kintoneで営業管理を実現するkrewDashboard活用術
企業が成長し利益を生み出していくためには、営業活動が欠かせません。
営業活動には、お客様からの問い合わせやテレアポによる見込み顧客リードの発生から、アポイントの設定、具体的な案件管理、商談管理、クロージングなど複数のプロセスがあります。
営業社員が個人のノートやエクセルファイルで案件管理をしており、各案件の進捗管理のために毎週会議を開いている企業も少なくないでしょう。
営業の管理職は毎週の定例会議の資料が提供されるまで営業の進捗や実績数値を把握できず、営業の現場では会議用の報告資料作成に時間をとられてしまい、本来の営業活動に集中できなくなっていませんか?
また、同じ商品やサービスを扱っている場合でも、個々人のスキルや経験に依存しやすい営業は担当者によって成果が大きく異なり、担当者が退職してしまうと顧客との関係が分からなくなってしまうといった属人化の課題もあります。
今回の記事では、kintoneを用いて各々の営業社員の顧客情報や案件情報を共有して一元管理し、営業の進捗状況をリアルタイムで把握できる営業管理システム「SFA(セールス・フォース・オートメーション)」を構築する方法をご紹介します!
kintoneで「SFAを構築したい」、「顧客管理・案件管理・商談管理を見直したい」企業様は是非参考にしてください。
目次
kintoneで営業管理を行うメリットとは?
営業担当者が個々人のエクセルファイル等で営業管理を行う運用には複数の課題があります。
まず一つ目の課題は、現場が資料作成に追われてしまうということです。
営業会議の報告資料作成や会議の出席に時間を取られてしまい、営業担当者が本来注力すべき営業業務に注力することができません。
逆に言えば、「資料作成の時間」「情報共有のための時間」を営業活動に充てることができれば、案件獲得の可能性が広がります。
二つ目の課題は、チーム間で情報が共有できていないために、本来フォローすべき案件への対応が遅れてしまうということです。
営業の管理職は、週の定例会議の資料が提出されるまで、営業の進捗や営業の実績・予算の進捗状況などを把握することができません。
大切な情報が分散してしまうため、何らかの問題が生まれていても、気付くのが遅れフォローが後手に回ってしまうことがあります。
三つ目の課題は、情報やノウハウの属人化です。
営業担当者が個人のエクセルやノートで営業管理を行っていると、顧客の詳しい情報や営業案件の進捗状況は本人にしかわかりません。
その結果、営業担当者が退職してしまうと、貴重な顧客の情報や営業ノウハウが失われ関係が切れてしまう恐れがあります。
これらの課題を解決しながら、営業活動を促進するツールとして活用できるのがkintone(キントーン)による営業管理です。
そもそも営業管理とは、顧客情報や案件情報、営業の活動状況を記録して共有するシステムを指します。
たとえば、見込み顧客のリード情報をどのような経路でいつ取得し、そのリード情報に対して誰がどのような手段でいつ接触しどのような商談をしたのか、お客様はどのような反応をしめしたのか、これらの情報をデータベースに収録して管理し、営業チーム全体で共有できる仕組みを営業管理といいます。
この営業活動のプロセスをkintoneで可視化し共有することで、営業の管理職は状況や課題を把握してスピーディーに課題解決や営業戦略の見直しを行うことができます。
また、担当者の退職で顧客との関係が分からなくなってしまうリスクを防ぎ、ノウハウ共有も行われることでチームとしての営業成績の安定化や営業活動の効率化を図ることができます。
商談記録もkintoneで!営業管理アプリの作り方
ここからは、具体的にkintoneで営業管理をおこなう方法を解説していきます!
今回は、「お問い合わせがあったお客様に対してアプローチをしていく」ための営業管理アプリを構築しました。
リード情報が発生した日(問い合わせ日)やリード情報を入手した情報獲得経路(チャネル)、会社名や担当者の役職・部署、電話番号やメールアドレス、具体的な問い合わせ内容などの営業アプローチに必要な情報を登録します。
ここまでは、「問い合わせがあった時点」で登録する内容です。
続いて、ここから先は「実際のそのお客様に行ったアプローチ」を記録していく項目になります。
まずは「次回のアクション」を記載します。
kintoneのリマインダー機能を活用し、次回アクション予定日に対してアラートを出すことで対応漏れを防ぐことができます。
その下のテーブルには、営業進捗の履歴として、誰がいつどのようなアクションを行い、どのような反応があったのか記録していきます。
テーブル形式なのでいくつでも行を増やせる他、都度工数を記録することで各業務にどの程度の時間がかかっているのか集計できます。
ここまでは「受注に向けた動き」を記録する部分ですが、アプローチが実らず失注してしまった場合でも、失注の記録をとることが重要です。
どのような要素で失注したのか、例えば価格が理由なのか製品が理由なのかタイミングが理由なのかを顧客からヒアリングすることで、商品やサービスの改善、営業施策の改善に活用できます。
kintoneのグラフ化機能でデータを自動集計しよう
営業管理に「1案件=1レコード」として登録したら、その情報を元に営業活動を支援する一覧やグラフを作るのがおすすめです。
まずはkintoneの標準機能でできることを解説していきます!
この一覧には、「当日の行動予定」として、「次回アクション予定日」が今日になっている各担当者の案件を一覧で表示しています。
絞り込み条件を「当日」にしておくことで、日付が変われば自動的に表示も切り替わります。
この画面を確認することで、朝礼での活動予定の共有時間を設けることなく、担当者は自分のやるべきアクションを確認し、管理者は誰がどのようなアクションを行うのかひと目で把握することができます。
アクションを行ったらまた次のアクション予定日とアクション内容を記入することで一覧から消込されていくため、案件のフォロー漏れを防ぐことが可能です。
お問い合わせを受注までつなげるためには、まずはお問い合わせのあったお客様とお打ち合わせをする必要があります。
そこで、営業活動をはかるKPIとして重要な「商談件数」をリアルタイムで把握できるグラフを作成しました。
月別に集計を行っているため、商談が増えた月・減った月の要因を分析することで安定した受注につなげることが可能です。
先ほどのグラフは「全体の商談件数」だけでしたが、チャネルごとに商談件数の推移をグラフ化することも可能です。
他にも、各担当者別に毎月どれくらいの工数を営業にかけているかをクロス集計で表示することも可能です。
営業にかける時間があまりとれていない担当者がいれば、事務作業を他で巻き取れないか検討したり、案件を割り振ったりといった施策を検討することができます。
kintoneの標準機能を用いたさまざまな切り口でのグラフ作成方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています!
▼kintoneで売上管理を実現!アプリの作り方やグラフ設定方法を解説
krewDashboardで営業管理をさらに便利に!
ここまでご紹介したのはkintoneの標準機能のグラフでしたが、krewDashboard(クルーダッシュボード)プラグインを用いることでより細かい集計や柔軟な絞り込みが可能になります。
krewDashboardでは、一つの画面で業務に必要なグラフなどの情報のみを整理して表示するいわゆるダッシュボードを作ることができます。
今回、krewDashboardを活用して営業管理の情報をまとめたダッシュボードがこちらです!
問い合わせの件数や商談数、受注数などを表示して、商談率や受注率を自動算出しているため、目標と実績の乖離・進捗をひと目で確認できます。
左の「チャネル」のボタンを押すと、各チャネルだけのデータに絞り込んで結果を見ることができる他、上の「問い合わせ日」を操作すれば任意の期間だけの集計にすることも可能です。
もう一つのダッシュボードとして、問い合わせチャネル別の成績を見ることでどのチャネル経由での獲得が効果的か分析できます。
このデータを見ると、SNS経由での問い合わせが商談率も受注率も高いことが分かり、SNSの施策を充実させることで効率的な受注の獲得が期待できます。
作業工数に関しても、担当者ごとや区分ごと、チャネルごとなどのさまざまな切り口のデータ計測を、krewDashboardならワンクリックで切り替えて表示可能です。
krewDashboardの活用方法はこちらの記事で詳しく紹介しています!
▼kintoneのダッシュボードとは?作り方・使い方を事例とともに解説| コムデックラボ
kintoneで営業管理アプリを構築する際のポイントとは?
kintoneで営業管理アプリを作成するためには、まず目的を明確にすることが大切です。
例えば「目標予算や実績の日々の進捗をリアルタイムで把握して営業施策の速度を上げる」、「担当者ごとの工数の分析をしたい」、「タスク漏れを防ぐために、日々のアクションを表示する」など、営業の管理者視点で必要な情報と、営業の担当者視点で必要な情報を洗い出して整理しましょう。
必要な項目を洗い出したら、次はこれらの項目を入力する画面を設計しましよう。
見やすさや入力のしやすさを意識してUIのデザイン・操作手順を意識することが大切です。
せっかくアプリを作っても、操作性が悪ければしだいに使われなくなってしまいます。
営業管理のkintone化でより良い営業戦略を立てよう!
今回の記事では、kintoneを用いた営業管理システムのポイントをご紹介しました。
営業担当者が個々人で管理していた顧客や案件のデータをkintoneを用いて一元管理することで、管理者はいつでも案件の進捗状況を確認できるようになり問題点の把握や必要な施策の展開をスピーディーに行うことができます。
また、営業担当者は報告資料の作成の工数を減らすことができるため、より営業に集中できる環境をつくることができます。
営業管理アプリをフル活用することで、kintoneを中心とした高速PDCAサイクルが回りだし、データを基にした営業戦略が実現するでしょう。
「営業管理システムを導入したい」、「営業の進捗状況を可視化したい」、「脱エクセルをはかりたい」「顧客管理・案件管理・商談管理を見直したい」とお考えの事業者さまは、是非kintoneを用いた営業管理アプリの構築を検討してみてはいかがでしょうか?
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