「広告」ではなく「資産」になるWEBマーケティングとは?中小企業が取り組むべきポイントを解説
最低賃金の高騰・物価の上昇など、昨今の情勢には経営者の方は頭を抱えていることでしょう。
そんな環境変化に負けず、会社を健全に運営していく(売上や利益を増やす)ためには、業務改善だけでは難しいのが現状です。
そこで今回の記事では、第22回DX担当者勉強会でお伝えした中小企業が取り組むべきWEBマーケティングについてご紹介します!
一昔前までは大企業が行うものだったWEBマーケティングですが、今は多くの人に認知されているとは言い難い中小企業にこそ必要です。
中小企業にとってのWEBマーケティングの重要性や自社で行うときに押さえておくべきポイントについて、コムデックの事例とあわせて解説していますので、是非ご覧ください!
目次
WEBマーケティングの重要性
WEBマーケティングは中小企業だからこそ取り組むべき重要な営業手段の1つです。
インターネットで誰でもどこでも情報を取得できる現代だからこそ、「うちは中小企業だから必要ない」と切り捨てず、WEBマーケティングの重要性を理解しておきましょう。
業務改善はコストダウン⇒売上高を上げる施策は別で必要
政府の後押しもあり、多くの企業さまが業務改善に取り組んでいます。
しかし、業務改善を頑張っても売上が2倍・3倍になることは稀で、良くても粗利110%増が限界です。
業務改善によるコストダウンを達成したあとは、次のステップとして売上増を目指す必要があるのです。
売上高を伸ばすためには、新規顧客を獲得するための施策が必要となります。
新規顧客を増やすための集客を効率よく行える方法こそがWEBマーケティングなのです。
市場の購買行動が変化している
何故WEBマーケティングが効率の良い集客方法なのでしょうか?
その理由は、市場、つまりお客様が商品購入に至るまでのプロセスが変化していることが関係しています。
コロナ以前は仕事の依頼先を検討するとき、店舗や人の紹介を通して取り引きが始まるケースが多数ありました。
もちろんそれがなくなったわけではありませんが、コロナ流行後は人との接触をなるべく避け、SNSやホームページを介して仕事の依頼先を決定する企業が増えています。
つまり、人はさらにデータを信じる生き物になったと言えます。反対にいえば、データがない情報は信じられなくなったということです。
例えば、目の前におしゃれなカフェがあったとき、カフェに入る前におすすめのメニューや評判などを確認しませんか?
そして、例えばGoogleで調べたときにあと数十メートル先にさらに素敵なお店があれば、そちらまで足を延ばしてみようと思わないでしょうか?
この例は「実際に目の前まで来た」場合の例ですが、実際には「行く前からその場所の情報を調べている」可能性が高く、カフェの情報を調べたときにSNSやホームページがないとお客様を逃してしまう可能性があります。
上記はBtoCの例ですが、BtoC市場にあるものはいずれBtoB市場にも普及していきます。
そこで、「まず存在を知ってもらい、見込み顧客を取りこぼさない」ために、中小企業にこそホームページによる情報発信・WEBマーケティングが必要となるのです。
勘違いしやすいWEBマーケティング
中小企業の経営者や広報担当者様の中には、「WEBマーケティングは湯水のようにお金がかかるらしい、怪しい」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
そこがよくWEBマーケティングが勘違いされるポイントです。
確かに、WEBマーケティングは全くの無料でできるかと言うとそれには限界がありますが、やみくもにお金が出てくばかりのものではないということを解説していきます。
WEBマーケティングには大きく分けて二種類ある
そもそもWEBマーケティングには、大きく分けて「資産」「非資産」の二種類があるとコムデックは定義しています。
そして、前述の「WEBマーケティングの怪しさ」は非資産であるネット広告が原因の大半を占めているのです。
ネット広告の代表格は、Googleに広告費を支払って検索画面の上位に広告を表示してもらう、いわば中小企業の知名度を上げる手段の1つです。
怪しいものではなく、WEBマーケティングにおいて非常に有効な手段となっています。
正しく知ることで自社でも使いこなすことができるようになりますので、「資産」「非資産」の違いについて学びましょう。
資産になるWEBマーケティング
資産になるWEBマーケティングには主に以下のような種類があります。
- HP
- YouTube
- SNS
- オウンドメディア
- ランディングページ(LP)
- ホワイトペーパー(WP)
WEBマーケティングにおける「資産」とは、インターネットを介して情報発信をするコンテンツを指します。
オウンドメディアとは、商品やサービスの情報を発信できる自社サイトのことです。
リクルートやマイナビなどの大手が運営しているイメージが強いですが、情報の発信・蓄積ができることから近年オウンドメディアをもつ中小企業が増えています。
特徴として、一朝一夕で認知度が上がるものではなく(よくSNSであるような『バズり』が無い限り)、しっかりとメンテナンスをして定期的に情報を発信していくことが重要なコンテンツであるということです。
コンテンツを充実させ、日々の情報を蓄積させていくことで会社にとっての資産になると言えます。
非資産のWEBマーケティング
資産のように積み重ねていくコンテンツとは毛色が異なるのが非資産、つまり広告です。
非資産とは「コンテンツを消費者に届ける手段」を指し、以下のような広告を挙げることができます。
- リスティング広告(顕在層向け):検索したキーワードに応じて上位に表示される広告
- SNS広告:InstagramやYouTubeなどのSNSに表示させる広告
例えば、検索エンジン(Google)でコムデックも取り扱っている「kintone」と検索した場合、以下のような検索結果が表示されます。
検索結果画面の上部に表示される「広告」がリスティング広告です。
広告費がかかるものの、検索のトップに表示されるため消費者に知ってもらうチャンスが増えるというメリットがあります。
一方、SNS広告はInstagramやYouTubeなどのSNSを用いた広告のことで「Facebookを見ている時に出てくるお知らせ」などが挙げられます。
柔軟なターゲティング(エリアや性別、年齢など)設定が可能なため、潜在層向けの広告として最適です。
例えば、kintoneは知らないが「DX化したい」と考えている経営層が「kintoneでDX化!」というSNS広告を見れば「kintoneは知らないけどDXは興味がある」と感じてもらうことができ、kintoneのアピールになります。
資産×非資産が重要
WEBマーケティングにおける「資産」「非資産」について紹介しましたが、自社の売上高を伸ばすためにはどちらか一方に力をいれるのではなく、2つを組み合わせて実施していくことが重要です。
例えば、自社の資産を充実させないままに広告を実施しても、一瞬はアクセス数等が伸びるかもしれませんが知りたい情報を得られないのでお客様は離脱してしまいます。
ホームページやオウンドメディアのコンテンツの情報を拡充させ、その上で広告を活用することで多くの消費者に自社情報を届けることができるのです。
広告を活用すれば、これまで届けられていなかった層(商圏・新たな市場・潜在層)にリーチできるため、新規顧客の開拓につながります。
コムデックでも、YouTubeで自社サービスの情報を発信しています。動画を投稿することで、24時間365日働いてくれる(営業してくれる)資産となるのです。
オウンドメディアで発信している事例記事も同様です。ファンの方は定期的にコンテンツを読んでくれますし、広告を活用することで見込み顧客を取り込むこともできます。
ここから先は、いかにして自社の「資産」をレベルアップさせていくかを解説していきます。
中小企業のWEBマーケティングを阻む3つの壁と解決策
取り組んだ方が良いのはわかっているけれど、知識もないしなかなかWEBマーケティングに踏み出せない、どれくらい費用が掛かるか不安、あるいはやり始めてみたけれど続かない、そんなお悩みをよく伺います。
そんな中小企業のお悩みあるある、いわば「WEBマーケティングを阻む3つの壁」とその解決策をご紹介します。
中小企業のWEBマーケティングを阻む3つの壁
【知識の壁】WEBマーケティングへの知識・経験不足 【費用の壁】投資費用の不透明感、無形資産に投資するのが不安… 【継続の壁】何を手掛かりにコンテンツ作成すればいい? |
知識の壁
WEBマーケティングへの経験・知識不足は、とにかくネットで情報を集めることで解決できます。
特にYoutubeの動画は無料で詳しく解説してくれているのでおすすめです。
それでも無理なら、専門家へ相談するのもよいでしょう。
実はコムデックも自社だけでWEBマーケティングをやっているのではなく、外部の専門家の力を借りています。
【WEBマーケティングのおすすめYouTubeチャンネル】
StockSunチャンネル :https://www.youtube.com/channel/UCq_vpWj2ZW8doksXpxkMAnw
イチオク!チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UChs-l_kUYr8RYwHsSy1U7Vw
費用の壁
一体どれくらいの費用がかかるのか、そしてその費用を回収できるのかは、企業にとって非常に重要な事項です。
ここでは、費用の不透明感を解消するために「コムデックラボ」の例を提示します。
- オウンドメディア本体のリニューアル 50万円
- 記事作成 1本3~4万円
コンテンツをゼロからデザインするとコストがかかりますが、うまくいっている競合サイトのデザインを参考にすることで比較的安く抑えることが可能です。
また、コムデックでは年間100記事程度外部に委託して作成してもらっています。
つまり年間300~400万円ほどを記事作成に使っているわけですが、皆様はこれを高いと感じましたか?安いと感じましたか?
記事を100記事作成したとしても営業社員1人雇うより安く、労働時間の制約もないので24時間365日営業してくれます。
また、記事がネットに公開されればユーザーへのきっかけ作りになります。
そのため、コムデックでは今後も記事作成のアウトソースを継続していく予定です。
なお、ここでご紹介したのはあくまで「資産」を形成するための費用です。
非資産である広告費用についてはその時と場合によって相場が大きく変わるため、WEB広告の専門家に頼るのがおすすめとなっています。
継続の壁
WEBマーケティングに終わりはありません。また、市場のニーズ(興味)はどんどん移り変わっていきます。
例えば「kintoneのコンテンツを発信していこう」と決めても、1年後に「kintone」のニーズがあるかどうかはわかりません。
そのため、常に市場を経過観察し、コンテンツの改善を継続していくことが大切です。
WEBマーケティングを継続していくうえでポイントとなるのが、PDCAを回すことです。
- 市場のニーズを調査する
- コンテンツを作る
- 定期観測をする
- コンテンツを調整する
以下で詳しく解説していきます。
1.市場のニーズを調査する
まずは、消費者がインターネットでどんな言葉で検索しているか?を調査します。
難しく聞こえるかもしれませんが、Googleのキーワードプランナーを活用すれば設定した時期のキーワードの検索ボリュームを調べることができます。
例えば、「働き方改革」か「DX」でコンテンツを作ろうと考えたとき、どちらの方がより市場に届きやすいでしょうか?
そんな時、Googleキーワードプランナーでそれぞれのキーワードを調べてみると以下のような結果になります。
働き方改革 2021年9月~2022年9月 (直近1年間)
DX 2021年9月~2022年9月 (直近1年間)
働き方改革のボリュームが27,100なのに対して、DXは110,000。DXの方が5倍近く検索されています。
この結果から、働き方改革よりもDXというキーワードを盛り込んだコンテンツを作ったほうが良いことは明らかです。
しかし、3年前なら状況は大きく異なります。
先ほどの検索結果が2021年~2022年だったのに対し、2019年で調べた結果は以下の通りです。
働き方改革 2019年1月~2019年12月
DX 2019年1月~2019年12月
働き方改革165,000に対して、DXは22,200。直近一年の結果と逆転以上の差が開いていることがわかります。
3年前、ちょうど働き方改革法の施行前後では、働き方改革に関する情報を皆が欲しがっていました。そのため、当時コンテンツを作るなら、当然DXではなく働き方改革というキーワードを盛り込んで作成するべきです。
このように、市場のニーズはその時々で移り変わります。今市場が求めているのはどんな情報なのかを調査し、それに沿ったコンテンツ作りをしていく必要があるのです。
2.コンテンツを作る
消費者に多く見てもらうためのコンテンツ作りのポイントは、以下のとおりです。
- 市場のニーズ = キーワードを満たしているかどうか
- 検索エンジン(Google)に気に入ってもらう = 上位に表示してもらえるかどうか(SEO対策をできているかどうか)
市場のニーズ・キーワードは、前述したキーワードプランナーで調べることができます。
一方、SEO対策(検索エンジン最適化)、つまり検索エンジンで上位に表示してもらうためには以下の施策が必要です。
- 関連するキーワードも網羅する
- 読み応えを重視する(品質の高さを重視)
- 内部リンクを入れる(目的のコンテンツに早くたどり着けるようになっていること)
- 外部サイトからリンクを貰うこと(他社からたくさんリンクを貰っている=信頼性が高い)
Googleに気に入られるのは、読んだ人の満足度が高い(読み応えがある・知りたい情報を網羅している・信頼性が高いなど)コンテンツです。
そのために、よく一緒に検索されるキーワードもページ内で網羅して、お客様にとって「知りたいことをそのページ一つで理解できる」コンテンツを作成しましょう。
加えて、ページの滞在時間が短い(すぐページから離れてしまう)と、来訪者にとって有益な情報ではなかったとGoogleに判断されるため、読み応えのある内容にすることを意識してください。
また、内部リンク(自社のサイト内で、関連するページへのリンクを適切に配置しているかどうか)と外部リンク(他社からのリンク)もSEO対策において重要です。
何故Googleに絞って対策を行うのかと言うと、日本において利用されている検索エンジンの割合はGoogleが75%を占めているためです。その後にはYahoo!が15%、Bingが7%……と続きます。
Yahoo!はGoogleと同じアルゴリズムを採用しているため、検索結果の並び順はGoogleとほぼ同じです。
よって、Googleの対策を行うことで9割以上の層にアプローチすることができるのです。
3.定期観測する
ホームページやコンテンツは「作ったら終わり」ではありません。
定期的にデータ(コンテンツへのアクセス数 = PV)を観測して、ニーズに合わせたコンテンツの作成を継続する必要があります。
【定期観測に役立つツール】
- Googleアナリティクス
- Googleサーチコンソール
例えば、Googleアナリティクスで計測した特定のページのPV数がこちら!
コムデックでは、Googleアナリティクスから取得した情報をkintoneにまとめなおすことでより状況を把握しやすくしています。
他にも、コムデックではPV数や問い合わせ数等とは別に「検索したときに自社のコンテンツが何位に表示されているか」も合わせて観測しています。
上位に挙がってくればGoogleから良い評価を得ていることが分かりますし、逆に上がってこなければ調整が必要であると判断できます。
4.コンテンツを調整
投稿したコンテンツは、品質を保つために定期的に調整しましょう。
再度キーワードを調べる(トレンドを把握する)ことで、常にニーズに寄り添ったコンテンツを発信できます。
- 新規キーワード → 新規コンテンツ
- 既存に共通するキーワード → コンテンツ調整(リライト)
上記のように新規コンテンツ作成と調整(リライト)を使い分け、見込み顧客に対して最新の情報を提供することが大切です。
WEBマーケティングに取り組んで業績アップへ
今回の記事では、担当者勉強会でお伝えした中小企業向けのWEBマーケティングについてご紹介しました。
冒頭でお伝えしたとおり、業務効率の追求だけでは業績アップは困難なため、中小企業こそWEBマーケティングにも取り組んでいただきたいと考えています。
WEBマーケティングを行い、各種コンテンツで情報を発信すれば、24時間・365日働き続けてくれます。
一番商品を売るのがうまいのは社長ですが、その次はWEBのコンテンツと言っても過言ではありません。WEBマーケティングに取り組んで、脱属人化・営業レス・売上高のアップを実現しましょう。