kintoneアプリとは?主な機能と作り方・活用方法について解説
kintoneで自社の業務改善を実現するためには、自社の業務に合わせた「アプリ」を作る必要があります。
業務ごとにアプリを作成・活用すれば、自動連携による二重入力の削減、数値集計による自社状況の見える化などを実現可能です。
そこで当記事では、kintoneアプリの代表的な機能や作成方法について解説します。
kintoneアプリで業務改善を実現した事例も紹介するので、参考にしてみてください。
- kintoneアプリの機能とできること
- kintoneアプリの作り方
- kintoneアプリのおすすめ活用方法
- kintoneアプリの機能やできることを知りたい方
- kintoneアプリの作り方を知りたい方
- kintoneアプリで業務改善を目指す活用方法
目次
kintoneアプリとは?業務改善に役立つアプリ例
アプリと言うとスマートフォンにインストールして使うようなものを想像しがちですが、kintone(キントーン)の「アプリ」とは、自社の業務に合わせて作成・活用できる業務システムのことです。
kintoneというプラットフォームの中で、管理したい情報ごとにアプリを作成していきます。
「顧客台帳」「請求一覧」「案件管理」といった、従来エクセルで管理していたそれぞれのファイルがアプリになると考えてください。
kintoneはWEBブラウザから利用できるクラウドサービスなので、インターネットにつながる環境ならパソコンでもスマートフォンでもタブレットでもアクセスでき、情報共有が容易になります。
kintoneについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
▼kintoneとは?実現できること・業務アプリの例もご紹介!
kintone公式HPより
また、kintoneのアプリは作り方も簡単です。
ドラッグ&ドロップだけでアプリを作れるほか、すぐに使うことができるサンプルアプリが豊富に用意されているため、プログラミングができなくてもアプリを作ることができます。
【kintoneで作成・活用できるアプリの例】
- 案件管理アプリ:顧客案件ごとの受注確認や金額、活動履歴も記録
- 売上管理アプリ:金額をはじめ、売上状況の進捗も一元管理
- 日報アプリ:日々の業務内容や報告事項、所感などを管理
管理が煩雑になりがちな売上・日報データも、kintoneアプリを使えばリアルタイムで可視化できるだけでなく、集計やグラフ化まで一貫して行えます。
kintoneアプリの便利な7つの機能
先ほど、kintoneはドラッグ&ドロップでアプリを作ることができるとお伝えしましたが、ただ「入力用のフォーム」を作るだけがkintoneではありません。
kintoneは様々な機能を持っており、それらを活用することでエクセルの置き換え以上の効果を発揮することができます。
今回は、特に便利な機能を7つ紹介します。
- ルックアップ機能
- アクション機能
- 関連レコード機能
- アクセス権の制限
- プロセス管理機能
- 通知機能
- 自動集計(グラフ化)機能
これらの機能を活用すれば、二重入力や人為的ミスの削減、手間のかかる集計作業の簡略化を実現できます。
それぞれ解説していきますので、アプリ開発の参考にしてみてください。
ルックアップ機能:別アプリのデータのコピー(参照)が可能
kintoneアプリのフィールドには、ルックアップという別のアプリに登録されている情報を呼び出して自動入力できる機能が備わっています。
指定したアプリから参照したい情報を選択するとき、アプリ内にあるほかの情報も一括取得できるため、手入力の手間を省くことができます。
入力される情報は参照元のアプリの情報に統一されるので、入力情報の表記ゆれを防ぐことも可能となっています。
「顧客管理アプリ」に登録しているお客様名や住所等の情報を「案件管理アプリ」にコピーしたり、「人事評価アプリ」に「従業員一覧」の情報を呼び出したり、使い方はさまざまです。
ルックアップ機能については以下の記事で詳しく解説しています。
▼kintoneのルックアップ機能設定方法、よくあるご要望を徹底解説!
アクション機能:必要情報をコピーして別アプリに新規登録が可能
ルックアップ機能は「情報を登録するときに別のアプリから情報を参照してくる」機能でしたが、kintoneには逆に「今開いているアプリの情報をコピーして、別アプリで新規登録するときにあらかじめその情報を入力しておく」機能もあります。
そのための機能をアクション機能と言い、例えば顧客管理の情報を元に案件管理の情報を新規登録する場合などに活用することができます。
関連レコード機能:関連情報を自動で絞り込んで表示
情報を入力するときや確認するとき、「別の場所で管理している情報も合わせて確認したい」というケースは多々あります。
例えば、「顧客管理アプリ」にはお客様の基本情報が登録されており、「顧客担当者管理アプリ」にそのお客様の担当者情報を登録しているようなケースでは、「顧客管理アプリ」側でも担当者の一覧が確認できると便利です。
従来のエクセル管理であればそれぞれのエクセルファイルを開くしか方法がありませんでしたが、kintoneならそういった「一緒に確認したい・表示したい情報」を自動で抽出して表示できる「関連レコード」という機能があります。
アクセス権の制限:データの閲覧可能な人を設定
「業務に関係のない従業員にはアプリやデータを見えないようにしたい」「従業員にデータを編集または削除されると困る…」といった場合でも、kintoneアプリならアクセス権の制限ができるため安心です。
アクセス権はアプリごと・レコードの条件ごと・フィールドごとに設定できるため、「アプリそのものを閲覧だけにする」「特定の条件に合致したレコードは一部の人しか修正できないようにする」「一部のフィールドは特定の部署しか編集できないようにする」といった制限が可能です。
※アプリ=エクセルファイルそのもの、レコード=エクセルにおける1行のデータ、フィールド=エクセルにおける列のデータ、と考えてください
アプリのアクセス権 アプリそのものの閲覧ができるか・どうかレコードを追加できるかどうか・編集できるかどうか・削除できるかどうか・ファイルの読み込み/書き出しができるかどうか |
レコードのアクセス権 条件を指定し、その条件に合致するレコードに対して誰が「閲覧・編集・削除」できるか |
フィールドのアクセス権 特定のフィールドを指定し、そのフィールドに対して誰が「閲覧・編集」できるか |
プロセス管理機能:ワークフローをデジタル化
kintoneには、ワークフローをデジタル化できる「プロセス管理機能」も備わっています。
申請の承認や稟議の決裁・複数ユーザーで作業するタスクを管理することで、申請承認の進捗状況や過去の申請履歴などを一元管理できます。
プロセス管理をうまく活用するための設定は以下のとおりです。
- 条件によってアクションを分岐させる
- 作業者を適切に設定する
- アプリの条件通知を設定する
- 承認済のレコードは編集不可に設定する
プロセス管理機能について詳しくは以下の記事をご覧ください。
▼kintoneのプロセス管理機能設定方法、よくあるご要望を徹底解説!
通知機能:アプリ内容の変更・更新を見落とさない
kintoneアプリの通知機能を使えば、該当社員にアプリ内容の変更・更新を通知できます。
通知条件は以下のように柔軟な設定が可能です。
アプリの条件通知 アプリに対してレコード登録や編集等、特定の操作をされたときに通知送 |
レコードの条件通知 レコード内のデータが特定の条件を満たした状態で保存されたときに通知送信 |
リマインダーの条件通知 レコード内の日時項目を基準にして特定のタイミングで通知送信 |
業務ごとのアプリが増えてくると、更新された情報を見落としてしまう心配がありますが、通知機能を設定しておけば抜けもれなくタスクを実行することができます。
kintoneの通知機能についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
▼kintone通知メールのカスタマイズ方法5選!おすすめプラグインも紹介
自動集計(グラフ化)機能:表やグラフを自動作成・リアルタイム更新
kintoneアプリにはグラフ機能が備わっており、アプリ内の数値を自動集計してグラフや表を作成することができます。
「顧客別の受注金額を集計したい」といったシーンに利用でき、アプリのレコード一覧画面から集計条件を指定するだけでリアルタイムな集計を自動的に行ってくれるのが特徴です。
グラフ機能を使えば、月ごとの売上額を集計したグラフなども作成できます。
条件に合致したレコードを自動的に集計するので、常に最新の集計結果を確認することが可能です。
kintoneの集計機能設定方法についてはこちらの記事で解説しています!
▼kintoneで売上管理を実現!アプリの作り方やグラフ設定方法を解説
kintoneアプリの作り方
kintoneアプリの作り方は主に以下の3つです。
- ドラッグ&ドロップ
- エクセルやCSVのファイルを読み込む
- サンプルアプリ(テンプレート)を使う
いずれの作成方法も簡単なので、プログラミングが苦手な方でも問題ありません。
ドラッグ&ドロップでアプリをはじめから作る
kintoneアプリを1から作る場合でも、ドラッグ&ドロップで作成できるので非常に簡単です。
一見「難しいのでは?」と感じるかもしれませんが、実際は直感的に操作できます。kintoneは基本的にプログラミング知識不要で、誰でも簡単にアプリ作成が可能です。
ドラッグ&ドロップで作る際の各項目(フィールド)や使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。
気になる方はぜひご覧ください。
▼kintoneの使い方、よくあるご要望を徹底解説!
エクセルやCSVのファイルを読み込んでアプリを作成する
kintoneアプリは、エクセルやCSVのファイルを読み込むことでも作成できます。
既存データが一瞬でアプリ化されるので「すでに使用しているエクセルデータがあるから移行が大変…」といった企業さまでも安心です。
エクセルまたはCSVでのアプリの作り方
- kintoneに読み込める状態のエクセルファイルをパソコンに保存
- kintoneトップページにあるアプリ欄の追加ボタン「+マーク」をクリック
- 「Excelを読み込んで作成」「作成を開始する」の順にクリック
- チェック項目を確認してチェックしたあと「アップロードへ進む」をクリック
- 「データ範囲(Excel内)の指定」と表示されたら、読み込むデータの範囲を指定
- プレビュー表示の先頭行に項目名(フィールド名)が表示されているかを確認
- 自動選択されたフィールドタイプに問題がないかを確認
- 画面右下の「作成」をクリック
エクセルやCVSのファイルからアプリを作成するときのポイントは、事前にkintoneが読み込める形式に整形しておくことです(行と列で単純構成された表形式等)。
※kintoneに読み込める形式の詳細はこちら
アプリストアのサンプルアプリ(テンプレート)を使って作成する
kintoneのアプリストアには「サンプルアプリ」と呼ばれるアプリのテンプレートが100種類以上も用意されています。サンプルアプリはそのまま使うこともできますし、編集することで自社の業務に合ったオリジナルアプリにすることも可能です。
kintoneサンプルアプリの利用方法
- ポータルのアプリ追加ボタンからアプリストアにアクセス
- アプリの検索フィールドから「部署別・業種別」で検索する
- 選んだアプリのページにある「このアプリを追加」をクリックしてダウンロード
作成したアプリは、設定画面から業務に合わせて柔軟に編集できます。
サンプルアプリの種類や活用方法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneのサンプルアプリ活用方法、よくあるご要望を徹底解説!
業務効率化を実現したアプリ事例 | kintoneアプリを活用しよう
コムデックラボではkintoneを活用して業務効率化を果たした様々な業種・規模の企業様の事例を掲載しています。
今回はその中でも、「kintoneを活用して脱エクセルを実現」した、案件管理と原価管理の事例をご紹介します。
kintoneアプリで案件管理の脱エクセルを実現
▼不動産業でkintone活用!案件管理の脱エクセルを成功に導く手順とは?|株式会社レアルジャパンさまのアプリ開発事例
不動産業を展開している株式会社レアルジャパンさまでは、以前まで案件(買付する土地)をエクセルで管理していました。
エクセルの案件管理表では「エクセルにデータを入力して集計は別エクセルを使って…」といった手作業が必要となります。
手入力は手間がかかるだけでなく、人為的ミスやリアルタイムでの状況を把握しづらいというデメリットも発生している状態でした。
kintone導入後は、項目が自動的に入力されるようにしたり、担当者にはチェックボックスで必要な箇所を選択してもらうだけにしたり、入力コストの削減を目指してアプリをカスタマイズ。
kintoneアプリで脱エクセルを実現し、案件管理の一元化に成功しました。
kintoneアプリによる原価管理で業務のリアルタイム集計を実現
▼原価管理をkintone化!脱エクセルでリアルタイム自動集計|建設業 株式会社泰成さまのアプリ開発事例
建設業の株式会社泰成さまでは、これまで原価に関わる経費をすべて紙やエクセルで管理していました。
しかし、本社と現場が離れているため「情報が揃うのに時間がかかる…」「データ入力や集計が手間…」といった課題が生じていました。
そこで、複数エクセルやシステムで管理していた原価管理をkintoneで一本化。
現場ごとで知りたい情報がひと目でわかる状態になり、予算の使用状況もリアルタイムで把握できるようになりました。
またアプリ作成の際には、科目ごとにアプリを分けることで、逆に「入力の手間やミスを減らす」という自社に合った工夫も実施。
プラグインを使って、操作性の高いアプリに仕上げた点も当事例のポイントです。
kintoneアプリを活用して自社の業務効率化を実現しよう
kintoneアプリにはさまざまな機能が備わっています。
業務に合わせて柔軟に設定できるので、自社の課題解決のためのアプリ作成が可能です。
kintoneアプリは作り方も簡単で、プログラミングが苦手な方でも直感的に操作できます。
「エクセルによるデータ管理に負担を感じている」とお悩みの企業さまは、ぜひkintone導入を検討してみてください!
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