kintoneでやる気を評価!?JavaScriptカスタマイズでコメントを集計|製造業 中勢製氷冷蔵株式会社さまのアプリ開発事例
日々、自社の業務に携わってくれている従業員のさまざまな頑張りをどのように評価するかは、経営者の方や上長の方が常に頭を悩ませている事案です。
売上等の目に見える数値で測るのは簡単ですが、それだけで評価するのは難しいもの。
となると、普段の「行動」を評価する必要がありますが、それも自分の目だけで見て判断するのには限界があります。
今回は、kintone内の「コメント数」に着目し、従業員のやる気を人事評価に活かしたい社長さまの想いをJavaScriptによるkintoneのカスタマイズで実現した事例をご紹介します。
目次
kintone hiveにも出場!人事評価の元となる情報をkintoneで集計
中勢製氷冷蔵株式会社さまは三重県津市に本社を構え、製氷や各種加工氷の製造・販売を手がけていらっしゃる製造業の企業様です。
県内最大規模となる1日112トン以上の製造能力を誇り、関西や中部の有名かき氷店や高級飲食店、大型イベントなどへ質の高い氷を供給しています。
「継続して地域に貢献できる製氷メーカー」を目指して、設備投資や従業員の安全確保、負担軽減を実現する機械の導入などを積極的におこなわれてきました。
元々、中勢製氷冷蔵株式会社さまの社内における情報共有の中心は紙資料やホワイドボードでしたが、業務効率化のために「情報の一元化・共有の手間ゼロ」を目指してkintone(キントーン)を導入。
導入からわずか半年後の2021年6月には、日々の業務でkintoneを活用しているユーザーが一堂に会して業務改善プロジェクトの成功の秘訣を共有するリアルイベント「kintone hive」にもご登壇されました。
中勢製氷冷蔵株式会社さまのkintone hive登壇レポートはこちら!
▼kintone活用で会議時間1/5に!リアルタイムな情報共有と業務効率化を実現した導入ステップとは?|製造業 中勢製氷冷蔵株式会社さまのアプリ開発事例
その中勢製氷冷蔵株式会社さまで、全従業員がkintoneを使える状態を目指すためにまず運用したものが「社内改善活動評価アプリ」でした。
社内改善活動評価は、社内環境の整備や改善活動について、パートさんも含めた全従業員が各自投稿。
それに対してポイントを付与することで、従業員たちの評価に繋げる、そして絶えず社内環境の改善が進んでいく、という取り組みです。
以前はメールで投稿していただいていましたが、kintoneへ移行することで従業員たちはこまめにkintoneを触ることになり、あっという間になじんでいきました。
また、投稿の集計やフィードバックの速度が大幅に向上したため、従業員のモチベーションアップに繋がったり、投稿数による評価がスムーズにできるようになったりといったメリットが生まれたのです。
さまざまな年代・職種の従業員がkintoneを活用できる状態を目指した初回ミーティングの様子はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintone対面開発初回打合せ大公開!全社員がkintoneを活用するための極意編
kintoneのコメント欄を積極的に活用!従業員の頑張りを見える化したい
コロナ禍で少し事業が落ち着いているタイミングを逆手にとって、業務効率化のためにkintone導入を進めていた中勢製氷冷蔵株式会社さま。
従業員がkintoneに早くなじめるよう、日常的におこなう社内改善活動評価をkintone化することで社内への浸透をスムーズに実現しました。
kintoneでの投稿が定着してきたころ、社長はあることに気づきます。
「従業員さんたちが、kintoneのコメント機能を活発に使ってやりとりしている」
kintoneのコメント機能とは、kintoneアプリ内のレコードに書き込めるもので、一つひとつのレコードに対して、アカウントを持つ人がコメントを付けられます。
必要に応じてコメントの宛先を指定できたり、「いいね!」が押せたりする便利な機能です。
中勢製氷冷蔵株式会社さまでは、この機能を自発的に活用し、「社内改善活動評価アプリ」で各自が投稿した内容について、コメント欄で活発に意見を交わしていたのです。
ただ、誰がどれくらいコメントしているかはkintoneの標準機能では集計することができず、「この人、よくコメントをつけているね」といった感覚でしか把握できていませんでした。
もともと、従業員とのコミュニケーションや従業員同士のコミュニケーションを大切に考えている社長は、ほかの従業員さんの投稿に対しても積極的にコメントしてくれる、そのやる気ある行動を評価につなげたい!と考えました。
標準機能では集計できない…それならJavaScriptカスタマイズ!
kintoneの「社内改善活動評価アプリ」の各投稿につけられたコメントについても、しっかり評価につなげたいということで、コメント数を集計したり分析したりできる状態を目指すことになりました。
kintoneは、運用をスタートしてからも業務や現場の状況に合わせてカスタマイズを随時おこなっていくことができる、使い勝手のよいツールです。
はじめに、kintoneの標準機能でできることはないかを検討しましたが、「従業員名等で検索して、目視でカウントする」には中勢製氷冷蔵株式会社さまでやり取りされているコメントが多すぎたため断念。
次に、kintoneのプラグインで実行できないかも検討しましたが、無償のプラグインでは該当機能は見当たらず、アプリ間での集計が行えるkrewDataもコメントは集計対象にできないということでした。
コメントのバックアップを取っておく方法についてはAPIを使って実行できる方法がWEB上に公開されていましたが、1つのレコード(投稿)に付いたコメントをテーブル形式で保存するものであり、中勢製氷冷蔵株式会社さまのご要望のように集計を行うことはできません。
標準機能でだめ、プラグインでもできないとなったら、kintoneカスタマイズ最後の手段、JavaScriptを使ったプログラミングの登場です。
kintoneをJavaScriptでカスタマイズする方法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
▼JSEdit for kintoneの使い方を解説!メリット・デメリットについても紹介!
「コメント集計アプリ」を新たに作成し、コメント集計を行いたい対象のアプリから、ワンクリックで「1コメント1レコード」として転記を行うカスタマイズを実施。
レコードとして登録さえできれば、あとはkintoneの標準機能で従業員ごとに集計を行うことができます。
このカスタマイズにより、コメント集計アプリを見れば、どのアカウントがどれだけコメントをつけているか、月ごとのデータを表形式で確認できるようになったのです。
コメント集計で得られた効果とは?「やる気の見える化」で新たな評価軸
こうして、社長のご要望に沿ったkintoneのカスタマイズが完了し、アプリへの投稿数のみならず、投稿に付いたコメント数についても集計できる状態になりました。
ボタンを押すだけで、リアルタイムな情報・最新の情報や集計データを取得・閲覧できるようになり、 期間ごとに誰がどれだけコメントしているかもわかるため、標準機能では成しえなかった「コメント数に基づく評価」も検討できる環境が整ったのです。
これまで感覚値でしかわからなかった従業員のコメント頻度や数を集計できるようになった結果、社長が考えていたよりも多くのコメントがつけられていることがわかりました。
kintoneで人事評価は実現できる!標準機能で難しいことはカスタマイズで
従業員のやる気がコメントという形でkintoneに蓄積され、それが数値的に見える化されたことで独自の評価基準のひとつとなった中勢製氷冷蔵株式会社さま。
現在は社内で運用する2つのkintoneアプリのコメント数を集計していますが、今後はアプリの項目に沿って区分ごとの集計もできるようにすべきか…といった次の展開も検討中です。
kintoneの充実した標準機能やプラグインを活用できることはもちろんのこと、それらで難しい場合にもカスタマイズによって実現できることはたくさんあります。
「これは難しいか…」とあきらめていたことも、JavaScriptによるカスタマイズを視野に入れれば実現できるかもしれません。
評価の記録そのものをkintoneで運用する方法もご紹介していますので、kintoneで人事評価を実現したい方はこちらの記事も合わせてご覧ください!
▼kintoneで評価制度を管理する7つのメリット
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