作業指示書の作成はkintoneアプリと基幹システムの連携で効率化!|製造業 株式会社小島製作所さまのアプリ開発事例
ひとくちに「製造業」と言ってもその範囲は多岐に渡りますが、多くの製造業の企業さまにおいては、製造を行うために「生産指示書」あるいは「作業指示書」を作成しているケースが多いのではないでしょうか。
基幹システムや生産管理システムから発行したり、エクセルで作成して印刷したり、はたまた紙のテンプレートに手書きで書き込んだり……各社作り方は様々かと思いますが、これらの指示書作成にどれくらい時間をかけていますか?
予定通りに製造を進めるためには指示書が不可欠ですが、「指示書の作成」自体は製造のための準備工程であり、この時間を削減することでより製造に注力できるようになります。
今回は、kintoneを活用して作業指示書の作成時間を大幅に削減した製造業 株式会社小島製作所さまのアプリ開発事例を紹介します。
「指示書の作成にかかる時間・手間に負担を感じている」「kintoneは導入しているが、指示書作成を効率化するための活用方法がわからない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください!
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株式会社小島製作所さま
目次
作業指示業務に毎日1時間かかる…工数を削減しミスも減らしたい
株式会社小島製作所さまは、名古屋市中川区に本社を構える製造業の企業さまです。
本社のほか、東京に「MCC首都圏コアセンター」、三重県に「kojima物流センター」を展開し大正8年に水栓鋳造会社として創業して以降、時代とともに事業内容を変化させながら、広く社会の水回り環境をサポートし続けておられます。
そんな株式会社小島製作所さまでは、基幹システムで受注情報を管理し、そのデータを元に作業指示書にあたる組立依頼書を発行してていました。
基幹システムから生産指示のための組立依頼書を発行する手順は以下の通りです。
- 基幹システムから受注した製品データをCSV出力
- 特定フォルダへ格納
- マクロの組立依頼書発行システムを実行
- 組立依頼書として紙で出して印刷
現場に間違いなく製造するものを伝えるためには、指示書が欠かせません。
しかし、株式会社小島製作所さまでは指示書の作成に毎日約1時間をかけており、この時間を削減できないかと考えていました。
株式会社小島製作所さまで実際に利用されていたマクロがこちらです。
指示書を作成・発行した後に受注内容が変更になることもあり、そういった場合には毎回同じことを繰り返す必要があります。
事務所と現場を行き来することもあり、無駄な時間もかかっていました。
そこで、「生産指示にかかる工数・時間を削減し、漏れやダブりもなくす仕組みをつくりたい」「直前に受注内容が変更になることもある業務フローを正しくしたい」と考えた株式会社小島製作所さまは、kintone(キントーン)を活用することにしました。
kintone×krewDataで作業指示書作成を効率化する方法
組立依頼書の作成業務を効率化するためにkintoneを導入したことで、株式会社小島製作所さまでは指示書作成にかかる工程が以下の3ステップになりました。
- 基幹システムからデータを取込
- krewDataの実行
- プリントクリエイターで印刷
まず、基幹システムから出力したCSVデータをそのまま「組立依頼書用受注データアプリ」に取り込みます。
CSVの加工や手入力の作業が不要で、データを簡単にkintone上に取り込むことが可能です。
データを取り込んだ後は、krewData(クルーデータ)を実行することでCSVのデータを分解し、これまでのマクロと同じような動きで印刷用の組立依頼書アプリにデータを書き出します。
「krewData」は、kintoneアプリ間のデータをノンプログラミングで集計できるプラグインです。
パズルをつなぐ感覚で集計コマンドを操作できるので、ITに詳しくない方でも簡単に扱えます。
組立依頼書を作成するためには、毎回たくさんのデータを取り込む必要があります。
処理するデータが多くなるとkrewDataの実行時間も長くなってしまうため、出力先の組立依頼書アプリは毎回データリフレッシュするようにしました。
すでに一度組立依頼書へデータ登録済みの引受No(生産依頼No)については、前回の取り込み時からの差分を確認して、明細に変更があるかどうかを判定する仕組みを構築しました。
これにより、組立依頼書では新規の明細なのか、変更があった明細なのかがわかるようになっています。
krewDataで出力された組立依頼書のデータがこちらです。
変更があったものについては、条件書式で背景を赤くしており、ミスや漏れがないようにしています。
レコードの詳細画面を開くと、最新の明細と変更前の明細を比較して確認することが可能です。
この仕組みの構築には時間がかかりましたが、「変更があったかどうかを分かるようにする」ことが従来のマクロから改善したい点でもあったため、生産業務を正しく実施するためにも実装はこだわって行いました。
また、先ほど「krewDataでは出力先の組立依頼書アプリは毎回データリフレッシュするようにしている」とお伝えしましたが、その代わりに過去の履歴を別アプリに保存しています。
同じ引受No.で関連レコードを表示しておくことで、変更履歴を確認できるようになっています。
これにより、もしなにか確認すべき事象が発生したときでも履歴を追いやすく、確認にかかるコストも削減できます。
プリントクリエイターで自社フォーマットに合わせた指示書の出力が可能
組立依頼書アプリに必要なデータを作成した後は、プリントクリエイターでPDFを出力し、印刷できるようにしました。
kintoneの連携サービス「プリントクリエイター」を使えば、自社フォーマットに合わせた指示書の出力が可能です。
アプリに必要な情報が集まっている状態のため、本来であればアプリを見てもらうのが最も効率が良い運用となります。
しかし、これまで紙を見て作業をしていた現場に対し、いきなりkintoneを見るように指示をしても、すぐに切り替えるのは難しいものです。
そこで、今回はあくまで生産指示側の業務改善を重視し、自社フォーマットに合わせた指示書を紙で発行することで、現場の混乱を避けることができました。
製造業で基幹システムのデータをkintoneに連携するメリット
基幹システムのデータをkintoneに連携するメリットは、データの一元化のほか、生産指示書の作成・修正業務を効率化できることです。
株式会社小島製作所さまの例を挙げれば、今回の導入・活用によって、生産指示にかかる工数が半減しました。
また、製造工程における漏れやダブりをなくせる点も大きなメリットの1つです。
無駄な作業やコスト削減にもつながります。
kintoneで製造業の業務を効率化しよう!
kintoneを活用すれば、既存の基幹システムのデータを活かしながら作業指示書の作成を効率化できます。
工数を削減できれば、コストの削減や従業員がコア業務に取り組めるといった効果も得られます。
株式会社小島製作所さまでは、今回はあくまで生産指示側の作業効率アップに重点を置き、現場サイドの紙は残したままの運用となりました。
今後、依頼書の作成を軌道に乗せることができたら、現場サイドも紙ではなくkintoneのデータをそのまま閲覧して、最新の情報をもとに作業を実施できるように展開していきたい、と考えておられます。
また、「変更があった場合にはkintoneから自動で通知する等、他の機能も活用していきたい」とのことで、まだまだkintoneの活用の伸びしろがありそうです。
「生産指示のために毎日時間と手間がかかっている…」「製造業の業務効率を改善する方法を探している」とお悩みの企業さまは、ぜひkintoneの導入をご検討ください!
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