担当者に聞く!「効果の高いkintoneアプリ・定着に効果的な工夫」|第14回クラウド担当者勉強会
2020年3月に第14回クラウド担当者勉強会を開催しました。
本記事では、kintoneをはじめとして複数のクラウドサービスを活用し業務改善に取り組まれている、F.テクノ有限会社の伊藤さま、アイリス南郊株式会社の辻さまと、コムデック生田との座談会について、お伝えします。
参加者ご紹介
三重県津市中心に工場のトータルコーディネート事業をされているF.テクノさま。
クラウド担当の伊藤さまは、kintone(キントーン)にほれ込み、自身でkintoneアプリを構築するに留まらず、kintone活用事例を発表するコンテストkintone hive名古屋大会にも登壇する程。
日々、「さらに顧客に満足してもらうためには?」という事を考えながら会社や、自分自身のアップデートに時間を惜しまない方。
三重県明和町で6つの介護事業所を運営しているアイリス南郊さま。
専務取締役の辻さまは今の介護業界の仕組み自体に疑問を抱き、常に業務の改善に取り組まれている方。合言葉は「三重の介護業界は私が変える!」。
kintoneやLINEWORKS(ラインワークス)を会社全体の連携強化に活用し、介護サービスの質向上につなげていっている。
目次
テーマ①「一番効果が出たアプリ」
生田
宜しくお願いします!では「一番効果が出たアプリ」について、まずFテクノさまにお聞きしましょう。
Fテクノ伊藤さま
そうですね、先ほどの発表でも話をさせていただ案件管理アプリが一番効果が出たかなと思います。案件管理を開くと、KANBANというプラグインを使っているので、案件がかんばん方式で状況別に分かりやすく配置されています。
生田
いいですね。kintone導入前は、案件を記憶や個人の手帳、個別のエクセルなどでバラバラに管理していたそうですが、kinton案件管理アプリに集約することにより、どのような効果が出ましたか?
伊藤さま
対応漏れがなくなったことと、お客様から「対応が遅い」というクレームがなくなったこと。
そして、きちんと全ての案件に対応できているということですね。さらに請求も漏れがなくなりました。
あとは…「連絡」ですかね、今までは口頭でしか内容が伝えられなかったっていうのが、kintone案件管理アプリをみれば全てが分かるようになりました。
そういうところが非常に良かったですね。
生田
今まではバラバラに動いていた社内のエンジニア同士が、お互いの予定を気にするようになってきている、ということもお聞きしました。
伊藤さま
そうですね。
生田
仮に、ですが…、このアプリが無くなって、また手帳や記憶に戻ってしまったとしたら、仕事の進め方はどうなりますか?
伊藤さま
ああ~。kintoneアプリがなかったとしたらですか。
辛いですね。仕事にならないです。
生田
そこまで定着しているんですね。
伊藤さま
そうですね。
それぞれ持っている案件の数が結構多いので、それらが把握できないっていうのが昔は本当に大変だったなって思います。
生田
なるほど、有難うございます。
続いてアイリス南郊の辻さまにも、「一番効果が出たアプリ」についてお聞きします。
こちらがアイリス南郊さまのkintone環境ですね。
アイリス南郊辻さま
自社は事業所数が多いものですから、管理が本当に大変なんですけど、何よりも良かったと思えるのが「利用者基本情報」アプリですね。
このアプリに利用者様に関わる全ての情報が集約されていくようにさせていただきました。
利用者様の顔写真、入所日、入院の履歴、提供しているサービス、お部屋番号、体重管理、病院受診、受診報告書、介護記録、看護記録と…ありとあらゆるものが見れるようになっています。
kintone導入前は、何種類もの記録用紙に同じ内容を転記する必要がありましたが、kintone導入後は、1度入力してしまえば転記作業が不要になったのも効果として大きかったです。
生田
発表でも話されていましたが、訪問介護の一人当たりの訪問件数が増えたと。
辻さま
そうですね。一人当たり一週間スパンで考えると、1~2回増えてるんですね。
それが30人いますから最低でも30回増えているということになります。
時間が空いた分、よりきめ細やかな介護サービスが提供できますので、今まで以上に入居者様目線での介護に取り組めています。
生田
サービス提供の時間の比重を高めることができたのは、kintoneに情報がすべてあるからですね。
辻さま
そうですね。
1人当たり1日トータル8時間勤務の中で、記録作業用にどれだけ時間を捻出するかなんですけど、完了させられなくて家に持って帰る、ということが無くなりました。
kintoneへの入力コスト、どのくらいかけている?
生田
なるほど。ちなみにですが…今やkintoneに入力する、入力された情報を確認するという作業も業務として不可欠になっていますが、例えば1日8時間の勤務、と時間が限られている中で、kintone作業の時間は大体目安を決めていますか?
入力作業が必要ではあるけどコストであることにも、変わりないですよね。
辻さま
そうですね。
入力時間を効率化するために、kintone導入に合わせて、会社でipadを20台導入し、従業員120名で共有で使ってもらっています。
PCも置いてありますが、皆が入力したい時に使えるようにしたいので。それと、wi-fi環境も整えてあります。
結果、個人差はありますが、今まで介護サービス実施記録を手書きで作成するのに20分くらいかかっていたのが、今(kintone)では5分もあればできるようになったんです。
なので、サービス実施記録は「5分で終わらせよう」という目標をたてるようしました。
5分で終わらせるために、コムデックさんにも協力してもらい、アプリの改善を進めていきました。
今後はIT、タブレット不得意な方も5分で出来るようにしたいですね。
生田
F.テクノさまはどうですか?
伊藤さま
うちはもともとシステムが無かったところに新しくkintoneというシステムを入れたので、作業が余計に増えたんですよね。
kintoneは使いやすいし便利なんですけど、それに関して皆ストレスを感じてしまっているので、そもそも、うちは極力入力してもらう情報量を少なくしてます。
生田
なるほど。
テーマ②「社内にクラウドを定着させるために行った取り組みの中で一番効果的だったこと」
生田
続いて2つ目の質問「社内にクラウドを定着させるために行った取り組みの中で一番効果的だったこと」についてお聞きしていきます。Fテクノさまはどうでしょうか?
伊藤さま
そうですね。
定着させるためには「話を聞いてどんどん改善していく」っていうのが大事かなって思いますね。
生田
使っている方々からの意見を聞くということですね。
伊藤さま
そうです。この前kintone hiveに出場して自社のkintone活用について発表したのを、従業員の人にyoutubeで見てもらったのですが、kintone活用への気持ちが高まったのか、kintoneアプリで改善してほしいことについて、不満のようなものが出てきました。
定期的に話を聞く場を設けて、不満を解消する…というのを繰り返すことでみんな使ってもらえるようになったかなと思います。
生田
わかりました、ありがとうございます。アイリス南郊さまはどうですか?
辻さま
うち職員数が120名と多くて、事業所もいくつもあるので、定着を進めるための工夫として、それぞれの事業所からITを得意とする職員を選任させていただいてIT推進委員会を立ち上げ、意見をまとめるようにしました。
事業所にはそれぞれ役職者もいますが、それはもう度外視して、選任しています。
コムデックさんとのミーティングに参加するメンバーに推進委員のものを含めるようにして、あらかじめ現場の職員から聞いた意見も交えながら、ミーティングで「こうしたほうがいいああしたほうがいい」という意見を交わしてアプリの改善を進めていっています。
結果、作り上げたアプリは、会社の財産となってきました。
今後は通所介護でも訪問介護でも、わたしたちが違うところで事業を展開することになったとしたときに、アプリをそのまま転用できると考えています。
生田
各事業所から担当者を選任するというのがポイントだと思うんですけど、どういう基準で選ばれたんですか?
辻さま
やっぱり元気な人ですね。
元気な子というかはっきりと意見を言える人とか、「こうしていきたい」という強い思いがある人ですね。
その人の話を聞いて、刺激を受けて、周囲の人もkintone活用を進めていくことになるのでと、そういう意識のある子と言うか、いまの業務じゃダメなんだとわかっていて、皆が使いやすくて誰もが分かるアプリにしていきたいという思いのある人がいいですね。
生田
ということは、意見が言えて、変えてかなきゃいけないなということが理解されていて、それをメンバーに伝えてくれそうなスタッフがたくさんいるということなんですね。
辻さま
そんなに沢山はいないですが、「これは!」と思うキーマンが各部署に一人二人はいます。
その人たちが引っ張ってくれていて、伝える相手の立場が自分より上でも、「これはこうでこうされたほうがいいと思います!」ってはっきりと伝えてくれています。
立場は度外視して、意見を交していくことが大事と、事前に役職者に伝えています。
良いと思うものはどんどん取り入れて、改善することは改善して、みんなが楽しくお互いwin-winで仕事できたらいいですよね。
この記事を読んでいる方へのメッセージ
生田
有難うございます。この記事を読んでいただいている方にメッセージがあれば、お願いします。
伊藤さま
僕からは、プラグインなど、標準機能以外の部分もどんどん取り入れて、定着につなげていってほしい、と伝えたいです。
僕も結構アプリをプラグインでカスタマイズしてるんですよ。
あとはコムデックさんにお願いしてjavascriptでのカスタマイズもやってもらったりしています。
生田
なるほど、標準やともったいないと
伊藤さま
そう、もったいないんで、ぜひそれはチャレンジしていっていただきたいですね。
毎月開催しているkintone café三重とかもあるじゃないですか。
caféでプラグインの知識を得られたりもするので、そういうところにも足を運んでほしいですね。
辻さま
そうですね、私たちはコムデックさんと出会ってkintone、LINEWORKSを導入し活用を進める中で職員一人一人の意識が大分変わってきて、業務に対する前向きな姿勢が出てきました。
タブレット端末を使える環境を整えれば、介護業界に入ってみたいと思う若い人たちに向けては、すごくいい印象になると思いますね。
生田
若い子を入れて、会社の活性を上げていこうとするとIT化したほうがいいということですかね。
辻さま
そうですね。
介護業界は年功序列で、それこそ長い物には巻かれろ…のような所もあると思うんですよ。
そうではなくて、正しい方針をもって介護を提供していくためには、kintoneを活用してリアルタイムに入居者様の情報を共有することが不可欠だなと。
生田
リアルタイムに情報を共有するっていうことはやっぱり成功に不可欠っていうことですね。
辻さま
そうですね。
生田
伊藤さま、辻さま、有難うございました!
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