kintoneで見積書作成・テンプレート化で大幅に工数削減|タッチパネル輸入販売業 ナイスモバイル株式会社さまのアプリ開発事例
エクセルで見積書を作成している企業さまは多くいらっしゃいますが、手作業での作成は時間がかかる上、チームでの共有がしにくい、どの案件の見積なのかわかりにくいというデメリットがあります。
似た案件の見積書をコピーすれば作成時間は短縮できますが、その分「本来その見積もりに入れなくてはならないものが抜けてしまった」「行を消し忘れて不要なものが見積もりに入ってしまった」といったミスが発生し、結果として手戻りになってしまうケースも少なくありません。
「もう少し効率良く見積書を作成したい」「見積書の記入ミスによるトラブルを減らしたい」と悩んでいる担当者さまも多いことでしょう。
そんな時kintoneを利用すれば、見積書の作成にかかる時間を短縮しながら印刷や共有・管理まで一元化が可能です。
この記事では、見積書をkintoneで作成し、さらによくある見積パターンをテンプレート化することによって、業務効率化を実現した事例を紹介します。
目次
kintoneで見積書を作成!案件管理との紐づけと印刷を実現
ナイスモバイル株式会社さまは、長野県に本社を構え、全国に拠点を展開しているタッチパネル輸入販売業の企業さまです。
タッチパネル関連製品の導入プロデュースなども手掛け、ITによる働き方改革の支援を行っておられます。
そんなナイスモバイル株式会社さまでは、数年前からkintone(キントーン)を利用されており、案件管理とそれに紐づく在庫管理をkintone化するなど、積極的に業務改善に取り組まれています。
▼案件管理・在庫管理をkintoneで一元化!KANBANプラグインで進捗管理がずっと楽に
案件管理や在庫管理に続いて、エクセルで作成していた見積書もkintoneで作成するようになり、情報の一元化を実現されました。
kintoneで見積書を作成する方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
▼kintoneでの見積書作成の方法を紹介!標準機能から便利なプラグインまでを解説
さらに、外部連携サービスである「プリントクリエイター」を導入することで、既存のフォーマットとほぼ同じ形式の見積書をkintoneで作成することが可能に。
作成した見積書はkintoneからPDFファイルで出力でき、見積書と案件データを紐づけもできるようになったため、社内での情報共有がスムーズになりました。
プリントクリエイターを含む、kintoneからの帳票出力方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
▼kintoneで帳票を簡単に作成・PDF出力したい!便利なプラグイン5つを徹底比較!
kintoneの見積書に毎回同じ内容の項目入力が必要…この手間を改善したい
kintoneで見積書の作成から印刷・案件データの管理まで完結できるようになったナイスモバイル株式会社さま。
案件管理から見積管理まで情報の一元化は実現できましたが、いざ使ってみると気になる点がいくつか浮上しました。
ナイスモバイル株式会社さまの主力商品であるインタラクティブホワイトボート(電子黒板)は、スタンドや設置費・保証延長といった項目をセットで見積を出す場合がほとんどです。
そのため、見積を作成するたびにテーブルでひとつひとつ行を追加して入力しなければなりません。
同じ内容のセット項目を入力するのにも、最低でもテーブル3行程度、多いときだと10行以上の手動入力が必要になります。
kintoneにはルックアップ機能(ほかのアプリに登録されている情報を参照してコピーできる機能)があるので、商品コードや商品名、単価といった見積書に必要な全ての情報を手入力するわけではないとはいえ、「毎回同じようなセットを手入力する」繰り返しの手間を削減したいと考えたナイスモバイル株式会社さま。
1件当たりは数十秒の作業でも、会社全体で考えると1ヶ月に1,000件以上の見積を作ることもあるため、積み重ねによる改善効果は相当大きいはずです。
また、これらを自動化できれば手動登録による抜け漏れやミスも防ぐことができ、誰であっても見積書を作ることが可能となります。
全ての見積書をカバーするのは難しくても、よくある見積書のパターンくらいは手間なく登録できるようになりたいということで、見積書の作成効率アップを目指して、見積書アプリのカスタマイズがスタートしました。
見積書をテンプレート化!ルックアップ内サブテーブルコピープラグインでテンプレートを取得
毎回同じ項目を見積書に繰り返し入力する手間を省くため、考えた方法は「よくある見積のパターン」をテンプレートとして登録しておき、そのテンプレートを使って見積書を作成する方法です。
そこで、まずは見積書アプリとは別に「見積書テンプレート」アプリを作成し、見積書アプリと同じようにテーブル形式でよくある見積のパターンを登録してもらいました。
インタラクティブホワイトボート(電子黒板)本体に加えて、スタンドや設置費、保証延長費、操作方法レクチャー費など、必要な見積内容を網羅しています。
あとはこのテンプレートの内容を見積書アプリから参照すればバッチリ……ですが、kintoneの標準機能ではテーブルの内容をルックアップで取得することはできません。
標準機能で難しい部分は、テーブル形式のデータであっても他アプリから取得することができるTIS社の「ルックアップ内サブテーブルコピープラグイン」を活用しました。
見積書アプリで「どのテンプレートを利用するか」を選択(ルックアップ)することで、見積書テンプレートアプリにある見積書の明細を、見積書アプリでも取得できるようになっています。
ルックアップ内サブテーブルコピープラグインの設定は、「どのルックアップ項目を元に情報を取得するか」を指定して、あとはコピーしてくるテーブルの項目を対応させるだけ!
これで、新たに見積を作成する際には、まずテンプレートを呼び出すことで何度も同じ項目を入力する手間を省くことができるようになりました。
商品ごとの項目ではなく、テンプレート名をルックアップする形となるため、サイズやお客様ごとの仕切り価格別に分けてテンプレートとして登録しておけば、似たような提案をする際に同じ作業を繰り返すことなく、素早く呼び出すことができます。
また、テンプレートで呼び出した見積書の内容は、行を削除したり追加したり、内容を修正したりと自由に改変することができるため、テンプレートを元に柔軟に調整することが可能となりました。
二つの製品を比較したい…そんな時の見積作成も簡単に
お客様からの見積依頼で、「A商品とB商品の見積書を比較したい」というケースも少なくありません。
ナイスモバイル株式会社さまでも、「金額を比較するために55インチと65インチの製品の見積をそれぞれ出してほしい」といったご依頼があるそうです。
こういったケースでは「それぞれの見積書を作成する」のが一般的ですが、今回カスタマイズした見積書アプリであれば、同じレコード内でそれぞれのテンプレートを利用して見積書を作成することが可能です。
実際のkintoneの動きで説明していきます。
まず、「テンプレートから選ぶ」で55インチのテンプレートを取得します。
続いて、同じ「テンプレートから選ぶ」の項目を上書きする形で、65インチのテンプレートを取得します。
そうすると、55インチの明細の下に65インチの明細が取得されてきます。
これだけだと見にくいため、摘要行を差し込むなどしてレイアウトを整えれば、ひとつの見積書内で二つの製品の比較を行うことができます。
テンプレートの利用で見積書作成にかかる時間を月8時間~16時間短縮することに成功
ナイスモバイル株式会社さまでは、見積書テンプレートアプリを活用することで、見積書作成にかかる時間と手間を短縮することに成功しました。
月に1,000件前後の見積作成があるので、1件あたり30秒~1分の短縮だとしても、1ヶ月で8時間~16時間の工数削減効果を得られたことになります。
また、テンプレートを事前に作成しておくことで、見積書に必要なものがリストアップされるので、抜け漏れ防止にもつながりました。
もちろん商品名や規定の変更などによるテンプレートの追加やメンテナンスについては、その都度ひとつひとつ実施する必要があるので、すべての作業が自動で完結するというわけではありません。
しかし、毎回同じことの繰り返しとなっていた作業を見直して簡略化できたことで、業務効率は格段にアップしました。
kintoneを活用して見積書作成業務を効率化しよう!
ナイスモバイル株式会社さまでは、もともとエクセルで作成していた見積書をkintone化することで情報の一元化を実現できました。
さらによくある見積書の内容をテンプレート化することで、毎回の入力作業を簡略化し、作業時間を大幅に短縮することに成功しています。それだけではなく、見積書の入力ミスも減らすことができました。
営業担当が見積書を作成する会社も多いと思いますが、その時間を削減することで本来の営業業務に集中できるというメリットもあります。
1件にかかる時間は1分でも、会社全体として、あるいは長期的に見れば大きなコストです。習慣化して見落としている部分に、業務改善と効率化のポイントが潜んでいるかもしれません。
kintoneを活用して、日々の業務をもっと簡潔に、快適にしませんか?
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