのシステムで担うかという運用面の交通整理ができた
- マスタの二重登録が不要になり、作業時間が短縮できた
- マスタの連携によりメンテナンスの手間が省け、システム間の表記ゆれを防げるようになった
- ダッシュボードで売上や案件情報をリアルタイムで把握でき、迅速な経営判断が可能になった
ただし、システム連携によって課題がゼロになったわけではありません。
今回の開発では、もともとあった表記ゆれが原因で、データの完全移行は実現できませんでした。
また、販売管理システムがMac端末に対応していないため、Macユーザーのスタッフは販売管理システムを利用できない状況です。
kintoneはMacにも対応しているため、kintoneからデータを参照することで対応しています。
kinroneと販売管理システムの連携で、売上管理とデータ分析がストレスフリーに!
株式会社浅野製版所さまは、kintoneと販売管理システムの連携によりマスタの二重入力をなくし、業務効率化を実現されました。
また、ダッシュボードを作成したことで、正確な現状把握とスピーディーな経営判断も可能になっています。
今後は、ダッシュボードから得られる情報でさらなる業務改善を進めていきたいということです。
もし今御社が案件管理と売上管理、またはkintoneと販売管理をそれぞれ別のシステムで運用しているのなら、両者を上手に連携させることで様々な効果があるかもしれません。
連携にも様々な方法がありますので、まずは「どんな情報を連携(自動登録)できると便利になるのか」の検討から始めてみてはいかがでしょうか?
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